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お江戸奇譚 回向院(ゑかういん)

現在はコロナに振り回される東京だけど、火事と喧嘩は江戸の華。幾度も天災や人災に見舞われ、沢山の歴史と逸話を残してきた。回向院(エコウイン)はそんな江戸ならではのオールラウンダーなお寺で、安政大震災や関東大震災、東京大空襲の犠牲者、溺死者、遊女、水子や刑死者、犬猫小鳥など懐深く弔っている。

両国駅から徒歩10分。大通りに面した場所に回向院はある。1657年の明暦の大火の犠牲者10万人余りを弔うため建てられたお寺である。明暦の大火は三大大火の一つに数えられ、振袖火事と呼ばれている。なぜ振袖火事かというと、曰くつきの振袖が火元となったと言われているから。

世に不思議は多けれど、物には魂が宿るという。着付けの先生は着物が大好きな方だったけれど、古着の着物には手を出さないと言っていた。

振袖火事はそんな着付けの先生の言葉を思い起こさせるお話。

江戸時代に若い娘がいて、叶わない相手に懸想して憔悴の末この世を去った。この娘が想い人を慕って作らせた振袖があまりに美しく、本来なら娘と共に荼毘に付されるところを人手に渡ることになった。ところが振袖の新しい持ち主の娘たちは次々と急死。不幸が続くので振袖を寺で供養しようと燃やそうとしたところ、街中に火が燃え広がったと言う。この明暦の大火は、江戸の大半を焼き尽くし江戸城も焼失している。

回向院の境内には

小鳥の碑

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忠犬ならぬ忠猫の碑

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生きてる猫も暮らしいる。

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こちらは、知らざあ言って聞かせやしょう。鼠小僧の塚でござる。「お前立ち」という手前の白い石を削った粉が受験の御守りになるという。

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両国は史跡の宝庫で、回向院に留まらず近くに歌舞伎「忠臣蔵」の討ち入りの舞台となった吉良上野介の屋敷跡。

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本日の買い食いは、両国スウィーツ「土俵サブレ」。路地に立ち並ぶチャンコ鍋店。不覚、誘惑に負けて体型だけ力士に近づいた?

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