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金に塗れた世界。

勧誘?

順調に細く長くお客様との距離を保ち
常に1番で走り続けていた。

勿論、学生という本業も。

学校生活は訳ありな人が多く
スクーリングで同じ授業を受けても
必要以上には何も話さず、数ヶ月が過ぎた。

とりあえず高校を卒業と言う目標の為だけに
通っているのだから面白みも何もない。

そんなある日、1人の派手派手しい女の子が
話しかけて来た。

「うちの事、分かる?」

あまりにも唐突な質問だったので
頭をフル回転してみても
何もわからず、言葉さえ出なかった。

そんな私を無視し話し続けた。

「よくさ、難波で見るんやけど同業?」

未成年な事を隠して働いていたので
咄嗟に危機を感じ、逃げようとした。

そうすると、派手派手しい女の子が

「うちダブってるけど未成やしチクらんよ(笑)
それよりさ、今な月なんぼ稼いでるん?
お金いるんやろ?うちの店来おへん?」

と、目の前に…失礼ながら
店の名前だけは印刷された
名前は手書きなチープな名刺を差し出された。

良く良く見ると
ファッションヘルスだった。

男性経験の無い私には縁のないお店。

固まる私に、女の子は返事を待っているのか
ニコニコとこっちを見て
品定めしているように感じた。

無下に断って、相手を触発して問題になり
学校では目立ちたくない。

なので、その場しのぎの嘘を付いた。

「あの辺のカフェ好きやから通ってるねん。」

それで会話は終わるだろうと思ったが
女の子は食い下がらず…

「ヘアメイク、一緒の店やし(笑)」

と、全部お見通しのようだった。

観念して、私は身体を張れない事を伝えると…

「そっかー。」

と、女の子は少し寂しそうに立ち去った。

人間不信でもあり男性恐怖症な私には
不向きな仕事だし
何より今の職場が孤独だけれど、楽で良かった。

私は自分自身が商品なので
この界隈の出来事は、何でも報告義務が有り
とりあえず黒服には連絡した。

律儀な性格が裏目に出たのか
それ以降、その女の子はスクーリングでも
見かけなくなった。


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