「勇気一つを友にして」

【1】逸話

先日、家内の実家の荷物を整理していたら古いLPレコードが数十枚出てきた。

昭和40年~50年ごろのものだ。民謡やクラッシックに混じり、子供向けの「NHKみんなのうた」もあった。

それを我が家に持ち帰って聴いていると、懐かしい曲に出会った。

作詞:片岡輝、作曲:越部信義、『勇気一つを友にして』だ。

すっかり忘れかけていたが、冒頭の歌詞はずっと覚えていた。

「昔ギリシャのイカロスは 蝋で固めた鳥の羽・・・」

両手に持って空へ舞い上がったが、太陽に近づくにつれ、太陽の熱で蝋が溶け、地上に墜落する、という歌詞だ。

イカロスの心意気を「勇気一つを友にして」と評し、この歌詞がリフレインする。そして結びは、今の子供がその勇気を受け継げ、というやや説教臭いものだが、純真な子供であった私の潜在意識には結構刷り込まれていたかもしれない。

まあその後の人生では全く勇気を出せなかったので、きっと気のせいだろう。

【2】そして今

私も50歳代となり、人生の終盤に差し掛かっているのだが、最近の世の中は大勢に流されるのか、自分の信念に従って声を上げるのか、それこそ「勇気」の有無を問われている気がする。

このレコードが出てきて、我が家のプレーヤーにかけたのも、何者かのはからい・・・なのかもしれない。

【3】今日10月26日は

眞子様が入籍される日。

大安の日を選ばれたのは畏きところの慣習なのかもしれないが、秋篠宮皇嗣殿下同妃殿下のお気持ちを想うとやりきれない。

私はこの問題に口をはさむ気は毛頭ないし、そこは慎まねばならないと思っている。

眞子様は困難な道を歩まれることになるかもしれない。そこは「勇気一つを友にして」のお気持ちではなかろうか。ただ黙してご多幸を祈るばかりである。