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【実践】今日からできるマーケティング思考の鍛え方

前回の「P&Gのフレームワークから見るSaaSのマーケティング戦略」、たくさんの方に読んでいただきありがとうございました!

今回はこちらもよく聞かれる「マーケティング力ってどうやってあげるの?」に、実際に同僚マーケターとおこなっていた練習方法をご紹介します。

自己紹介
新卒からP&G、マネ―フォワードと10年以上ずっとマーケキャリアを歩んでます。  現在は、(株)マネーフォワードで、マネーフォワード クラウド会計というサービスの事業責任者をしています。

最初に断っておくと「マーケティング」という言葉は人によって500万通りくらい使い方があると思うので、このnoteでマーケティングのすべてがわかるみたいなものではありません。マーケティングとは?の定義論争に立ち入ることもしませんw

今回はマーケティングの中でも

「ビジネスを伸ばす広告」を作るチカラの鍛え方

のお話をします!

1.広告におけるマーケターの仕事って?

挿入画像_今日から使えるマーケティング思考の鍛え方1

さて、「広告」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
詳しい方はご存知のように広告と一口に言っても種類はさまざまです。広告バナー、動画広告、検索の広告文、SNSプロモーションなどなど。内製で作る場合もあればテレビCMなどのように代理店にお願いすることもありますね。

ただすべてに共通しているのは、広告は「特定のビジネス課題を解決するために、ユーザーの態度変容を狙って作るもの。」であるということです。(あとで具体例でわかりやすく説明します!)

では実際にクリエイティブがつくられてターゲットユーザーに届くまでの流れを見てみましょう。

①【広告を通して解決したい事業課題】
        ⇓
②【ターゲットとなるユーザーの現状把握】
        ⇓
③【ターゲットに影響を与える便益訴求】
        ⇓
④【便益を心に残すクリエイティブ】⇦ここが広告
        ⇓
⑤【便益が伝ったユーザーの態度変容】

このうち
①、②、③、⑤をしっかりと定義するのが事業会社のマーケターの仕事です。ここが明確であればあるほど④が良いものになりますし、④が内製であれ外注であれクリエイティブの素案に対して、常にオリエンシートに立ち戻って①~⑤がしっかり達成できるか、ズレが発生していないかを全員が共通言語で話すことができます。

逆にそれが明確でない例が

「インパクトあるクリエイティブ作って。」
「うちもAppleみたいなかっこいいCMを。」
「ブランディングにつながる感動するもの。」
「なんでもいいから、とりあえずバズらせて。」

ですね。実際こういったポンコツオリエンによって過去無数の広告の屍が量産されてきたことと思います。(私のポンコツオリエンによって生まれた作品たちも弔いたい…汗)

2.マーケティング思考を鍛える


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ここまで話をすると、「クリエイティブのオリエンをする機会なんてない。」「結局場数じゃないか。」と思われる方も多いかもしれません。たしかに普段の仕事でそういうチャンスがあれば有利ですが、自主練でマーケティング思考は鍛えることができます。
その方法はずばり、、、

「広告を逆翻訳する」

です!
私たちが普段見ている広告(つまり④)を見て、その会社のマーケターはどういう①、②、③、⑤を考えていたのか、広告から逆算して自分なりのオリエンシートを作ってみるんです。そしてそのシートをもとにクリエイティブディレクターがどのようにクリエイティブツイストさせたのか、を想像するわけです。

実際に、P&Gでも新卒時は担当するCM製作は年間1-2本くらいでしたが、先輩や同僚と好きなクリエイティブを持ち寄って逆翻訳するトレーニング(遊び?)は毎週やっていました。

では、具体例で説明していきます!

3.<実践編>広告を逆翻訳しよう!

まずはこちらのCMをご覧ください。

このCM以降BtoBの広告が全部ビズリーチのようになったといわれる名CMですね!

内容を見ていくと
「社長、今度面接する方の履歴書をお持ちしました。」
「どうせ大した候補はいないんだろう。」
「中途採用でも優秀な人材に出会えます。」
「即戦力採用なら、ビズリーチ」

といったやりとりが出てきます。ここから読み取れる情報は、

・直接社長が履歴書を見ているので、おそらくターゲットは中小~中堅企業
・中途採用ではなかなか優秀な人材は取れない
・ビズリーチは、中途採用に強みがある。

あたりでしょうか。また、ビズリーチの人材データベースを企業側から検索できるという特徴もあわせて考えて逆翻訳して勝手にオリエンシートを作ってみましょう。実際のオリエンシートは入手できませんが、おそらく下記のような感じだと想像できます。

逆翻訳オリエンシート
<ターゲット>
中途採用を行う中小企業の経営者

<起こしたい態度変容>
中途採用サービスは候補者人数の多寡しか差異がないと思っているターゲットユーザーが、ニーズにマッチした人材を採用したいならばビズリーチを使うのが一番だと理解してもらいたい。

<ペイン>
会社の成長のために人材は必要としているが、イチから人材を育成するほどの余裕はない。一方で、自分達のような中小企業にはなかなか優秀な中途人材は応募してくれないので、面接する機会は何度もあるものの、実際に採用したいような人材にはなかなか出会えない。

<訴求便益>
ビズリーチは、中途人材のデータベースを企業側から検索することができるので、ニーズにあった人材にこちらからアプローチできる。

そしてこのオリエンシートを受け取ったクリエイティブディレクターのツイストが、「即戦力採用ならビズリーチ」だったわけですね。このワードもほんとうにパワフルでステキですね!

ちなみに続編を見ると、戦略の変更が見てとれます。

最初のものとは打って変わって大きな会議室で部門長に中途人材がプレゼンしているシーンが使われていますね。おそらく、ターゲットをよりARPAの高い大企業向けに変更したためでしょう。

さらに最新のものは、また戦略がアップデートされていますね。

「ライバル会社はすでにビズリーチを使っている。」という文脈を押し出しています。イノベーターからアーリーマジョリティ層は取りきった感があるので、ターゲットをレイトマジョリティ層に変更して「ビズリーチ使わないと乗り遅れるよー。」というメッセージにした、と想像できますね!

いかがでしょう?

逆翻訳をして、オリエンシートを作る。そのオリエンシートを元にクリエイティブツイストを想像する。(ぜひ実際に文章に起こしてみてください。”わかったつもり”が実際にオリエンシートにするとなるとあやふやな部分が浮き出てくるのでいい練習になります。)

そうすると、これはすごいなぁとか、オリエンシートから考えるとこうした方がもっといいとかの妄想ができます。

たとえば3つ目のCMは、「ビズリーチ」と言う人が社内の人に見えると「他社はもうビズリーチ使ってる」というメッセージが伝わりにくいですよね。奥から出てくるんじゃなくて大きくシーンの切り替えを入れた方が伝わりやすいかなぁなど、自分だったらどうするかも想像しながら見るとさらに良いと思います!

4.<実践編第2>そうだ 京都、行こう。

CM自体もすごく有名ですが、ビジネス的にも本当にすばらしい広告だなぁと思うのが、「そうだ 京都、行こう。」のCMです。

私がこのCMが大好きな理由は、依頼者が京都観光局ではなくJR東海だというところです!
どういうビジネス課題と狙いがあったのかを想像しながら、ぜひ皆さん逆翻訳してみてください!

自分はこういう解釈したよとか、実はこういうことなんじゃない?と考えた方は、リアクションやメッセージいただけるとうれしいです!!

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5.<実践編第3>そうだ マネフォ、行こう!

そしてこれが、マーケティング力を身につける一番よい方法です。それはずばり、、、

そうだ マネフォ、行こう!


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