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再会のファミレス

昨日、中学の同級生と食事会を行った。
当初は飲み会を予定していたが、予定が合わず食事会という事で、集まれる人間で行われた。
食事会とは言ってもファミレスで久しぶりに顔を合わせてご飯を食べる程度の事。
仲のいいメンバーは全員で7人。家庭の事情で来れないメンバーもいたが、来たのは、自分を含めて3人。

自分と保育園からの腐れ縁のA。中学三年の時に同じクラスになって仲良くなったB。
時間と場所を決めて現地集合。自分はAに迎えに来てもらい、車内で世間話をした。
一年ぶりだったAは白髪が増えていた。自営業は中々苦労しているようだ。

ファミレスは週末の夕食時という事もあり混雑していた。
順番待ちをしているとBも合流。Bに関しては、集まりを実施しても来ない人間。
ふと近所で会って以来だから4年ぶりだ。

それにしても、Bは中学の時から全然変わらない。そんなことを思っていると席が空き呼び出された。おじさん3人での食事。自分で言うのも変ではあるが、この3人の食事は不思議な光景だ。

近況報告的に会話が始まる。自分が昔からこのメンバーと居て心地いいのは、立場を上位に持ってきて会話を押し付けたり、キラキラした自慢話をしないことだ。注文して待っている時間、話題の尽きない下らない話や、時に考えさせる話をするからとても楽しい。

ご飯を食べているので、たまに無言の時間があるが、それが無ければラジオ番組のようなひと時だ。ご飯を食べ終わり、ドリンクバーで飲み物を準備したら3人のトーク準備が整う。

「おにぎり何個食べれる?」子供じみた話題で盛り上がる。かと思えば、家族や将来について真剣に語ったりする。みんなそれなりに年を取ってきたからそれなりに将来への不安もあるのは普通なことだ。それを包み隠さず話せる関係は、とても大事な存在だと改めて感じる。

そんな会話の中で、ふと「たら・れば」話になる。Aが「いま、過去の自分に会って何かを伝えるとしたら、何歳の自分に何を伝える」という話になった。

トップバッターは自分「物心ついている年頃で、今のままでいい」って伝えるかな。
理由は明白、お金持ちになることを教えてもその知恵や頭がついていかないから失敗するのが見えてるから。

2番手は、A「18歳の時の大学を選ぶときの自分に無難な学部を選ぶな。チャレンジしていけ」理由は、今の自営につながるビジネスや経済学を学んでよけば良かったとのこと。

この話題のオチはB。「中学3年の三者面談の前。何か言うというよりも、その三者面談を見ていたい」という。
本当に昔からBの言う事と発想は想像がつかない。自分はなんでと聞く。
「いやね、俺らのクラス高校受験落ちた人間がいないんだわー。」
「例えば、別のクラスのX先生は、なんでもチャレンジしろ姿勢だったから、何人か志望校落ちた人がいるのよ。」
「そんでY先生のクラスは、将来を見据えているから、商業系や社会に出ること想定した
 進路指導してたと思うんよ。んで、うちのクラスのZ先生は保守的だから身の丈に合った学校を目標にしてたと思うんよ。」

自分は驚いた。そんな視点で中学見てたのかと。
話は続く。「知らず知らずに高校受験という岐路を自分で決めていたつもりが、見えないレールみたいなものに乗せられてたのか。どういう風に面談して決めたか、じっくり見てみたいんよ」
とすごい持論をぶつけてきた。

もちろん答えは出ないが、盛り上がる。
3人のおじさんの討論は店員さんのラストオーダーの声掛けで終わりを告げるまで。
店を出て、「またねー。」で解散。普段の生活なかでは出会えない刺激がこのメンバーにはある。

帰りの車でAと余韻に浸る。「次は、泊りで温泉がいいねー」とAが言う。
「それ、定年になってやるんじゃないんかー」と笑いながら返す。
家の前まで送ってもらい「またねー」と言って降りてAの車が走り去る。
テールランプ5回点滅させるのお決まり芸は、変わらない。
いつか7人全員が集まれる日を心から願いながら、私たちは再び日常へと戻っていった。

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