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ひとりの手では出来ない事も……

学校が突然、休校措置になってから、いろいろな可能性を考えて動いています。学校のことを思って、「何か出来ることを!」と考える人たちは私の周りにとても多いのですが、だからといって「外出を控える」という通達に、手も足もでない状況があります。(児童館や保育園は開いているのに、おかしな話だと思いますけど………)

もしも………

これが、「総合教育」がしっかりと位置付いて実を結んでいたとしたら、子ども達はたとえば家で1人でいても、「どう動いたらいいのか」を自分で考えてできる状態が構築されていたはずなのです。

総合学習が、教科学習中心で机上の知識を詰め込む状態に逆戻りしてしまってから、「なぜ」「何のために」学ぶのか、と言う観点が薄れて、その学びをどう生かすのかを「自分の頭で考える」力を育っていないから………

そしてまた総合学習が成立する学びの場では、子ども達は「自分1人の力では出来ない事」はお互いの持ち味を持ち寄って協力して成し遂げるあり方も、その喜びも、身につけられていたはずなのですが。

お家で小さいうちから家族の一員としての家庭の営み……ご飯作ったり買い物したり、洗濯やお父さんの靴磨きなど……を、「お手伝い」する事も無いままに「勉強しなさい」と机に縛り付けられて来た子ども達を、いまさら「1人でお家で頑張って」と突然手放そうとしても、自分の身のまわりのことさえままならない子ども達が明日からすぐ出来るなんて無理なことは想像出来るかと思います。

学校が1人で頑張ることを止める

なんでそんな事になっちゃったか……といったら、まずは学校が今まで、あまりに「1人で頑張りすぎた」こと。

共働き家庭が増えて、家庭の教育力が落ちました。
外に働きに出る人が多いので、地域の教育力も落ちました。

今までは「近所のちょっとうるさいおじちゃんおばちゃん」が、悪さをしたら叱ってくれたり、危ないことをしたら注意してくれたりしました。
地域での子ども会の行事が子ども達に任されて、仕切って動かすこともありました。

それが無くなって、いろいろ学校に全部任されるようになりました。

姿勢や箸の上げ下げ、ケンカの仲裁、なんでも学校に任される。
問題が起きると、学校や先生が突き上げられる。
先生達は萎縮します。昔は地域の人たちと声かけながら子ども達を見ていたのに、だんだんビクビクするようになりました。

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「学校」と「学校の外」という線が、だんだん厚い壁になっていきました。外からの攻撃を恐れて、学校は壁を厚くして、次第に学校と外とは隔離されていきました。

不登校が増えて来たのもこの頃からだと思います。

学校の中にいた者として、そしてそこからはみ出した者として、何が悪いとか、誰が悪いとかじゃなくて、いろいろな要素でこうなっていったんだと思います。


「助けて!」と言える世の中に

今、学校も、学校に入れない子ども達も、その親御さんも、お互いに「助けて」って言えない状態なんだなぁ、と思っています。お互いに相手が見えなくて、何とかしたいと思っていてもどうにもならない。

学校だけで無く、学校を取りまく教育委員会とかお役所とか、そういう物まで絡んで来ると、みんなほんとにがんじがらめです。

子ども達が独り立ちして、学校を中と外とから感じて来た私は、ようやく一歩ひいた立場で見ることができるようになったのですが、どちらもみんな、声にならない悲鳴を上げているように感じています。

この「がんじがらめ」になった状態をほぐすには、どうしたらいいんでしょう?

まずはみんな、自分たちが「苦しいよ」って自覚すること。
それから、その「苦しさ」は、自分だけで解決出来ない物だったら、「助けて」って言えるようになる事。
そして、その「助けて」が聞こえたら、それぞれが出来る範囲で出来ることを、いっしょに考えてみんなで動くこと。

両手一杯に荷物を持って重かったら、その荷物を一旦下ろして、みんなで相談して分け合って持つ。……例えの表現ですが、それが出来ることが一番なんだと思うのです。

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今回の休校措置で出来ること

今の私に出来ることは、この「助けて」が言いやすくなるように、「セーフティーネットを張る」こと。

今回の休校措置を受けて「子ども達のために何かしたい」という人たちの声を今、集めています。それぞれの人が、団体が、出来ることを集めています。人的支援、居場所の空間の支援、時間的支援……みんなそれぞれが得意なところを持ち寄ったら、かなりのことが出来るようになります。

それらを一覧にとりまとめて並べて「やってみたいことあったら一緒にやろうよ」って提示したいな、と思っています。

休校措置を「休校」と捉えずに、「早めの春休み」と考えて。
感染対策は充分考えながら、子ども達や……出来たら先生達も一緒に、この機会にいろいろな「体験」が出来たら楽しいな、と思っています。

そう、言うならば、「学びのワークショップマルシェ」。

地域の中に、いっぱいあちこちにちりばめる。
あそこに行ったら、自分でお料理してお弁当作れるよ。
ここに来たら、ちょっとお勉強の復習が出来るよ。
そこではお菓子作り体験やってるよ。
向こうでは、ビデオの編集の体験出来ちゃう!

……そんな楽しいワークを、町の中、市の中、あちこちに協力をしてもらって展開する。今日はここ、明日は向こう、そんな風に体験のバイキングが出来ちゃう……町中全体が「学びのスペース」になる。

そんな事を、この「ちょっと早めの春休み」に出来たら楽しいじゃないかな……と思っています。

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私ひとりじゃ出来ないけど、みんながいるから出来ること。
学校もお家の方も、先生達も子ども達も、それぞれ1人で頑張らなくても、町のみんなが応援するよ……そうなったら、みんなの肩の力がちょっとずつ抜けて、楽しい毎日になりそうな気がしませんか?

そして、春休み終わって新年度が始まっても、その「助けて」の言える関係性の中でみんなで子ども達や学びを見つめる体制が続いていったら、なんかとっても幸せな優しい光景になると思いませんか?

昔は私も、1人で頑張っていましたが、それで鬱になっちゃいました。鬱から立ち直るときには、とてもたくさんの人との関わりがありました。こう考えるようになるまでのことは、こちらのブログにも書いてありますので、よろしければこちらもお読みください。↓↓↓↓ 


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