「ダークヒーロー」の魅力について

 どうもyeloです。
 今回も前回に引き続きダークなキャラクターについて語っていきます。
 前回の記事は↓になるので、まだ読んでいない人はぜひ。

・なぜか惹かれてしまう「敵か味方か分からないキャラクター」の魅力
 https://note.com/koma_coffeeee/n/n3466a231a447

 さて今回のテーマは「ダークヒーロー」。
 あまりに語りたいことが多すぎて一度だけではまとめきれないため、紹介するイラストと関係する部分だけを取り上げていこうかと思います。
 どのテーマでもそうなんですが、単純に「ダークヒーロー」とか「ショートヘアーの女の子」みたいな一つのテーマでもイラストごとに様々な解釈があります。
 なのでどの作品をピックアップするかによって当然そのテーマに対する見方が変わってくるわけです。
 特にダークヒーローはとても人気があり語り甲斐のあるテーマ。ダークヒーローが登場する映画やアニメが多くあるように、イラストにおいても作家ごとに多様な解釈がされています。
 また近々同じテーマでブログを書くことがあると思うので、その時に今回の記事を読み返してみてください。作品ごとのダークヒーロー像の違いを深く感じてもらえると思います。


●人それぞれのダークヒーロー像
illustrator:MON(修行)
Twitter:@MonmoN2133
https://twitter.com/MonmoN2133/status/1247471097626259456

 ダークヒーローってめちゃくちゃ魅力的な響きですよね。
 なぜ「ヒーロー」ではなく「ダークヒーロー」に魅力を感じるのか。この4枚のイラストにはその答えに繋がるものが描かれていると思います。
 憂うような眼差し、白髪、黒い衣装、身体の線の細さ、
 まず衣装についてですが、ダークヒーローには黒い衣装が欠かせません。バットマンがそうであるように、ダークヒーローは決まって黒でなくともダークトーンの衣装をまといます。
 やはり色というのは大事で、そのキャラクターの第一印象を決定づけるのが色の役割です。最近は「推し色」という言葉があるように、そのキャラクターの性格や人格を意識的に色に置き換えて表現している作品も多いですよね。
 これを言うと「じゃあ白い衣装のダークヒーローはいないのか?」と訊かれそうですが、あくまで全体の方向性の話なのでもちろん例外は存在します。(ただ白を基調にしたダークな存在って黒幕っぽく見えるのは自分だけでしょうか……?)

・ダークヒーローとはより人間らしい存在である
 これは悪役にも通じるところがあるのですが、ダークはキャラクターというのはヒーローよりも人間らしい面が多いです。
 考えてみてほしいのですが、この現実に生きる人間の中に常に正義に従って生きる「正しい人間」なんて存在しているでしょうか??
 ヒーローとは基本的に正義の側に立って悪と対峙する存在です。つまりヒーローは邪な感情に屈してはいけないし、目先の利益に囚われて人々を見捨てるような行動は絶対にとることができない。
 それに引き換え悪役のようなダークな存在は随分と勝手に行動します。イライラさせるような奴がいれば殴りかかるし、自分の利益にならないと思えばかつての仲間さえも裏切る。自分と敵対する存在が目の前にいるとなれば、何の躊躇もなく叩きつぶそうとするでしょう。
 こうしてヒーローと悪役を比べてみたとき、現実世界に生きる人間の中にはヒーローよりも悪役の方が圧倒的に多いことに気付くはずです。ついつい一時的な感情に流されてしまうし、嫌いな人には酷いことを言ってしまう。ほら、段々と悪役が身近な存在に思えてきたでしょ?
 けれど我々が単純に悪役に感情移入しきれないのは、「正しくありたい」という思いもまだまだ捨てきれないからです。
 ヒーローはあまりに理想的過ぎて自分とは遠い存在。でもかといって悪役と呼ばれるほど正義を捨てる事もできない。そこで現れるのが「ダークヒーロー」です。
 ダークヒーローは文字通りダークな側面を持ったヒーローです。どこか矛盾しているように聴こえるかもしれませんが、このギャップこそがダークヒーローの魅力です。
 ダークヒーローは完全なる正義に奉仕者ではありません。どちらかと言えば社会が思い描く正義とはまた違う「正しさ」を内に秘めているキャラクターが多く、自分と社会の間ですれ違いが起きることもよくあります。
 けれどその一方でダークヒーローは悪役のようにいたずらに人々と恐怖や混乱に陥れたりもしません。例えば「大切な家族を殺したある人物に復讐をする」という正義を秘めたダークヒーローであれば復讐の相手を殺そうとする一方で、それ以外の人々を無暗に殺したりはしません。ここがダークヒーローがダークでありながら悪役とは違う部分だと思います。
 表面的には倫理から外れた行動をとりながらも、実は自分が掲げる確固たる正義に基づいて行動をしている。やや複雑ですが、それゆえにダークヒーローはより人間らしく、魅力的に見えるのだと思います。
 
・ダークヒーローは装飾的
 ここでスーパーマンやキャプテンアメリカなどのヒーローを思い出して欲しいのですが、彼らの衣装についてどんな印象を受けますか?

スーパーマン
https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=3949/

 青いスーツに印象的な胸のシンボルマーク。これ以上ないというくらいシンプルな衣装です。
 では今度はもう一度ダークヒーローのイラストを衣装に注意して見てみて下さい。

・ダークヒーロー
https://twitter.com/MonmoN2133/status/1247471097626259456

 先ほど語ったようにダークトーンの衣装なのですが、様々な模様や装飾が施されていることに気付いたはずです。
 実はこの衣装の差はさっき話したヒーローとダークヒーローの違いと関係してきます。
 先ほどダークヒーローはヒーローより人間らしい存在だと言いましたが、アクセサリーや衣装の模様のような装飾もまた「人間らしさ」です。
 指輪や首飾り、マントの模様などは本来生きていく上て必要のないものです。作品の性質上何か特別な力が込められているなどの理由付けが無い限り、ヒーローは無暗にアクセサリーを身につけません。正義の権化である彼らにとって、「着飾る」という行為は悪役側が持つ欲望を認めることになってしまうからです。
 段々分かってきたかと思いますが、ダークヒーローにはヒーローに求められるような強い制約がないため装飾を身につけることができるのです。
 このイラストでは骨や深海のような景色、金や銀色に輝く装飾などを身につけており、どのモチーフもどこか闇に通じる部分があるのが分かると思います。

・ダークヒーローは奥深い
 正直まだ全部は語り切れていないのですが、話してきたようにダークヒーローという存在はやや複雑でありながらもどこか人間らしい魅力を持ったキャラクターであることが分かってもらえたかと思います。続きの話はまたいつかダークヒーローを取り上げたときに出来たら。
 ちなみに個人的に4枚目の黒い狼のデザインが大好きです。ダークな獣っていいよね。。

このページでは日々の生活の中で少しでも自由な時間をつくり、限られた時間の質を高めていけるような文章を小説形式で発信しています。 サポートの数だけ創作に対するモチベーションがあがり、その分だけより皆さんの人生をより良いものに後押しできるような有益な情報を発信することが出来ます。