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中国のLGBTについて

 昨今、香港での国家安全法の騒動等、中国の人権や言論の自由について民主国家から批判が相次いているが、果たして中国のLGBTはどうなっているのか調べてみた。


まず、はじめにLGBTとは?
 LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつ。

LGBTの割合は、各国で2〜8%程度と言われ、およそ650万人、10〜13人に1人がLGBTと予測される。

LGBTについての歴史

 中華圏でもLGBTの歴史にかなりの違いがある↓

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台湾は同性愛への理解度が高い

 香港は中国の国家安全法のため、状態は変わってきているが、台湾はアジアの中でLGBTへの理解が最も進んでいると考えられる。2019年にはアジアで唯一、同性結婚が合法的に認められる国となった。日本はおネエ系の芸能人の活躍が見受けられ、LGBTへの理解度が高いが、同性結婚はまだ認められていない。

中国は保守的

 本題に戻るが、中国は人口的に見て、約3000〜7000万人もの人がLGBTと推測される。しかし、残念なことに中国は1997年に同性愛が合法されるまでは、刑罰化がされていた。2001年までは精神疾患として扱われていたこともあるようだ。2001年以降は同性愛への権利主張が行われ、次第に抑圧は薄れていったが、今もなお、同性愛をカミングアウトする人はたったの5%と言われる。都市部の人を中心に同性愛者への理解が進んでいる。

中国のLGBT市場について

 やはり、人数が多いので市場は大きい。

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LGBTに対してのメディアの対応

中国当局は同性愛関係をはっきりと示す表現を規制している。法令順守に怯える中国メディアは同性愛コンテンツを慎重に扱う傾向にある。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」

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 映画「ボヘミアン・ラプソディ」同性愛の部分は修正かカット。2人の男性がキスする場面や「ゲイ」という単語が使われている部分など数分が削除されたという。2月のアカデミー賞授賞式の際には、動画配信サイトの芒果(マンゴー)TVがマーキューリーさん役で主演男優賞を受賞したラミ・マレックさんの受賞スピーチから同性愛に言及した部分を検閲して大きな批判を浴びた。

Weibo

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 2018年に話題になったのが「微博」(中国版のツイッター)の対応である。政府の意向を受けて、ポルノや暴力表現と同様に、同性愛に関係する内容の漫画やショート動画の削除方針を打ち出した。だが、この決定にネット世論が大反発。抗議の投稿が続いた。結果、党中央機関紙『人民日報』は性的少数者の受容を容認するべきだとする内容の声明を微博に投稿。
ついに、新浪が同性愛関連のコンテンツの削除方針を撤回することになった。

今後の中国のオープン化に期待

同性婚が認められる国・地域は以下の通りです。
国名 法律施行日
1 オランダ 2001年4月1日
2 ベルギー 2003年6月1日
3 スペイン 2005年7月3日
4 カナダ 2005年7月20日
5 南アフリカ 2006年11月30日
6 ノルウェー 2009年1月1日
7 スウェーデン 2009年5月1日
8 ポルトガル 2010年6月5日
9 アイスランド 2010年6月27日
10 アルゼンチン 2010年7月22日
11 デンマーク 2012年6月15日
12 ブラジル 2013年5月16日
13 フランス 2013年5月18日
14 ウルグアイ 2013年8月5日
15 ニュージーランド 2013年8月19日
16 英国 2014年3月29日※
17 ルクセンブルク 2015年1月1日
18 米国 2015年6月26日
19 アイルランド 2015年11月16日
20 コロンビア 2016年4月28日
21 フィンランド 2017年3月1日
22 マルタ 2017年9月1日
23 ドイツ 2017年10月1日
24 オーストラリア 2017年12月9日
25 オーストリア 2019年1月1日
26 台湾 2019年5月24日
27 エクアドル 2019年6月12日
28 コスタリカ 2020年5月26日

このように、2000年以降ヨーロッパを中心に同性婚が法律で認められることは拡大しつつある。同性婚が認められるのはまだまだ先になるが、世界的な潮流に逆らうことは、国民の主張もあり、中国当局も考えを変えざる負えない状況に陥るであろう。今後の日本も含めて、中国の展開を見守ろう。


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