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第五世界の兆し[創作]7

7 救世主の活動

[救世主] 人々や世界を救済するとされる存在のこと。
 異称 :セイバー、ソテル(女性形:ソテイラ)
伝統的宗教関連
⚪ゾロアスター教
 フシェーダル …ゾロアスター(紀元前1000年頃+-500年の人物)の登場から一千年後に現れる一人目の救世主。
 フシャーダル・マー …ゾロアスターの登場から二千年後に現れる二人目の救世主。
 サオシュヤント …ゾロアスターの登場から三千年後に現れる三人目(最後)の救世主。
⚪ユダヤ教
 メシア …ユダヤ教の理解ではまだ到来していない。
⚪キリスト教
 イエス・キリスト…キリスト教における救い主。
⚪イスラーム教関連で、「救世主」と日本語で書かれる可能性のあるもの。
 マスィーフ …古典ヘブライ語の「マシーアハ」に対応するアラビア語。日本語文献の中では漢訳されて「救世主」と書かれることもある。
 マフディー…アラビア語で「(神によって正しく)導かれた者」を意味する単語。日本語文献の中では意訳されて「救世主」と書かれることもある。
上記以外の宗教関連
 シャブタイ・ツヴィ (サバタイ・ツヴィ、またはシャバタイ・ツヴィ) …17世紀トルコのスミルナ(イズミール)出身のユダヤ人。メシア(救世主)であると宣言し、当時多くのユダヤ人がこれを信じた。当局に逮捕された後、死刑かイスラム教徒への改宗を迫られ、イスラム教へ改宗している。
~Wikipediaより~


 Rちゃんは、作詞作曲をして自分で歌った。作曲は高音が多くキラキラして流れるような曲調だ。月をテーマにしていた。五・七・五調の俳句も嗜み、冊子の一般応募に投稿していた。
 自分のデモテープを音楽会社に送り、知り合いのバーに足を運びピアノを弾かせて貰えるよう頼んだ。また、チラシを作成し一般公開の野外ステージで自分の歌と意思を伝える講演会を開こうとしていた。全てが、救世主になるための一手だと信じたが、思い通りには全くいかなかった。
 唯一、希望が叶ったとするなら父親と一緒に老人ホームや乞われた場所に行き、父親が作詞作曲した音楽をRちゃんが演奏して回った事だろう。
 
 救世主としての主張はこうだ。
「音楽で世界を地球を救う。放射能も癒しの音で無害化する。」
「環境汚染を無くす為にプラゴミを減らし、レジ袋を止めてエコバッグにしよう。」
「雨水を貯めたり、太陽光発電で各々の家で電気を起こせるようにしたらいいのに。」
「幸せになるために生きているんだ。仕事に縛られず自由に楽しく生きられる社会を作りたい。」
ベーシックインカムを訴え、働かなくても生きていける社会体制を望んだ。
「私が怠惰で生きてきたのは、怠惰でもいいんだよと教える為だったんだろうか。」
「人はプラーナで生きていける」
 全てが、キラキラしていた。Rちゃんには、ずっと高音が鳴り響いていたのだろう。

 Jさんは、副住職という仕事の合間にあらゆる自己啓発的な集まりに参加していた。気学、占い、瞑想、霊気(レイキ)、人智学、ヒーリング、スピリチュアルリーディング、波動、幽体離脱音楽ヘミシンク。富士山やアボリジニの聖地にも行った。何を得られたのか本人しか分からないが、「見えない何か」を真剣に探していた。Jさんには、古時計のチクタクチクタクという秒針の音が絶えず聞こえていたのだろう。

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