見出し画像

ディストピア

 超能力のように、他者を自由に操るというのは多くのミステリー小説で扱われていて、共通点は人が簡単に死ぬということです。

野崎まど 著…バビロン
伊藤計劃 著…虐殺器官 ハーモニー
三宅乱丈 著…pet(漫画)
宮月新 著…不能犯
サイコパス製作委員会…サイコパス(アニメ)

 意図して相手を死に至らしめるのと、意図せず相手を傷付け死に至らしめるのでは、全然違ってきます。現実の日常では、後者がほとんどだと思います。そしてそこが最も一番怖い事だと思っていて、根底にある自分のコンプレックス的な感情で、相手を追い詰め疲弊させ、ストレスから自律神経失調症にさせ、体調を崩し病となり、じわりじわり死に至る。それは、ゾッとするようなホラーで、当人には自覚がなく、自分なりの理屈で相手の為を考えた事での行為なら、尚更相手の衰弱が全く理解できないと思います。明朗活発に生きて周りに元気を一時与える人が一般的なのでしょうけど。ある哲学者(マルクス・ガブリエル氏)が、相手の立ち場を想像する事が倫理観に繋がると言ってましたが、相手の立ち位置を想像したところで、相手の事を鏡としか見られないので、やはりどこまでいっても相手を自分に置き換えるしか想像は出来ません。別の立場になっているあくまでも自分なのです。もし、コンプレックスの塊のような人なら相手も自分と同じコンプレックスに悩まされ、足掻いているのだと分かり、結局、救いとなる解決策がないこの世界を絶望してしまいます。

 私は、この絶望のディストピアから何としても、脱け出したいのです。解決策がない第四世界から出て、第五世界に向かいたいのです。「第五世界の兆し」は、創作とはしていますが、はっきり言えばノンフィクションに近いです。人間が人間を思いやって優しい社会システムを作っても、鏡の中に閉じ込められているのと同じです。第四世界は、人間だけの社会を構築してしまった鏡の世界だと思えるのです。

 第五世界は、個人個人が人間の枠から外れた概念を持つ世界です。量子力学、周波数、この目に見えないものが、活躍する世界です。全ての物質、生物が周波数に置き換えられ、優劣も上下もなく、ただ振動していると認識する世界です。色も音も匂いも触感も味も全てが周波数で表され、全て置き換えて構築し直します。どんな世界観が現れるのか、自分でも分かりませんが、きっとやりがいのある地道な作業になると思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?