見出し画像

中西アルノ裏アカ流出事件に対する意見書

感情が追いつかない…。

乃木坂46の5期生に中西アルノさんというメンバーがいます。乃木坂46の5期生であることに加え、29thシングル「Actually...」でセンターを務めることになった彼女は途轍もない注目を浴びています。

しかし、それ以外の要素でも大きな注目を浴びています。

非常に残念な注目のされ方です。乃木坂46加入決定前に、中西アルノさんは自身のSNS等で差別的発言や卑猥な発言、公序良俗に反する発言をしていたと捉えられる情報がYouTubeやTwitterに出回ったことで、批判の的になってしまいました。

僕は感知できていませんでしたが、どうやらこのような情報は中西アルノさんが5期生として乃木坂46に加入することが発表された時点で燻っていたようです。それが乃木坂46時間TVで29thシングル「Actually...」のセンターを務めることが発表され、それによる注目を集めたことに伴って一気に表面化したと考えられます。

乃木坂46の運営陣はこのような世間の動向を受けて調査を行ったところ、出回っていた情報の一部は事実であること、そして捏造された情報もあることが確認されたそうです。たいていの電子コンテンツは合成や捏造ができるものです。全てを鵜呑みには出来ませんね。

最終的に中西アルノさんは保護と育成の為、一定期間活動を自粛することになりました。恐らく、この1件はこれ以上進展することはないでしょう。乃木坂46の運営陣は中西アルノさんの活動自粛によってこの事態に幕引きを図ると予想できます。

乃木坂46が大好きな人間としてこのような事態を静観出来ず、沸々と自分の中にアウトプットしたいことが生まれてきました。今回はこの1件を受けて僕が感じたことや意見をアウトプットしていきます。


僕には彼女を責められない

中西アルノさんが差別的発言をしていたこと、そしてその一部が事実であったことを受け、Twitterに代表されるSNSには彼女に対する批判が多々投稿されています。

昨今は女性プロゲーマーが配信中に差別的発言をしたことで運営元と契約解除になった1件があり、その影響もあって世間が差別的発言に敏感になっているように感じます。そんな最中に大きな注目を集める中西アルノさんの差別的発言が発見されたため、相乗効果でいつもより余計に批判が多発し、その熱も高いように思います。

どの発言が事実で、どの発言が捏造なのかという個別具体的判別について、乃木坂46の運営陣や中西アルノさんから言及されていません。それでも差別的発言をしたと本人が認めた以上、これは一定の批判を受ける構図が出来ても致し方ないと思います。擁護や正当化は出来ません。

しかし同時に僕は彼女を批判することも出来ずにいます。

というのも、中西アルノさんがSNSで差別的発言をしたことに対して不特定多数の人が批判を浴びせている事態をしばらく客観視しているうちに、彼女を批判することに対していくつか疑問が生じたからです。

乃木坂46の公式サイトによると、中西アルノさんは日々の生活の鬱憤をSNSで吐き出していたと述べています。それが今回の事態の発端となっています。悲しいかな、このようなSNSの用途はもはや一般的と言えてしまうほど誰にでも当てはまる行為なのではないかと僕は思うのです。

今回の事態は、つい最近まで一般人だった少女が多くの注目を集める立場になったが故に、インターネット上の有志によってその過去を調べられた結果、批判の対象になり得る行為が表面化されたという経緯です。

この経緯を認識した上で中西アルノさんを批判している人を見た時、批判している人の過去の投稿に批判の対象となり得る投稿は一切ないと言えるのだろうかという疑問が生じました。

次の瞬間には、表面化していないだけで掘り返してみたら中西アルノさんと同じように日々の鬱憤が込められた批判の対象となり得る投稿の一つや二つは誰にでもあり得ると思いました。そして、批判している側の人達は果たして真っ当に批判できるのだろうかという疑問が生じたのです。

当然ながら中西アルノさんと同じような投稿をしたことがある人は、中西アルノさんを批判する立場にありません。

ついには、誰にでもあり得るということは僕自身にも当てはまるかもしれないと恐怖したのです。もしかしたら自分にも批判の対象となり得る投稿があるかもしれないと不安に思った時、僕は中西アルノさんを批判する気にはなれませんでした。

ちなみに僕はTwitterを利用しており、その投稿が差別的内容になっていないか細心の注意を払って確認し、問題ないと判断してから投稿するようにしています。

しかしたとえそのようなプロセスを踏んでいたとしても、知らず知らずのうちに誰かが不快な思いを抱く投稿をしているかもしれません。実際に僕の意見をまとめた投稿に対して反論を抱いた人がおり、Twitter上で反論を受けて小規模な議論に発展した経験があります。

そのような経験がある以上、僕は真っ当に中西アルノさんを批判できる立場にいると自負出来ないため、彼女への批判は控えることにしました。

今の時代、誰もがSNS上に面白半分で差別的発言や悪意が込められた発言を一度は投稿したことがあるのではないかと思います。まして、中西アルノさんが属している「Z世代」と言われる人達であれば尚更だと思います。

「Z世代」の人達は、自意識が芽生えた時もしくは芽生える以前から既にインターネットへ簡単に接続できる端末とSNSが当たり前に存在していたのです。しかもそれらに触れるのがネットモラルの教育を受ける前なのであれば、なんの抵抗や分別もなくSNSに悪意や鬱憤が込められた投稿をしてしまうでしょう。

中西アルノさんを擁護するつもりはありません。世の中には知らなかったでは済まないことや、法に触れずとも言ってはいけないことがあるのです。しかし同時にある種の同情も抱いてしまいます。

差別的発言を投稿した当時、彼女は自分が乃木坂46に所属すること、センターを務めることなんて想像もしていなかったでしょう。また、当時の本人にとっては鬱憤を払すための何気ない投稿を今になって掘り起こされるとは夢にも思っていなかったはずです。

彼女はたまたま乃木坂46という人気のグループに加入し、センターに抜擢されて注目されるようになったが故に、誰にでも当てはまる行為で批判を浴びることになってしまったのです。

誰にでも当てはまる行為だから許されるなんてことを述べるつもりはありません。しかし、もし自分が同じ立場だった時を想像すると、どうしても彼女に同情してしまいます。

そして僕と同じような認識を多く人がもって真っ当な批判以外が止んだ時、実は中西アルノさんに対する批判は実数としてはかなり少なく、炎上と言えるほどの量ではないのかもしれないと思いました。


未然に防止できなかったのか

今回の1件により、乃木坂46の運営陣に対する批判も見受けられます。それは、差別的発言をする人物をセンターに起用したことに対する批判や差別的発言をする人物をオーディションで合格させてしまったことに対する批判に大別されると思います。

この問題の根本的な位置にあるのは後者です。なるほど、オーディション中にこのような投稿の存在が確認されていれば、合格することはなかったでしょう。この章では、5期生オーディションが開催されている段階でこの問題を未然に防止出来なかったのかどうか考えてみます。

僕の見解を結論から言うと、未然に防止する、つまりオーディション中に差別的発言の投稿を発見することは不可能だったと考えています。なお、詳細を後述していきますが、5期生オーディションの選考経緯に関する情報は現時点でほとんど公開されておらず、根拠としては弱い部分があります。

僕は以前、5期生オーディションについて考察したnoteを公開しました。その時、幸いにも5期生オーディションにエントリーする際の質問事項を控えていました。その質問事項には「SNSのアカウント名やID」を記載する項目が設けられています。

一見すると、この項目の回答をもとに徹底的な調査をすれば、この事件は未然に防げたように思います。しかし残念ながらそれは現実的な話ではなさそうです。

まず、対象の母数があまりに膨大です。乃木坂46の5期生オーディションには8万7852人の応募があったことが判明しています。恐らく、この人数のほとんどが何かしらのSNSアカウントを保有していたことでしょう。しかもそれはTwitterやInstagram等、複数種類存在しているのが自然だと思います。

それらの投稿を合計すれば、その合計はもはや天文学的な量になるでしょう。それだけの投稿を隈無く確認し、問題のある投稿を抽出するなんてことはもはや不可能だと思います。

しかも、被選考者の友人等のアカウントに本人の問題言動が投稿されていた場合、それを検知するのはより困難になります。

また、オーディションに合格したいと考えている人であれば、いわゆる裏アカと言われるアカウントのIDを回答しないでしょう。是が非でもオーディションに合格したいと考えているのであれば尚更だと思います。

確かに、SNS調査を行うプロセスを変更すればこれらの困難はある程度緩和できると思います。

5期生オーディションの公式サイトによると、このオーディションは書類審査に始まり、面談審査を行い、研修期間を経て合否が発表されるというプロセスであることが分かります。

このプロセスが一切改変されずにオーディションが進行していた場合、オーディションが最終段階である研修期間に至って初めて被選考者のSNS調査を開始すれば、調査対象の母数自体はかなり限られたものになります。

しかしそれでも、それまで複数のSNSで蓄積された投稿全てに目を通したり、選考者に対して秘匿されたSNSアカウントを感知したり、被選考者の友人のアカウントに投稿された問題言動を感知したりするのは至難の業だと思います。

また、たとえ面談審査において裏アカの存在を問うても、裏アカを保有していると答える被選考者はいないでしょう。考えれば考えるほど、未然に防ぐことは不可能だったと思えてきます。

さて、乃木坂46の運営陣にとって今回の1件は途轍もない痛みを伴う経験になったはずです。この経験は、数年後に行われるであろう6期生以降のオーディションに絶対に活かすべきです。

未然に防ぐことが不可能なのであれば、堅実な対処法を考案して抑止力を生み出していくしかないでしょう。

例えばオーディションの応募要項に審査規約を設けることです。その規約で、オーディションの選考において虚偽の申告をしていたことが判明した場合、虚偽の内容によっては法的措置や賠償金の請求や合格の取消等が行われることを述べておき、エントリーの事前に同意を得る流れを構築しておくのはどうでしょうか。

裏アカの保有者や問題言動に心当たりがある人がオーディションにエントリーする際に、そのような対処法が設けられていることが分かっていれば、エントリーを断念したり、選考が進んでも辞退を申し出たりすると思います。これは強力な抑止力です。ちなみに、5期生オーディションの公式サイトを見る限りそのような審査規約はありません。

しかし、たとえこのような抑止力があっても、同じような事件は起こってしまうかもしれません。そんな時にはなんの躊躇もなく規約で述べた対処法を実行することで、乃木坂46の運営陣は然るべき対処を行っていることを内外にアピール出来ます。それにより、たとえ同じような事件があっても乃木坂46の運営陣に対する批判を最小限に抑えることが出来るでしょう。

また、今回の1件は乃木坂46へ将来的に加入するであろう6期以降の新規生にとっても、多大な影響を与えたと言えます。乃木坂46に合格することで、合格者に対して世間がどんな反応を示すのか痛いくらいに明示されました。

政治家等の公職でないにも関わらず過去を洗いざらい調べられるのです。インターネットの中には、まるで文藝春秋からの刺客とも思えるほどに有名人のことを調べ尽くす有志が存在しているのです。

この事例を踏まえれば、問題言動の投稿に心当たりがある人はオーディションにエントリーするのがより億劫になるでしょう。もしも自分がオーディションに合格してしまったら、猛烈な批判を浴びて人生が急激に悪変してしまうという不安は、これもまた抑止力として機能します。このような幾重にも折り重なった抑止力が働く選考を行うことで、清純度が高い新規生を得られる可能性は高くなると思います。

今回の1件は得るものがあったとすれば、乃木坂46の運営陣の経験値と6期以降の新規生に対する複数の抑止力だと思います。


中西アルノ活動辞退推奨論

上述したとおり、今回の騒動を受けて中西アルノさんの活動自粛が決定・発表されました。

ここで僕は、敢えて中西アルノ活動辞退推奨論を提唱してみたいと思います。なお、僕が考える中西アルノ活動辞退推奨論は、その名称を聞いただけでは誤解を招きやすい内容だと思います。そうならないためにも、慎重かつ詳細に述べていきます。

活動自粛の発表では、今回の自粛は本人の保護と育成を目的としていることが読み取れます。まずはこの保護と育成について考えてみましょう。

保護とは、十中八九中西アルノさんに対する批判からの保護でしょう。29thシングルでセンターを務めることが発表されましたが、これだけの批判がある状態で彼女が歌番組に出演しようものなら更に批判の熱と量は高くなっていきます。そうなってしまうといよいよ対処の仕様が無くなってしまいます。そしてその批判は、中西アルノさんをセンターに据えている乃木坂46の運営陣や乃木坂46のメンバーにもいずれ波及していく可能性があります。

この状況を踏まえれば、確かに中西アルノさんが活動を自粛することは無難な対応だと思います。そうすることで批判の声を根絶やしにすることはできませんが、徐々に勢いが沈んでいくでしょう。乃木坂46の運営陣や乃木坂46のメンバーへの波及も防止できるはずです。

しかし僕は、それが目的なのであれば、乃木坂46の活動辞退を推奨した方がよほど効果的ではないかと考えています。

今回の活動自粛による保護の効果は一過性です。たとえ一定の活動休止期間を経ても、中西アルノさんが活動復帰すれば少なからず批判は再発することは目に見えています。

復帰して30thシングル以降の選抜に入ろうものなら「なぜアンダーで頑張っているメンバーではなく中西アルノが選抜に入るんだ!」という批判が生まれてくるでしょう。テレビ番組やYouTubeの動画に出演する際にも同様の批判が想定されます。

また中西アルノさんがファンに対してなにかサービスをしても、それに対する批判も出てきます。であれば、彼女が乃木坂46に所属している間にInstagram等のSNSを開設する可能性は潰えたと言って良いでしょう。

しかも、それらの批判に耐えきれなくなったとしても、活動を再度休止するのは無理があると思います。一度活動休止というけじめをつけて覚悟もって復帰したという文脈を作ってしまった以上は、活動を継続する他なくなってしまうと思うのです。

今回の1件で中西アルノさんは大量のアンチを生み出してしまいました。そしてアンチは根強いものであり、どれだけ誠実に活動しても、ありとあらゆる文脈で揚げ足を取って批判してきます。

中西アルノさんは乃木坂46に所属している間、いや芸能界で活動する間はその批判に晒され続けることになります。現時点と将来的な批判から彼女を保護したいのであれば芸能界引退、つまり乃木坂46の活動辞退を勧めた方が効果的だと思います。

幸か不幸か、今なら「活動自粛中に色々考えてスタッフと話し合った結果、このまま活動を辞退することになりました」という文脈がそこまで違和感なく成立する状態だと思います。活動復帰後に活動辞退をすれば批判に耐えきれなかったという不格好さが目立つことになってしまい、またひとつ汚点が生み出されかねないのです。

活動自粛の二つ目の目的は育成です。僕はこれが甚だ釈然としません。果たして中西アルノさんの何を育成するのでしょうか。

乃木坂46のメンバーとして活動するために、ダンスや歌唱力の育成をするのでしょうか。だとしたら文脈が不自然です。5期生オーディションが当初公開されたプロセスに相違なく進んでいたのであれば、中西アルノさんを含む5期生は全員研修を受けていることになります。

この研修は間違いなくダンスや歌の特訓でしょう。その特訓に最後まで食らいついて合格を勝ち取ったのが5期生です。であれば必要最低限の育成は完了しているはずです。引き続きの育成は乃木坂46の活動と並行して実施されるとしたら、この段階で別途の育成を掲げるのはどうにも腑に落ちません。

詮索しすぎかもしれませんが、保護だけを目的としている文脈で言及するのは不恰好であるが故に、育成という理由をとってつけたような印象を覚えてしまいます。

もしくは、ネットモラルを育成するのでしょうか。だとしたらそれに費やす時間はそこまで多くないはずです。その育成は、学校の情報の授業からネットモラルの関する分野を抽出して受講させるような形式になるでしょう。であれば必要な知識は一日二日で伝授できるはずです。長く見積もっても1週間もあれば充分だと思います。一言で言えば「人が不快になるような投稿は控えましょう」という注意喚起で終わってしまう内容なのです。

あとはブログ等に投稿する文章に乃木坂46の運営陣が目を通してから投稿を認可するプロセスを徹底・強化し、ネットモラルを継続してより強く身につけさせていくのが建設的かつ現実的な育成だと思います。

ネットモラルの育成が目的なら、必要最低限でやるべきことはすぐに終わってしまいます。それにも関わらず育成を目的に掲げた様子を見ると、これまた保護だけでは不恰好だからという、付け焼き刃のような印象を覚えてしまいます。

育成が目的というコメントは藪蛇だったのではないでしょうか。過ぎたことなので今となってはどうしようもありませんが、言及するにしても保護と反省が目的だと述べた方が良かったと思います。

今回の1件を受けて、僕も自分が思う以上に疑心暗鬼になっているのかもしれません。疑って考えていけば切りがありませんね。

恐らく、乃木坂46の運営陣が何をどう対処したところで不恰好さを完全に拭い去ることはもはや不可能です。であれば、その程度を可能な限り抑えていく他ありません。その方法として有効なのは、中西アルノさんの乃木坂46の活動辞退を推奨することだと思います。

さて、ここからはより詳細で慎重な説明が必要な部分です。僕のアイディアは、あくまで乃木坂46の運営陣が中西アルノさんに対して活動辞退を推奨するに留まります。そしてその推奨が行われた上で活動継続・辞退が決定したという発表をすべきだ考えています。強制的な追放ではありません。実際に活動を辞退するかどうかの決定権は中西アルノさんにあります。

このアイディアには、乃木坂46の運営陣が今後の中西アルノさんの人生や乃木坂46を守っていくための然るべき行動を採ったことを明示する効果があります。

活動辞退推奨の結果で活動辞退が決まれば、今後の中西アルノさんの人生と乃木坂46の活動のために活動辞退が成立したという文脈となり、その活動辞退に違和感はありません。

活動辞退推奨の結果で活動継続が決まれば、乃木坂46の運営陣が中西アルノさんに然るべき提案をした上で彼女の覚悟と意思を尊重したという文脈となり、活動自粛というけじめをつけた上での復帰に微々たる納得感が生じると思います。

当然ながら最も容易な選択肢は前者です。

もし後者を選べば、中西アルノさんと乃木坂46には途轍もない困難が生じます。その場合、選抜として起用するわけにはいかないが故にアンダーからの再出発になると思います。しかし、アンダーは問題のあるメンバーが所属するチームでは断じてないのです。ここは見誤ってはいけません。

そのような消去法的理由で中西アルノさんがアンダーに復帰した場合、アンダーに推しメンをもつファンは憤りを抱くと思います。健気に努力しているアンダーメンバーと問題を起こした中西アルノさんが同じような地位になることに納得できるファンは少ないでしょう。

選抜に復帰してもアンダーメンバーとそのファンは憤りを覚えるはずです。一生懸命に努力しても選抜に起用されないアンダーメンバーは多いのです。それにも関わらず問題を起こしたメンバーが選抜として復帰すれば、その時のアンダーメンバーの乃木坂46の運営陣に対する反感は御しがたいものになるはずです。アンダーメンバーのファンの憤りも同様です。

また、ここからは完全に想像ですが、もし新4期生のように、5期生にも後から加入する新5期生がいたとします。中西アルノさんは新5期生として再出発するなんてことになれば、新5期生のデビューはどうにも溌剌としない微妙な雰囲気を帯びてしまうでしょう。その場合、なんの罪もない新5期生が不憫でなりません。

このように考えると、理論上、残念ながら乃木坂46に中西アルノさんの居場所はすでに無いように思えます。

しかし、乃木坂46の運営陣が中西アルノさんに対して活動辞退を推奨したという経緯があれば見え方が違ってきます。中西アルノさんと乃木坂46は、そのような批判を受けたり痛みが生じたりすることを覚悟した上で活動継続を決断したという文脈が出来上がるのです。この文脈があれば、当事者達の意思を尊重する意図で復帰を容認するファンも出てくることでしょう。

つまり、前者と後者、どちらを選ぶにせよ乃木坂46の運営陣が中西アルノさんに対して活動辞退を推奨したという事実さえあれば、なんとか前に進んでいけると思うのです。

多少強引ですが、理論としては活動辞退と活動継続はどちらも選択肢として成立すると思います。しかし、それはあくまで理論の話です。感情に注目すると、活動辞退がより現実味を帯びてくると思います。

つい先日、乃木坂46は中西アルノさんが不在の状態で初めて29thシングル「Actually…」を「シブヤノオト」という音楽番組で披露し、何事もなかったかのように毅然と振る舞っていました。そして恐らく「Actually…」をTV番組で披露するのは今後も継続されていくはずです。

僕が中西アルノさんの立場だったら、先輩にこのような負担をかけてしまっている罪悪感に耐えきれないと思います。

罪悪感で言えば、同期としてデビューした他の5期生に対しても同様です。同期のデビューを汚してしまったという罪の意識は計り知れないほど強いと思います。

しかも、乃木坂46のメンバーが中西アルノさんに感情的に寄り添って「気にしなくて良いよ」や「大丈夫だよ」というような言葉をかければかけるほど、より心苦しさは増幅されていくと思います。特に5期生であれば、同期の絆から無意識にそのような行動を執ってしまうでしょう。思い切り責められた方が本人としては楽だと思います。

それに世間からの批判も加われば、辛さが絶頂して自殺すら検討してしまうかもしれません。これは誰にとっても最悪の結末であり、絶対に回避すべきです。

このように考えると、前者を選択した方が中西アルノさんと乃木坂46のメンバーの精神衛生は多少なりとも健全でいられると思います。

批判から保護する以外にも、このような目的で乃木坂46との関係を解消するのは一つの有用な選択肢だと思います。また、芸能界にいる間はついて回ってくるアンチの批判から守る効果にも期待できそうです。

以上の理由から、僕は乃木坂46と中西アルノさんを保護する目的で中西アルノ活動辞退推奨論を提唱します。

念押ししますが、活動辞退・復帰のどちらにせよ、乃木坂46の運営陣が中西アルノさんに活動辞退を推奨するという段階を踏むべきだと主張しているのです。彼女に嫌悪を抱いて追放する意図で提唱しているのではありません。

そして、活動自粛が解除されて中西アルノさんが活動復帰することになった際にはそれを受け入れるつもりでいます。

余談ですが、「シブヤノオト」で「Actually…」が披露された時のフォーメーションは齋藤飛鳥さんと山下美月さんのWセンターという構成でした。これは非常に合理的かつ画期的な施策だったと思います。

考えてみると「センターを務める人が不在になったからそのポジションを空けておく」という施策はとても合理的です。僕は、誰が中西アルノさんのポジションを代行するのかという疑問をもっていたのですが、その疑問を見事に凌駕されました。

また、齋藤飛鳥さんと山下美月さんのWセンターというフォーメーションはとても安定感があって無難でした。なるようになったというか、落ち着くところに落ち着いたという印象を受け、ある意味で完成したような品質になっていたと思います。


守られるべき者

実現不可能な理想的感情論を語ります。僕はこの1件で誰にも傷ついてほしくありません。

中西アルノさんが批判を受けても仕方がない立場にいることは理解できますが、彼女を真っ当に批判できる人は多くないとしたら、彼女は外部からの批判によってそこまで傷つくことはないでしょう。

そして乃木坂46の1・2・3・4期生はなにもしてないので傷つく必要はありません。

中西アルノさん以外の5期生はきっと悲しい気持ちになっていると思いますが、彼女たちも傷つく必要はないはずです。

乃木坂46の運営陣は、未然に防ぐことは出来なかったことの正当性が認められれば、批判の対象になって傷つく必要はないと思います。

乃木坂46のファンは、大きな期待をしていた分、今回の流出や活動自粛によって悲しい気持ちになっていると思います。僕も悲しいです。

流出情報の中には、中西アルノさんが乃木坂46に対して言及している投稿が見受けられます。乃木坂46が大好きな僕としては、その投稿を読んで決して良い気分にはなりません。しかし冷静に捉えれば、その投稿は乃木坂46のメンバーを中傷するような内容ではありません。アイドルに対して興味がない一般人であればおよそ発言し得る投稿だと思います。そしてこの投稿が事実なのか捏造なのか判別できません。であれば乃木坂46のファンは、このツイートによって自分達が愛でている乃木坂46を汚されたと認識して傷つく段階にはないのです。

とにかく冷静になって今回の事態を見れば、実は誰も傷つくような状態にはない、もしくは傷ついてもその程度は小さい状態なのかもしれません。しかし、それはやはり理想論です。どうあがいても感情が追いつきませんね。

僕は、今こそ乃木坂46が絶対に守られるべきだと考えています。少なくとも彼女達は守ってほしい。乃木坂46の運営陣には乃木坂46のメンバーが一切の気兼ねなく活動できるように根回し等に取り組んでほしいと思います。

選抜やアンダーに関係なく、卒業生が相次ぐなかで乃木坂46を少しでも前に進めようと努力している乃木坂46のメンバーがこれ以上不利益を被るような
事態にはなってほしくないのです。

そしてファンの人達が罪のない乃木坂46のメンバーに対して批判を浴びせるような、誤った行動をとらないようにも願っています。みんなで乃木坂46を守り、みんなでこの事態を終息させていきませんか。


運営による画期的な言及

文春オンラインのweb記事によると、文藝春秋は乃木坂46運営事務所に対してこの件の問い合わせを行ったとのことです。そして、その問い合わせに対して期日までに回答はなかったそうです。

文藝春秋がどれほどの問い合わせ回答期間を用意していたのか分からないこと、そして乃木坂46運営事務所が問い合わせに回答しないことはもはや恒例ですね。

しかし、文藝春秋が記事を公開した次の日である2022/03/03、乃木坂46は中西アルノさんの活動自粛を発表しました。このような経緯を見た時、僕は乃木坂46の運営陣にはスキャンダルに対する耐性が出来ているような節を感じました。

以前まで僕は、期日までに回答しない姿勢に疑問を感じていました。文藝春秋が無理のない回答期間を設けていたのであれば、違うなら違う・合っているなら合っていてごめんなさいと、きっぱり回答してしまえば良いと思っていたのです。

しかし、考えてみるとその構図では主導権が文藝春秋に握られるように思います。まずは相手の出方を伺うという戦法であれば、問い合わせに回答しないで文藝春秋がどんな記事を公開するのか様子を見る必要があります。

その上で、報道に対して反論すべきことや言及すべきことを確立して公開するのは、実はとても冷静な対処なのではないかと思えるようになりました。主導権は是が非でも自社が握り、他社には渡さないという乃木坂46合同会社の意地を感じます。

今回の乃木坂46の発表により、乃木坂46合同会社はメンバーの加入以前の行動に関しては法律に反すること以外は不問にすること、そして捏造や事実と異なる発言には断固として抗議し、法的措置を含む対抗策で臨むことが明確に表明されました。

これは事実無根の批判に対して強力な抑止力になり、乃木坂46を守る上で非常に有効です。もしかしたらグループ結成当初から表明すべき内容だったのかもしれません。

乃木坂46の運営陣がメンバーの過去の自由を保障した上で乃木坂46を守り抜くことを表明した、これにより僕は安心感を覚えました。知らぬ存ぜぬを通したり、だんまりを決め込んだりしないと分かっただけで価値があります。メディアが我先に発信する情報やSNS上に漂う情報に振り回されることなく、まずは運営からの発表を待つべきだという心の準備が出来ます。

こんな状況故に誰の目にも止まらなくなっているかもしれませんが、この表明は、乃木坂46合同会社に対するファンの信頼を勝ち取る効果があると思います。もちろん内容によって良し悪しはありますが、言うべきことは言うべきタイミングで言えるように言うという態度が示されたのです。

これからも乃木坂46のメンバーのスキャンダルは少なからず出てきてしまうでしょう。そんなことはないように願っていますが、それでも出てきてしまうと思います。

文藝春秋に代表されるメディアやインターネット上の有志は、そのような情報を得た瞬間に情報拡散に乗り出すはずです。

ファンはそのような突発的で信憑性が低い情報に振り回されてはいけません。まずは公式運営である乃木坂46合同会社からの発表を待つべきです。待っていればきっと乃木坂46合同会社は比較的信憑性の高い情報を公開してくれることでしょう。

当然のことですが、この経験を通してまずは当事者の主張を待つべきということを痛感しました。


まとめ

今回の1件は、中西アルノさんがSNSに鬱憤が込められた投稿をしたことが諸悪の根源であることは間違いないでしょう。

このようなSNSの用途は、悲しいかな一般的だと述べました。しかしこの記事の執筆で何より実感したのは、これを非一般化していかなければならないということです。

鬱憤が込められた投稿なんて、本来やる必要がない行為です。鬱憤が込められた投稿をしてその気持ちを晴らしたくなる気持ちはなんとなく理解できます。しかし何度も言うようにそれは不要なことです。

それは自分で自分の機嫌を取れず、不特定多数の他人にぶつけようとする幼稚な行為です。いい大人であれば、そんなことからは手を引いて誰かを幸せにすることにエネルギーを使いませんか。誰かに不幸を伝搬するより、誰かに幸せを伝搬したほうが自分も幸せになれると思います。

乃木坂46は、メンバー間の強い絆がグループの外にまで溢れ出ているほどにぬくもりがあるグループです。これほど見ていて幸せになれるグループ、他にないのです。今こそみんなで乃木坂46への愛をアウトプットして、みんなで幸せになっていきましょうよ。

以上、「中西アルノ裏アカ流出事件に対する意見書」でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?