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かっきーを信じている 〜28thシングル選抜に対する考察〜

乃木坂46の28thシングルの選抜メンバーが発表されましたね。センターを務めるのは「かっきー」の愛称でお馴染みの賀喜遥香さんです。乃木坂46に加入してから選抜メンバーに選ばれて続けてきた彼女がついに表題曲のセンターを務める時がやってきました。

全くもって個人的な話ですが、センター含め28thシングルの選抜メンバーは意表を突かれました。というのも、26thシングル「僕は僕を好きになる」では3期生の山下美月さんが、27thシングル「ごめんねFingers crossed」では4期生の遠藤さくらさんがセンターを務めた流れから考えると、28thシングルでは1期生がセンターを務め、恐らくそれは齋藤飛鳥さんであろうとばかり考えていたからです。

それがまさか4期生が連続してセンターを務め、しかもセンターには賀喜遥香さんが初起用されるとは思ってもみませんでした。4期生の代表的な楽曲である「I see...」で堂々とセンターを務めた彼女です。いつか表題曲でもセンターを務める時が来るとは思っていましたが、まさかこのタイミングで抜擢されるとは恐れ入りました。

このように予想の斜め上を行ってくれるからこそ、乃木坂46は面白いですね。選抜発表を観ていた時は思わず声を出して感心してしまいました。

もはや恒例になっていますが、案の定賀喜遥香さんは選抜発表後のインタビューやブログで不安や自信の無さを吐露していました。しかし、僕は彼女に期待せずにはいられません。次のシングルで彼女がどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか今からワクワクしています。

さて、賀喜遥香さんがセンターに初起用されたこと以外にも28thシングルの選抜には注目すべき点がいくつかあります。今回は選抜メンバーに対する考察を含め、僕が賀喜遥香さんに対して抱いている今の印象をアウトプットしていきます。


初選抜のメンバー

28thシングルで初めて選抜入りしたメンバーがいます。4期生の掛橋沙耶香さんですね。彼女の放つ妹感はとても可愛らしく、個人的にも注目しているメンバーなので彼女が選抜に起用されたことはとても嬉しいです。

さて、ここで考えてみたいのはなぜ掛橋沙耶香さんが初選抜入りしたのかということです。詳細な考察は後述していきますが、恐らくピンポイントで掛橋沙耶香さんが選ばれたのではなく、いくつか段階的な検討が行われた結果で彼女の初選抜入りが決定したのだと思います。

まずは28thシングルの選抜メンバーを検討する時に前提となる状況を整理してみます。

27thシングルの活動で選抜常連メンバーの松村沙友理さんが卒業しました。また、9/4に卒業予定の大園桃子さんは選抜常連メンバーではあるものの、卒業のタイミングも相まって28thシングルの選抜には選ばれていません。さらに28thシングルは27thシングルよりも選抜枠が1つ多いフォーメーションで構成されています。以上のことから、27thシングルに対して選抜に3つの空枠が生じたことになります。

となると、乃木坂46の運営陣はこの3つの空き枠をどのように活用するのかを検討することになります。選抜メンバーの状況を整理した時に見出される1つ目のキーワード、「3つの空き枠」です。

次にもう少し視野を広げて乃木坂46全体の状況を整理してみましょう。間近に迫っている注目すべきイベントといえば5期生の加入ですね。これに伴い、4期生は自ずと先輩という立場になります。となると乃木坂46の運営陣は、4期生を先輩の立場が務まるように育成していくことを課題として抱えるはずです。2つ目のキーワード、「4期生の育成」です。

立場同様、人間関係的にも5期生に対して最も親しい存在になるのは恐らく4期生でしょう。そして親しいが故に芸能界の所作に関する教育や、いわゆるメンターと呼ばれる新人の相談役は、たとえ制度がなくとも自然と4期生が担うことになると思います。

どんなに理論的な助言でも経験や実力に裏付けされていなければ説得力に欠けてしまうため、そのような立場を全うするためには、実力や経験値が必要です。それらを得るための最も効果的な育成方法は選抜を経験することでしょう。それによってメディアへの出演も増え、芸能界のルールやマナーが身についていくことになります。

しかし全4期生16人のなかで選抜を経験したことがあるメンバーは、遠藤さくらさん、賀喜遥香さん、田村真佑さん、清宮レイさん、早川聖来さん、筒井あやめさんの6人です。4期生の中で半分を満たさない人数なんですね。

極端な表現をすれば、選抜入りによって得られる高い経験値に基づいた教育が出来る4期生は6人しかいないことになります。これでは先輩という立場には忍びないのが現状でしょう。

だからこそ乃木坂46の運営陣は「3つの空き枠」の活用方法の一つとして「4期生の育成」を取り上げ、その結果、4期生の選抜新人に「育成枠」を与えることを決めたのだと思います。

となると、次に検討すべきは「育成枠」を4期生の選抜新人の中で誰に与えるかということです。

4期生の中には選抜入りこそしないものの、ラジオやテレビ番組のMCを務めたりwebメディアにコラム記事をレギュラーで掲載したりしているメンバーが多く、乃木坂46の中でも比較的メディア露出に恵まれています。選抜入りとは違う形でコンスタントに経験値を得られているメンバーが多いんですね。

しかしそういった活躍の機会をなかなか得られない4期生メンバーもいます。少し気が引けますが、そのようなメンバーを挙げてみると掛橋沙耶香さん、黒見明香さん、佐藤璃果さん、柴田柚菜さんの4人です。「育成枠」はこのようなメンバーにこそ与えられるべきものです。

この4人を比較した時、選抜を任せられる実力があるとみなされたのが掛橋沙耶香さんだったのだと思います。

この4人の中で唯一カップリング曲「図書室の君へ」でセンターを務めたことがあることや、ドラマ「取り立て屋ハニーズ」で主演を務めたことがあることがアドバンテージとなり、他の3人ではなく彼女が育成枠に選ばれた理由なのだと思います。

つまり、消去法的な検討ではあるものの、掛橋沙耶香さんは実力で「育成枠」を勝ち取ったのだと考えられます。僕が乃木坂46の運営陣でも同じ判断をすると思います。

いやはや、応援しているメンバーが選抜入りするというのはこんなにも嬉しいものなのですね。掛橋沙耶香さんには「育成枠」を存分に活かし、実力を高めてもらいたいです。

さて、ここでもう一つ考えておきたいことがあります。それは3つの空き枠の全てを育成枠に出来なかったのかということです。4期生以外の選抜新人で3つの空き枠を埋めることや、4期生に先輩としての実力を身に付けさせたいならば、3つの空き枠全てを4期生の選抜新人に与えることも選択肢として有り得ます。

しかし、結論から述べると現在の乃木坂46を取り巻く状況を考慮すれば3つの空き枠を全て育成枠するわけにはいかないのが現状だと思います。

前者について述べれば、4期生以外の選抜新人や選抜経験が少ないメンバーには「アンダー」という固定的な立場が与えられてしまっているからです。

恥ずかしながら最近気づきました。選抜入りしていない4期生は「アンダー」ではないのですね。乃木坂46のホームページを見てみると分かりますが、4期生で選抜入りしていないメンバーには「4期生」というタグのみが付与され、「アンダー」というタグは付与されていないのです。

逆に4期生以外で選抜入りしていないメンバーには「アンダー」のタグが付与されています。そうなった以上、アンダー用の楽曲が与えられ、その楽曲を披露するための立場に置かれることになります。ちなみに、乃木坂46の流動性を強く肯定・推奨している僕としては、このようにアンダーという立場が固定化されていくことは好ましくありません。

以上のことから考えると、4期生の選抜新人の方が4期生以外の選抜新人よりも流動性に富んだ立場にいると分析出来ます。そのような理由もあり、育成枠は4期生が優先的に与えられやすい状態になっているのだと考えられます。

ではあれば尚更後者の「3つの空き枠全てを4期生の選抜新人に与えること」が選択肢として採用されるべきです。しかし実際にはそうならなかった確かな理由がありそうです。これについては次章で考察します。


2期生の起用

28thシングルで選抜に起用された2期生は鈴木絢音さん、北野日奈子さん、新内眞衣さんの3人です。新内眞衣さんは選抜常連メンバーなので今回の選抜入りには特に驚きはありませんでした。

しかし、鈴木絢音さんと北野日奈子さんの選抜入りについては、ある意味で想定通り過ぎる節を感じました。

前作27thシングルの選抜メンバーが発表された時、「不遇の2期生」という話題がファンやメディアで騒がれていました。というのも27thシングルで選抜入りした2期生は新内眞衣さんのみだったためです。

3・4期生に対して先輩であるにも関わらず2期生には選抜枠が1つしか与えられていない状況です、ファンやメディアが2期生の不遇さを懸念するのも無理はないでしょう。

ファンの中には2期生の大量卒業説や、乃木坂46の運営陣が2期生の自主的卒業を促進させるパワハラめいた手法を採っているのではないかという負の憶測を唱える人も見受けられました。

これだけ世間が「不遇の2期生」で騒いだのですから、乃木坂46の運営陣にもその音は届いていたことでしょう。

鈴木絢音さんと北野日奈子さんの選抜入り、つまり2期生が合計3人選抜に入ったことは、このような負の憶測を断ち切り、「不遇の2期生」というレッテルを少しでも剥がす狙いがあるのではないでしょうか。

5期生を迎え、これからさらに進化を続けていかなければならない乃木坂46です。そんな状況で、少しでもマイナスのイメージを払拭・回避したい乃木坂46の運営陣としては「4期生の育成」の他に「2期生の不遇解消」も課題にしているはずです。この2つの課題を並べた時、4期生は2期生よりも活躍の機会に恵まれていることや世間の注目を考慮すれば「2期生の不遇解消」の方が比重は大きいと思います。だからこそ、「3つの空き枠」の過半数である2つが2期生に与えられたのだと考えられます。

2期生を選抜入りさせるのはこの課題に真っ向から取り組んでいる証拠だと思います。これにより「前作に比べて2人も2期生が選抜入りしている」という印象を世間に与え、負の憶測を断ち切るきっかけを得ることができるでしょう。

大切なのは、このような課題への取り組みが28thシングル以降にも継続していかなければ真の課題解決にはならないということです。29thシングルでまたもや2期生の選抜入りが極端に少ない編成になると、「不遇の2期生」説が復活し、恐らくそれは27thシングルの時よりも騒がれることになるでしょう。

「やっぱり2期生は不遇なんだ」という印象は「乃木坂46の運営陣は世間が騒ぐから嫌々ながらも28thシングルに2期生を3人入れてその場しのぎ的な対応をした」という見解を生み、それは批判に変化することで最終的に乃木坂46に悪影響を及ぼすことになります。

また、課題の消失はより強く警戒すべきです。2期生は現時点で卒業を発表しているメンバーを除けば合計で5人です。悲しいかな、全員が卒業するのは時間の問題でしょう。もし「不遇の2期生」というレッテルが貼られたまま2期生全員が卒業すれば、「2期生の不遇解消」は解決ではなく消失します。それは乃木坂46の運営陣にって汚点でしかありません。

「不遇の2期生」が最後まで解決されずに2期生が全員卒業すれば、乃木坂46の運営陣に対するファンの印象は最悪なものになるでしょう。それはまるで呪いのように乃木坂46の負の歴史として語り継がれいくことになってしまいます。これは乃木坂46の人気を衰退される原因になりかねません。

このような状況は断固として回避すべきです。乃木坂46の運営陣には2期生の継続した選抜起用を強く期待します。


賀喜遥香さんがセンターになるということ

これまでの記事で何度も述べ、また上述したように、僕は乃木坂46の流動性を強く肯定・推奨しています。毎回のシングルで誰が選抜・センターになるのか分からないという文化を継続・加速させていくべきだと考えています。そのような考えをもつ僕にとって、賀喜遥香さんがセンターに初起用されることは福音でした。

最近の乃木坂46を見ているとどうにも流動性が失われてきていると思わざるを得ません。選抜を経験したことがあるメンバーしか選抜入りしていないことや、センター経験者がセンターを再度務めることは乃木坂46の流動性が失われ、逆に固定性へと変わりつつあるのではないかという懸念がありました。

そのような状況で賀喜遥香さんがセンターに選ばれ、乃木坂46の流動性は死んでいなかったことを確信できました。もちろん、掛橋沙耶香さんが初選抜入りしたことも同様です。乃木坂46の流動性は確かにまだ生きている。

賀喜遥香さんには、ぜひとも高いパフォーマンスを発揮してもらい、センターに初起用することがそのメンバーをどれだけ成長させる効果をもっているのか乃木坂46の運営陣に示してほしいと思います。

乃木坂46の運営陣がその示しに気づけば、他のメンバーをセンターに初起用し続け、何人ものメンバーに飛躍的な成長の機会を与えることになるでしょう。それは乃木坂46全体の進化であり、乃木坂46の流動性の回復です。

ただでさえ、これから5期生が加入するのです。これまでの乃木坂46を見ていると新期生が加入したら、新期生に選抜・センターの枠を与えることが恒例になっています。

選抜常連メンバーが相次いで卒業していることから、乃木坂46の運営陣としては選抜経験があるメンバーで選抜を固め、少しでも売上確保に努めたいところではあるでしょう。

しかしその恒例から考えれば、5期生が加入したら5期生の中から選抜・センターを務めるメンバーが現れることでしょう。そうなった場合の売上は完全に未知数であり予想できません。ただ、これまでの売上より低くなると想定しておいた方が安全でしょう。

新人の育成にコストはつきものです。しかしそのコストを抱えた上でしっかりとした教育を行うことで、コスト以上のリターンを得られます。それはメンバーの成長であり、成長したメンバーはこれまで以上の売上をもたらすことになるのです。

繰り返しの内容ですが、賀喜遥香さんにはこのセンター初起用というチャンスを存分に活かし、新人へ高品質な投資を行うことがどれだけ高いリターンを招くのか、乃木坂46の運営陣にまざまざと見せつけてほしいと期待しています。


賀喜遥香と大島優子

これまた個人的な話ですが、僕は賀喜遥香さんの有り様にかつてのAKB48のエースだった大島優子さんを彷彿とさせられています。

大島優子さんはアイドル以前に芸能人として完璧でした。容姿・キャラクター・頭の良さ・芝居・コメント、握手会の対応、どれをとっても抜け目がなく、非常に堅実で頼りがいがある方だと思います。

そして賀喜遥香さんの容姿や受け答え、外さないコメントやプロ並みの画力、4期生の中心的存在という有り様にはやはり「完璧」という言葉が馴染み、かつての大島優子さんにどこか似ているような印象を覚えるのです。

しかし同時に、賀喜遥香さんは大島優子さん以上の逸材なのではないかとも思っています。それは賀喜遥香さんには、大島優子さんにない「非完璧さ」とでも言える武器があると考えているからです。

秋元康さんが大島優子さんに向けた言葉で印象的なものに「お前は期待値が高いから、それ以上のものが生まれてこない」というものがあります。大島優子さんはその完璧さゆえに周囲の期待値は上がる一方で、どんなに高いパフォーマンスをしても「大島優子なら当然の結果だ」という評価に繋がってしまい、その期待値を上回ることがなかったことに苦労していたそうです。

AKB48に加入前は子役をこなしていたこともあり、幼い頃からの経験値に裏付けされた高い能力があったんですね。それにしても自らのポテンシャルの高さに苦しめられるとは不憫でなりません。繰り返すように、この独特な苦しみは彼女が完璧であったことが起因しています。

それに対して賀喜遥香さんは確かに完璧という言葉が似合うものの、大島優子さんほど完璧ではないのです。乃木坂46加入前は芸能界とは関わりなくイラストレーターを目指していたとのことで、大島優子さんのような幼い頃からの経験値を持ち合わせておらず、ごくごく一般的な女子高生だったそうです。

それ故に、お見立て会や3人のプリンシパルでは今にも泣きそうな表情を見せています。また、最近では「ネプリーグ」での堀内健さんからの無茶振りを思い出して泣き出してしまう場面も見られています。きっと大島優子さんならこれらの場面でも安定したパフォーマンスや受け答えができていたことでしょう。

「非完璧」ということ、つまりそれは成長段階にあるということです。成長段階の人材に対してであれば周囲からの期待値は本人の能力以上の高まることはありません。

大島優子さんのように期待値が暴騰せず、本人の能力と丁度良いバランスを保っているのです。となると、賀喜遥香さんが期待値を少しでも上回る高いパフォーマンスを発揮したときには「かっきーがまた一回り成長した姿を見せてくれた」というような好意的な評価を生み出すことができるはずです。

大島優子さんが完成した完璧な人材だとすれば、賀喜遥香さんは未完成の完璧な人材なのだと思います。

このようなことから、賀喜遥香さんは未完成ゆえに完璧以上のパフォーマンスを披露できる逸材なのではないでしょうか。

それでいて今回が初めての表題曲センターという文脈があり、周囲の期待値は丁度良い塩梅に高くなっているでしょう。この状態で賀喜遥香さんが高いパフォーマンスを発揮すれば、それは期待を超える予想以上のパフォーマンスという評価になり、乃木坂46がさらに生まれ変わっていくきっかけになるかもしれません。

だからこそ、僕はかっきーに期待せざるを得ないのです。


まとめ

28thシングルについて考察し「3つの空き枠」というキーワードを示した手前ですが、僕としては空き枠という概念自体がナンセンスだとも思っています。

選抜に高い流動性があるなら、選抜は全てが入れ替え枠に相違なく、空き枠という概念は生まれません。しかし、現在の乃木坂46を見る限りは、どうあっても空き枠という概念を見出すほかなく、乃木坂46の流動性が低くなっていると考えざるを得ません。

何度も述べるように、乃木坂46の流動性を強く肯定・推奨している僕としてはこの状況には懸念を抱いています。もっともっとアンダーや選抜経験者という立場に関わらず選抜入りするメンバーを交代させていき、多くのメンバーに選抜入りの経験値を与えて成長させていくべきだと考えています。乃木坂46はその流動性で成長してきたグループであり、それ故に今後も乃木坂46
が成長していくには流動性が必要なのです。

だからこそ、賀喜遥香さんや掛橋沙耶香さん、5期生など「新人」という言葉付いて回る立場のメンバーや、選抜入りした2期生には流動性を回復させてくれるであろうと期待しています。

以上、「かっきーを信じている  〜28thシングル選抜に対する考察〜」でした!!

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