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乃木坂46 36thシングル選抜への考察

2024/07/15、乃木坂46の36thシングルの選抜メンバーが発表されました。

センターを務めるのは5期生の井上和さんです。33rdシングル「おひとり様天国」以来、2度目の表題曲センター抜擢ですね。

彼女は5期生の中でも飛び抜けて活躍の機会が多いです。その活動状況を考慮すると、井上和さんがセンターに抜擢されるのは当然の結果だと思います。

この時期の新曲であれば、発売されるのは夏曲ですね。つまり、井上和さんは2年連続で夏曲のセンターに起用されました。前作と同様、LIVEで盛り上がれるような楽しい楽曲を届けてくれることを期待します。

さて、井上和さんがセンターを務めることは想定の範囲内でした。それに対して、今回の選抜発表には想定の範囲外の事象が発生しています。

こういう想定外の事象こそが面白い点であり、僕が個人的に求めていた刺激でした。

さっそく、36thシングルの選抜について考察や見解を述べていきましょう。


前提

僕が選抜の考察をする際には、事前に前作の選抜と照らし合わせて状況を整理するようにしています。最新の選抜を過去作品から続く系譜と捉えて、その変遷を読み取る意図があります。

これに則れば、本来ならば前作の35thシングル「チャンスは平等」の選抜と照らし合わせるべきです。

しかし、35thシングル「チャンスは平等」をその系譜に位置づけるには無理があると思います。というのも、このシングルは間違いなく特異な選抜だったからです。

明らかに、卒業を発表していた山下美月さんを送り出すことを最優先にしていました。そのために3期生全員を選抜に起用することが最初に決まって、残りの枠を人気が高い各期メンバーで固めたような印象が強いです。

ちなみに、白石麻衣さんが卒業を発表した25thシングル「しあわせの保護色」の選抜も同じような構成だったと思います。当時在籍していた1期生全員を選抜に起用し、彼女を送り出すことを最優先にしていました。

このような特異な選抜を一連の系譜と位置づけ、それと特異ではない選抜を照らし合わせて考察するのは非合理的だと思います。どのような考察をしようとも、結局は前者が特異な選抜だったと述べるだけになってしまいます。

であれば、今回のアウトプットで照らし合わせるべきは35thシングル「チャンスは平等」ではなく、34thシングル「Monopoly」であるべきだと僕は考えています。

この方針に則り、34thシングル「Monopoly」の選抜と36thシングルの選抜を照らし合わせながら状況を整理していきましょう。

前者は20人で編成されていました。それに対して後者は19人で編成されています。1人分の枠が減少していますね。

次に考慮すべきは卒業生です。前述した通り、山下美月さんは乃木坂46から卒業しています。彼女は選抜の常連でした。

そして、3期生の阪口珠美さんと4期生の清宮レイさんも35thシングル「チャンスは平等」の活動を最後に乃木坂46から卒業します。

この3人のうち34thシングル「Monopoly」の選抜として活動していたのは山下美月さんだけです。

ここで、34thシングル「Monopoly」の選抜から山下美月さんを除外してみましょう。すると、人数は36thシングルの選抜人数と同じ19人となります。

そしてほとんどのメンバーが34thシングル「Monopoly」から引き続き選抜に起用されていることが読み取れます。

では、選抜を続投していないメンバーや、新しく選抜に加わったメンバーは誰でしょうか。

前者は向井葉月さんと柴田柚菜さんと黒見明香さん、後者は金川紗耶さんとと中西アルノさんと小川彩さんですね。これらの情報をもとに考察や見解を述べていきます。


金川紗耶さんの選抜起用

選抜メンバーは最後列から順番に発表されるのですが、1人目で金川紗耶さんの名前が発表された時に少し驚いたことを覚えています。

彼女は療養のための活動休止を経て、2024年1月から体調を考慮しながら徐々に活動を再開していました。

そして、35thシングル「チャンスは平等」の選抜発表を受け、2024年2月のブログで「私はアンダーとして今回活動させていただきます。」と述べています。

本来は選抜に起用される人気と実力をもつ人材が選択的にアンダーの活動へ取り組むという施策は実に画期的でした。

自分の心身を考慮した上で活動の仕方や環境を調整するのは決して悪いことではありません。各メンバーが無理なく活動していくためにも、この施策がもっと普及していくべきだと思います。

ちなみに、明言こそなかったものの、かつて清宮レイさんも同様と捉えて良い施策を採っていました。彼女はついに卒業まで選抜へ再起用されないままでしたが、それでも強い存在感を放っていましたね。

さて、清宮レイさんを先例とした時、金川紗耶さんも同じようにアンダーで活動し続けるものだと僕は勝手に考えていました。

その認識があったが故に、選抜発表で彼女の名前が出てきた時は反動で驚いてしまったのです。

また選抜で活躍する金川紗耶さんを観れることが嬉しい反面、体調を崩さないよう無理のない範囲で頑張ってほしいと思います。

なお、37thシングル以降も彼女が選抜に起用され続けるかどうかは当然ながら分かりません。

これまでの選抜考察記事で述べてきたように、乃木坂46の選抜にはアンダーメンバーが入れ替わりで起用される枠があると考えられます。

であれば、金川紗耶さんは活動休止前のように選抜の常連メンバーとしてではなく、アンダーメンバーの入れ替わりとして36thシングルの選抜に起用されたという可能性も少なからずあるでしょう。

だとしたら、入れ替わりによって彼女は37thシングルではアンダーで活動する未来もあると思います。

たいてい、選抜メンバーからアンダーに移るのは悲観的に捉えられがちです。

しかし、金川紗耶さんや清宮レイさんのように選択的にアンダーの活動へ取り組んだ先例がある以上、もはや悲観的に捉えることは的確ではなくなってきていると思います。

乃木坂46の活動に勤しむために自分に合った方針を採用していると捉えれば、それは尊重すべき各メンバーの選択・決断です。

このような視点を生み出すことに寄与したからこそ、やはり彼女達の先例は画期的なんですね。


5期生の躍進

上述したように、36thシングルのセンターは井上和さんですね。

そして、彼女の両脇を固めるのは池田瑛紗さんと小川彩さんです。5期生が本格的に選抜に加わり始めたのは32ndシングル「人は夢を二度見る」からであり、この時点で彼女達2人はアンダーメンバーでした。

そこから選抜の最前列に据えられるほどの躍進を遂げたんですね。福神の最前列を5期生が占めることを知った時、改めて彼女達や5期生の力強さを思い知らされました。

ちなみに、36thシングルの選抜は3期生が4人、4期生が6人、5期生が9人で構成されています。5期生が最多なんですね。

そして、選抜に起用されなかった5期生は岡本姫奈さんと奥田いろはさんのみです。彼女達以外の5期生は全員選抜となると、現在の乃木坂46において5期生の存在が如何に重要なものなのか分かります。

特に、池田瑛紗さんは順当な躍進を遂げています。

アンダーメンバーから始まり、選抜の最後列、2列目、そしてついに最前列に到達しました。これは彼女が怠ることなく地道にファンを獲得し続けてきた成果なのだと思います。

僕の選抜考察記事で何度か触れてきたように、彼女の定期的で頻度の高いブログ更新活動は今もなお継続されています。

東京藝術大学の学生としての活動、乃木坂46としての活動、さらに個人の活動で目まぐるしい日々を送っているのは想像に難くありません。つい先日、ソフトバンクのCMに単独出演していたことは記憶に新しいですね。

それでもブログを更新し続けて自分や乃木坂46の存在を世に広めることに寄与する直向きさには頭が下がります。もはや彼女を応援せずにはいられない。

最前列に据えられたことで、これからさらに忙しない日々を送ることになるでしょう。

現在の乃木坂46の鉄人と言えば池田瑛紗さんです。とはいえ、これほどまでに忙しく活動している姿をみると、活躍が嬉しい反面で彼女の体調が心配になってきます。

どうか過労で体調を崩さないよう、自分の身体や心を大切にしながら無理なく過ごしてほしいと思います。

さて、池田瑛紗さんが順当にアンダーから駆け上がってきた様子とは対照的に、小川彩さんはアンダーメンバーから福神へいきなり大抜擢されました。

なぜこのような大抜擢が行われたのでしょうか。

僕は彼女の人気の高さと、乃木坂46の運営陣の戦略的な施策によるものだと考えています。どういうことなのか、詳しく述べていきましょう。

組織運営の視点から小川彩さんを観た時、5期生最年少という彼女の若さを活用しない理由はないと思います。

現在の乃木坂46の最若手の最年少ということは、5期生の中でも乃木坂46に在籍し続ける年数が最長化する可能性が高いということです。

となると、同じ育成コストを投入するのであれば、年長者や所属年数が長いメンバーよりも小川彩さんに投入するのが効果的です。育成コストを投入されるべきは、いつの時代もどんな組織においても若手なんですね。

乃木坂46の運営陣には、このように育成コストを最大限効率的に投入する意図があるように思います。冷徹な考察ですが、このような人材の育成に関する計画は組織運営に必要な思考だと思います。

32ndシングルから35thシングルまでの間にアンダーで育成を行い、その間に5期生曲「いつの日にか、あの歌を・・・」でセンターに起用。

そして「乃木坂46 5期生版 ミュージカル 美少女戦士セーラームーン」に出演させた後に福神へ抜擢。このような経験を経た後であれば、小川彩さんには非常に高い実力が身につくと思います。

そんな彼女がこの先長年に渡って乃木坂46に所属し続ければ、頼りがいのある先輩として存在感を放つはずです。もうすぐ6期生が加入するこの時期であれば、そのような先輩は一人でも多い方が良いでしょう。

乃木坂46の運営陣は、世代交代を経た乃木坂46を更に盤石な組織に進化させるべく、このような人材育成を目標として掲げているのだと思います。それにおいて小川彩さんはうってつけなんですね。

ちなみに、小川彩さんが「矢久保の部屋」に出演した際、彼女は先輩になることを楽しみにしていると語られていました。

小川彩さんであれば、後輩である6期生にとって可愛らしく尚且つ頼りがいのある先輩になることでしょう。彼女が先輩として振る舞う姿を見るのが楽しみです。


顕れた課題

36thシングルの選抜は新鮮さと意外さを兼ね備えた編成になったと思います。

それに対して、アンダーはどうでしょうか。

残念ながらアンダーは、新鮮さと意外さを選抜に大きく吸収されてしまったような雰囲気があります。包み隠さず言えば、アンダーで見慣れたメンバーのみで構成されています。

35thシングルでは選抜に大きな入れ替わりが発生したことに伴い、アンダーにも大きな入れ替わりが発生していました。

4期生と5期生だけで編成されたことや、これまで選抜を務め続けていたメンバーがアンダーで活動することによって、かつてないほど強烈な新鮮さがあったのです。

その新鮮さに最も寄与していたのは筒井あやめさんや菅原咲月さんだったと思います。選抜の経験しかない彼女達がアンダーで活動することで、アンダーにはこれまでとは一味違う価値が作り出されていました。

しかし、彼女達や冨里奈央さん、小川彩さん、中西アルノさん、金川紗耶さんが選抜に起用されました。さらに清宮レイさんが卒業しています。

これらによって、アンダーは見慣れたメンバーだけで構成されることとなり、いよいよ旧態依然とした感が漂っています。前作からの反動で余計にその感が印象的になっていますね。

このような状態を回避するために、選抜とアンダー間でメンバーの入れ替わりをもっともっと推進していくべきだと僕は考えていますが、乃木坂46の運営陣にそのような方針は無いようです。

では、どうすれば36thシングルのアンダーに新しい価値を生み出すことが出来るのでしょうか。

安易ではあるものの、最も効果的なのはセンター経験のないメンバーをアンダーセンターに起用することだと思います。そうすることで、アンダーにも新鮮さを生み出せるはずです。

36thシングルのアンダーでセンター経験のないメンバーは3期生で向井葉月さん・吉田綾乃クリスティーさん、4期生で黒見明香さん・佐藤璃果さん・柴田柚菜さん・矢久保美緒さん、5期生で岡本姫奈さん・奥田いろはさんです。

より新鮮さを醸し出したり成長を促進したりするのであれば5期生を起用すべきです。

しかし、僕個人は先日柴田柚菜さんが出演する舞台「恋と呼ぶには気持ち悪い」を観た記憶が相まって、彼女にセンターを務めてほしいです。

彼女は29thシングル「Actually...」から34thシングル「Monopoly」まで連続で選抜に起用されていました。この経緯から、僕はてっきり36thシングルで柴田柚菜さんは選抜に戻ると思っていたのですが、実際は違いました。

しかし、彼女は6作連続で選抜に起用されていたのです。それだけの実力があり、現在のアンダーにそのような経歴をもつ人材がいない以上、実力主義で柴田柚菜さんがセンターになることは正当性があると思います。

旧態依然としたアンダーに新しい価値を生み出すためにも、今こそ彼女のような実力をもつ人材がセンターを務める必要があります。

もしも柴田柚菜さんがセンターに起用された際には、自分の存在を誇示することに躊躇せず、どこまでも積極的に取り組んでほしいと思います。輝くべき時、輝くことに謙遜は不要です。


まとめ

36thシングルの選抜発表を受け、僕の中で上述した選抜とアンダー間でメンバーの入れ替わりを推進していくべきという考えがより強くなりました。

これまでの記事で書いてきたように、そもそも僕はアンダーという名称を嫌っています。格差を象徴するような言葉でどうにも好きになれません。

そして36thシングルの選抜発表では、選抜とアンダーの格差がより顕著に明示されたと思います。

アンダーも乃木坂46のメンバーであることに変わりはないのですが、今回のような選抜を編成されてしまうと、選抜とアンダーでは人気が二分されていくばかりです。

金川紗耶さんや清宮レイさんのように選択的にアンダーで活動するメンバーによって、このような運営体制に一石を投じられると思っていたのですが、見込みが甘かったようです。

やはり「アンダー」という名称が良くない。アンダーの不遇を解消するには、まずは選抜とアンダーで目的を分けた後、その名称から変更すべきです。

人気が二分されることに大した利点を見出せません。目的もなくこのような方針を採用し続けるのは良くないでしょう。

であれば、アンダーのように主にLIVE活動に勤しむチーム独自の人気を高めていくという目的を定めて、それに向かって邁進した方が最終的に乃木坂46全体の人気と売上を向上できると思います。

そしてそのためには、選抜とアンダーメンバーの入れ替わりを活性化していくことが有効ではないでしょうか。

いずれにせよ、チャンスは平等なのであれば、特定のメンバーだけが活躍できるような体制から脱却し、各メンバーが各々にあった方法でそれぞれ輝ける組織になってほしいです。

以上、「乃木坂46 36thシングル選抜への考察」でした!!


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