【無】巴御前について

木曽義仲の愛妾と言われる巴御前。
腕力にも優れた女丈夫で戦場にも出ていたとされます。

実際ところはどうだったのでしょうね。
こういう疑問を含めて、サニワメソッドで解決していきたいと思います。

まず実際に女丈夫であったのかということについては、そのようです。
また、ドラマや漫画などでは、割と美形に描かれますが、実際は現在の我々の美醜基準でいくと、中の中だったとのことです。
なお、当時の人々の美醜基準は現在の我々と変わらないようです。
平安時代の貴族は、ぽっちゃり女性を美人と見なしていたという説もありますが、これも誤りで、実際は我々と同じような体型評価の基準でした。
絵巻物などは女性がふくよかに描かれていますが、絵の世界だけの話で、実際は違うようです。
こういう過去の話は、絵巻物に頼るしかありませんが、実証主義って怖いですね。

さて、巴御前の父親については、樋口兼光の娘という説や中原兼遠の娘という説がありますが、いずれも違います。
父親は史実に名前をとどめていないタカス武士で、母が中原兼遠の娘です。
そして、樋口兼光、今井兼平と兄妹です。
父がタカスで、母がウバイドということで、ミックスになります。

木曽義仲は、源頼朝と八百長の戦いをしていました。
予定では義経軍と戦って負けて、信濃国に逃亡して役目を終えて、表舞台から消えることになっていました。
ところが、近江国粟津（現在の大津市）で討ち死にしてしまいます。

そこで、巴御前の運命も変わってしまいます。
共に信濃国に落ち延びて義仲と仲睦まじい生活を送る予定だったのに、義経軍に捕まってしまいます。
そして、ウバイドながらも喧嘩っ早い和田義盛が、女丈夫の巴御前に興味があり、妻にします。
この辺りは「史実」通りで合っているようです。

和田義盛との間に朝比奈義秀をもうけます。
二人の間に彼以外生まれなかったようですが、ウバイドの中でもタチバナである和田義盛（縄文系三浦の系統とされますが、実際はウバイド）の血統は大切だったようで、この朝比奈義秀の後裔は今川家の重臣となる朝比奈氏となっています。

和田義盛は愛してはいなかったのもの好きではあったようですが、巴御前はずっと義仲のことを想っていたようで、義秀を産むことも本意ではなかったようです。
ただ、母親となってその母性で義秀のことは愛しました。

和田義盛は國體参謀でしたが、巴御前はそのことは知らず、八百長の和田合戦（和田義盛が北条氏に対して偽装反乱）で偽装死して表舞台から姿を消す理由は知らなかったようです。
しかし、和田義盛が偽装死することは知っていました。
「史実」では、義盛死後越中国礪波郡福光の石黒氏の元に身を寄せたことになっていますが、ここで義盛共々共に暮らしたようです。
なお、義盛は巴御前以外の女性との間にも子どもを作っていましたが、和田義盛の偽装死を知っていたのは、巴御前だけでした。
しかし、当の息子たちは八百長と分かっていて、敗死したことになっている息子たちは皆偽装死でした。
何も知らない母たちとは偽装死後会えないので、どのような気持ちだったのでしょうね。

ということで、巴御前は、真に愛した義仲のことを胸に秘めながら、歴史に翻弄され、和田義盛の妻として過ごしました。

以上です。
ありがとうございます。