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ウィズ/アフターコロナと国際協力ーこれからの国際協力はどうなるか?

みなさん、こんにちは!

オンラインサロン国際協力サロンでは、「国際協力ゼミ」という勉強会を定期的に開催しています。今回は、「ウィズ/アフターコロナと国際協力」というテーマで行った勉強会の内容の一部をみなさんにご紹介させていただきます。

今回は、国際協力の最前線でご活躍されている4名の方々にご登壇いただき、様々な視点から語っていただきました。

登壇者紹介

青柳さん:独立行政法人国際協力機構(JICA)所属
赤尾さん:国際移住機関(IOM)所属
坂本さん:サセックス開発学研究所(IDS)所属
門田さん:エイズ孤児支援NGO・PLAS代表理事、国際協力NGOセンター理事

コロナによる国際協力業界の動き

司会広木)みなさま今日はよろしくお願いします!それではまず、コロナ禍における国際協力業界の現状について、お聞かせいただけますか?

門田さん)NGO業界を見ると、これまで緊急支援を行ってこなかった団体が数多く緊急支援に取り組んでいますね。私が代表を務めるPLASもそうです。国際協力団体全体のうち25%くらいでしょうか。それだけ、受益者も支援地域全体としても、大きな打撃を受けているんですよね。

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門田さん

司会広木)なるほど。しかしそんなにすぐ対応できるものなんでしょうか?

門田さん)私達の活動地域は、既存のネットワークがあるのでなんとかなっています。ただ、現地の状況がすごく変わっていく中で「どの地域まで支援を広げるか」「どのようにオペレーションするか」考えるのが難しいですね。

坂本さん)コンサル先のクライアントを見ていて、サプライチェーンを国内に戻そうという動きがあります。例えばヨルダン難民が作ったエコバッグを売っているのですが、ロックダウンのせいで貨物船が出せなくなっています。途上国の雇用問題に派生していきますね。

青柳さん)JICA全体の動きとしては、やはり海外にいたJICA関係者の多くが帰国しています。海外にいたJICA関係者のうち9割が帰国となっていて、その中には協力隊も含まれています。

赤尾さん)協力隊のところは興味深いですよね。これから彼らがどのように貢献するか、アイディアはあるんでしょうか?

青柳さん)地方創生の文脈で自治体への派遣などが検討されています。

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青柳さん

コロナ禍における働き方について

青柳さん)実際に現地に赴く仕事は減っていくのではないかと言われています。そんな中でテクノロジーを使う動きが一気に進んでいて、WEB会議やWebinarの実施など、仕事のやり方が変わってきている印象です。

赤尾さん)そうですね。移動できない分、なるべくオンラインでプロジェクトを実施しています。スタッフとノンコアスタッフを決めて、現地にいたとしても、なるべくオンラインでやっていこうという動きがあります。カウンターパートも適応してきていますね。

実際に私も、これまでであれば出張が必要だったような仕事も、完全リモートで遂行することができたんです。これは想定していなかったことで、「思いのほかできるんだな」という気づきがありました。

なので、今後あらゆる出張の必要性が精査されていくのでは無いでしょうか。不要不急の雇用削減の流れも続くかも知れません。

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赤尾さん

門田さん)あとは人材の面で動きがありますね。経営者的に見ると、優秀な人材が労働市場に流れてきているように見受けられます。そういった人材……例えば日本に帰国した協力隊や開発コンサルなどの優秀な人たちが、今後NGOなどの組織に入ってくるかも知れません

一方で、ボランティアの方にできることが減っているとも言えます。物理的に集まれなくなり、できる仕事に限りが出てきて、人が余ってしまっているんです。

今後国際協力の道に進みたい人がなかなか仕事を見つけられないこともありえますね。総じて、ポジティブにもネガティブにも捉えられると思います。

青柳さん)今後の人材については、「ハッシュタグ型人材」がトレンドになると言われています。これは、所属を重視する「フォルダ型人材」よりも、その人に何ができるかを重視する考え方です。

坂本さん)人の紹介やSNSなど、今までとは違った形で仕事の機会を得る例が出始めているんじゃないでしょうか。実際に自分は、サロンメンバーとの集まりを通じて得た繋がりがきっかけで、とあるNGOで働き出しました。

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坂本さん

司会広木)面白いですね。ただ学生としては、所属をしていない怖さみたいなものがある気がします。

赤尾さん)所属自体はあって良いと思います。ただ、その所属そのものが国際協力に関係していなくても、国際協力に関する仕事ができる時代だと思っています。民間企業で働きながらプロボノで途上国支援をしたり、可能性は広がっている気がします。

司会広木)フリーランスなんかはいかがでしょう?

赤尾さん)個人的にはキャリアの最初はフリーランスを強くはオススメしません。質の高い仕事をして途上国に貢献するためには専門を身につける必要がありますし、その手段としてどこかに所属するのが良いんじゃないでしょうか。

坂本さん)自分もそう思いますね。始めからフリーランスでやっても専門性が担保されないので、どこかに所属して専門性を身につけることかと。

司会広木)なるほどです。ありがとうございます!

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最後に

以上、先日行われた勉強会のレポートでした!

この他にも、「日本人が国際協力をやる意味」「今後国際協力業界で働く上で意識するべきこと」など、様々なトピックについてトークが行われ、大盛況の勉強会となりました!

その中でも、最後に登壇者のみなさまからいただいたお言葉がとっても印象的だったので、以下にご紹介させていただきます。

確かにいま、国際協力業界は厳しい局面を迎えているかも知れません。

しかし今後世界がどうなっていくかわからないからこそ、新たな世界を作る気概を持って、できることに取り組んでいく時なのではないでしょうか。
コロナのインパクトは大きいですが、永遠に続くわけではありません。

世界は分断してしまうのか、それとも今こそ連携するのか。私達ひとりひとりにできることもあるはずです。

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国際協力サロンでは、このように定期的にテーマを設けて勉強会をオンラインで開催しています。国際協力サロンで一緒に勉強したいという方のご参加、ぜひお待ちしております!

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