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【国宝語り】九州地方の国宝

九州も国宝の数は少ないですが、その土地ならではの特徴的なものが多いです。
福岡県の宗像大社沖津宮祭祀遺跡出土品は沖ノ島から出土したもので、古墳時代から平安時代の祭祀で使われていたものです。銅鏡や玉、須恵器など多岐にわたっています。そんなに古いものとは思えないほどの精巧な作りのものも多く、神秘的なものを感じます。

福岡県には国宝の中でも有名で人気が高い国宝があります。金印「漢委奴國王」です。所蔵している福岡市博物館では常設で展示されていますが、館外での展示では展示期間が短いことが多く、それゆえにいつも人だかりができています。貸し出していなければ、いつでも見られることもあり、福岡市博物館ではスムーズに見ることができるので、おすすめです。
福岡藩主・黒田家に伝わった太刀・日光一文字と刀・へし切長谷部も国宝に指定されています。日光一文字は小田原攻めの際に北条家から黒田家に伝わったとされ、へし切長谷部は織田信長が所有していたことで有名です。こちらも福岡市博物館で年に一度は展示されます。

長崎県では国宝に指定されている唯一の教会建築、大浦天主堂があります。また、崇福寺には中国の影響を強く受けた国宝建築があります。異国の文化の影響を感じる国宝建築は長崎県らしいと思います。

崇福寺大雄宝殿


大分県には、平安時代末期における京都での浄土信仰が伝播して建てられた阿弥陀堂として有名な富貴寺大堂があります。国宝に指定されている唯一の磨崖仏、臼杵磨崖仏(石仏)も有名です。

臼杵磨崖仏(石仏)

沖縄県では琉球王国の歴史を知るために重要な琉球国王尚家関係史料が国宝になっています。鮮やかな黄色の装束が印象に残っています。

九州の国宝は青井阿蘇神社(熊本県)や霧島神宮(鹿児島県)、玉陵(沖縄県)など見ていないものもあるので、ぜひ訪れてみたいと思います。

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