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【国宝探訪】神護寺展@東京国立博物館

昨日、朝から東京国立博物館の神護寺展に行ってきました。
お盆期間なのと「日曜美術館」で特集された後だったので、結構混んでました。
本当は「日曜美術館」で特集される前に行きたかったのですが、見たいものが昨日からの展示だったので、仕方がないですね。

最初の展示から空海や最澄にまつわる書状が多く、来館者は熱心に見ていたので特に混んでいました。私が見たかった国宝「文覚四十五箇条起請文」の前も人だかりでした。最近まで知らなかったのですが、文覚は大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」に出てた、あのうさん臭そうなお坊さんです。ちなみに、大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」は見ていませんが、SNS等で話題になっていたので、うさん臭そうなお坊さんが出てるのは知っていました。
文覚の起請文とのことですが、他の人が清書したもののようです。後白河法皇の手印がバーンと捺してあるのが印象的でした。

この展覧会の目玉は、空海が生きていた時代に作られた最古の両界曼荼羅である通称「高雄曼荼羅」が大規模修理された後、東京では初めて公開されることだったのですが、如何せん元から状態が良くないので、そこまででもありませんでした。
ただ、隣の展示室で高雄曼荼羅の詳細映像などいろいろ流していたので、それを見てから再度高雄曼荼羅を観賞するとより細かいところに目が向いたので、よかったと思います。展覧会で映像を流すのは否定的なのですが、今回は映像が状態の悪さを補完していました。

通称「赤釈迦」と呼ばれる釈迦如来の仏画も何度か見ているのですが、隣の人が「女性的ね」と言っていて、言われてみれば光背の周りのキラキラした部分も顔立ちも女性的と思いました。仏様には性別が無いのですが、男性的または女性的に見える仏様もいます。ただ、釈迦如来は釈迦が由来なので、男性的だと思い込んでいたのです。おかげで、新鮮な気持ちで見ることができました。

私が神護寺を訪れるきっかけとなった五大虚空蔵菩薩坐像も珍しく勢ぞろいしていました。神護寺では多宝塔に安置されていて、予約制だったり、期間限定公開だったりして、通常ではなかなか拝観できない仏像なんです。展覧会に出ることもありますが、五体揃って展示されているのは初めて見ました。
多宝塔で拝観した時は予約で私と友人二人だけのために見せてくださったのですが、横一直線に並んだ像を正面から拝観しただけだったので、今回の展覧会で五体を円状の台で展示してくれたのはよかったです。遺された彩色や顔立ちの違いをじっくり観賞することができました。

もう一つよかったのは金堂の本尊である薬師如来立像です。こちらも神護寺では見られない後ろ側が見えるように展示されていました。通常は後ろ側は見せないので、後ろを見なきゃよかったという仏像もあるのですが、この薬師如来立像は衣文のひだの表現が素晴らしく、一番いいのが左後ろから見たところなんです。
そこを強調するようなライトもあり、左後ろからずっと観賞しました。
神護寺展のポスター、チラシ等は薬師如来の胸から上のアップの画像が使われているのですが、顔立ちがだいぶいかついので、衣文がよくわかる全身の画像にすればよかったのにと思わずにはいられませんでした。
帰宅後確認したところ、後期から後ろ側も見せる展示に変えたようです。超ラッキーでした。
以下の東京国立博物館のブログをぜひ読んでください。後ろ側の画像もあります。

https://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/category/147/

仏像はお寺で拝観するのと展覧会で観賞するのと全然異なるときがあるのですが、今回は展覧会で観賞する素晴らしさがわかる展示でした。

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