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【国宝語り】苦戦した国宝探訪

これまで北は岩手、南は大分と、四国を除く全国を国宝探訪してきましたが、運転免許を持っていないため、交通の便が悪くて苦戦した国宝探訪がいくつもあります。苦戦したのは圧倒的に建築です。獅子窟寺の薬師如来坐像も最寄り駅からハイキングコースを徒歩40分とのことで諦めていたのですが、東京国立博物館の特別展「空海と密教美術」で運良く見ることができました。このように、仏像は行きやすい会場で展示されることもありますが、建築はそうはいきません。醍醐寺の上醍醐にある国宝建築はそこそこ険しい道を1時間程度登らなくてはならないので、今のところ諦めています。

そびえ立つ崖に建てられた三仏寺投入堂を間近で見ることはしていませんが、遥拝所から眺める分には、最寄駅からバスがあるのでまだマシです。羽黒山五重塔にしても時間はかかりますが、最寄駅からバスで行くことができます。琵琶湖に浮かぶ竹生島にも国宝建築があり、船でしか行けませんが、島に着いてしまえば徒歩で行くことができます。車を運転できる知人は、ローカルなバスを利用するなんて、よくできるねぇと感心していましたが、確かにバス停が見つからなくて乗れなかったことが2度ほどあります。ただ、路線図や時刻については、検索サイトや公式サイトを駆使すれば把握することができるので、1日に数本しかない便でも使うことを躊躇したことはありません。

どうにも困るのは電車やバスを使ってもまだ遠く、最寄りの駅やバス停からレンタサイクルも無いところです。頑張って歩いても往復の場合は片道3kmくらいまででしょうか。Googleマップによると、最寄り駅から往復とも歩いた長野の仁科神明宮は片道2.6km、京都の蟹満寺は片道2.8kmです。兵庫の浄土寺を訪れたとき片道4kmを歩きましたが、時間がかなりかかるので、帰りはタクシーを呼びました。仁科神明宮は最寄りの安曇沓掛駅で降りたのですが、無人駅でロータリーも無かったので、タクシーを呼ぶどころではなかった思い出があります。

特に、最寄り駅・バス停から先のルートで困ったのが以下のところです。福井県の明通寺のように同じくらい困りそうなところもありますが、たまたま車で行ったので挙げていません。

富貴寺(大分県)

日本史の教科書や資料集にも載っているような有名な建築ながら、宇佐駅から豊後高田バスターミナルまでしかバスが無いため、豊後高田からはタクシーで。車で15分なので、徒歩では無理でした。唯一の救いはバス停のすぐそばにタクシー会社があったことです。観光ツアーのバスもあるようですが、じっくり時間をかけて見たい私には不向きでした。

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富貴寺を訪れたときの記事はこちらhttps://note.com/kokuhou_tanbou/n/n0e3b304ae13a

朝光寺(兵庫県)

情報収集していて、どうやって行けばいいのか一番わからなかったところです。お寺の公式サイトは無く、地元の観光協会のHPでさえ、「社町駅から東へ20km」とアバウトな説明です。新神戸駅から電車を乗り継いで三田駅から社町駅行のバスに乗り、朝光寺の最寄りのバス停・上久米朝光寺口にタクシーを呼んでやっと辿り着いた思い出深いお寺です。Googleマップによると、上久米朝光寺口バス停から朝光寺まで4km強です。

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朝光寺を訪れた時の記事はこちらhttps://note.com/kokuhou_tanbou/n/n138510f9386f


西明寺(滋賀県)

初めて訪れたときは河瀬駅から最寄りのバス停まで行って2.5kmくらい歩く予定だったのですが、電車とバスの乗り継ぎ時間が2分くらいしかなかったため、めったに来ないバスに乗り損ねてタクシーで向かいました。しかし、いま考えると、時間がかかるので、タクシーで行って正解だったと思います。河瀬駅からタクシーで15分くらいはかかります。訪れるのに苦労した西明寺ですが、三重塔が素晴らしく、塔を見るために再度訪れようと公式サイトを確認したところ、地元の自治体による乗合タクシーができていました。乗合タクシーを使うのは初めてでしたが、たまたま他の乗客がいなくて、スムーズでした。このタクシーを使って、近くにある金剛輪寺にも行きました。新たなシステムのおかげでずいぶん楽になりました。

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訪れるのが大変だったところは、その分達成感もあり、印象に残ります。そう考えると、高知の豊楽寺や岐阜の安国寺など、交通の便が悪く、訪れていないところがまだまだあるので、楽しみです。

※ タイトルの上の画像は浄土寺浄土堂です。




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