【国宝語り】東京国立博物館の国宝


先週は毎年恒例の宮島参り。もう少し遅かったら大鳥居の工事用足場が外されていたんですけどね。カバーがかかってないだけよかったかもしれません。来年は久しぶりに鳥居を臨むことができそうです。
東京に帰ってくるときに姫路城を外から眺めてきました。こんなに近くで見るのは20年以上ぶりです。”白過ぎ”と言われた修理からだいぶ経っていましたが、想像より白かったです。

厳島神社大鳥居
姫路城

さて、芸術の秋ということで、各地の美術館、博物館も今年のメインと思われる展覧会を催しています。特にすごいのが東京国立博物館です。創立150年記念で館所蔵の国宝89件すべて展示される「国宝 東京国立博物館のすべて」展が10月18日から開催されます。すべてと言っても、展示替えがありますので、気に入った国宝がある方は展示期間を確認してお出かけください。また、この展覧会は日時指定制ですので、前もって日時指定のチケットを購入することになります。既に売り切れの日時もありましたので、チケットの購入はお早目に。

89件の東京国立博物館の国宝で気に入っているものをご紹介します。
舟橋蒔絵硯箱(本阿弥光悦作)
中央が盛り上がった独特のフォルムと舟橋の絵に仮名文字を散らしたデザインが秀逸です。

秋冬山水図(雪舟筆)
冬景の力強い太い直線で描かれた切り立った断崖、シンプルな表現ですが、奥深さを感じます。

松林図屏風(長谷川等伯筆)
濃淡を使い分けて描かれた松林を見ると、まるで自分も松林にいるような感覚になります。

この3点は展示されていると、時間を忘れて見てしまいます。どれも、とても有名で日本史の資料集などにも掲載されていますが、ぜひ本物をご覧ください。特に「松林図屏風」は印刷されたものとはまったく異なる印象です。できれば、人が少ないときに見た方がいいです。初めて見たときはまったく惹かれず、図録で見てもピンと来なかったのですが、人が少なかった2度目は感動しました。そういう意味では今回の展覧会は不向きかもしれません。通常展の国宝室に展示されることもありますので、そちらで見るのもいいかもしれません。
この他に「埴輪 挂甲の武人」や狩野永徳筆「檜図屏風」、渡辺崋山筆「鷹見泉石像」などの有名なもの、岩佐又兵衛筆「洛中洛外図屏風(舟木本)」のように人気の高いものもあります。また、飛鳥~奈良時代の法隆寺献納宝物や同時代の中国の書跡のように非常に古く、貴重なものもあります。
今回の展覧会では、気に入っている国宝3点は運よく最初の展示期間にまとめて展示されるので、その時に行くつもりです。

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