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Kokugo_Note 再び

※ 8月6日の投稿

皆さん、こんばんは。
1945年はもう遠い遠い過去になってしまった気がします。
あの時に生まれた子どもはもう78歳のご老人です。
1945年生まれの人は皆さんの年頃だと1961年、東京オリンピックまであと3年という経済成長に沸いた年でした。

小・中学校では、平和教育が行われていますね。梅田のお初天神にも、淀川を渡す大橋にも銃痕は今もなお残っているのは、皆さんも確かめることができます。

今日は人類初の原子力爆弾が日本は広島で投下された日です。
何が起きたのかは教科書などの活字で知っていても、その後の苦しみはなかなか理解するのが難しいものです。
後遺症や難病と同じく、自分が体験していないことを、また身近に感じられないものを想像するのは、大人でも困難を極めます。

添付のBBC制作のアニメーションは、子ども向けのイギリスの放送局が作成したものです。被曝に関するトラウマになりそうな光景はないのですが、とにかく破壊に破壊を重ねた街の様子は描かれています。

現在も、ロシアによるウクライナ侵攻だけでなく、世界各地で今なお紛争が続いています。

もう皆さんも小さな子どもではなく、戦争は嫌だではなく、どうしたら戦争につながらない政治行動を選択させることができるのかを考える歳になっています。

小さな揉め事が種火となって、取り返しのつかない決断を招き、そのことが更なる重しとなって退路を絶ってしまい、もう行き着くところまで行くしかないのだと盲信して、あらゆる災禍を撒き散らしてしまうというのが、代表的な戦争のプロセスです。

だから、どの国も様々な国に、留学生を送り、若いうちにお互いの気心を知り、大人になる頃に揉め事が起きた時、その時の仲間を通して、和解の道を探るのです。
同じ地球上にいて、それぞれの未来の社会を支えていく仲間として。


たくさん宿題を出している先生の立場としては、なかなか言いにくいことなのですが、そういった宿題よりもずっとずっと大切なことかあります。

かつて何があったのか、
自分はどうやって今の社会と関われば良いのか、
この先の未来に同じように戦争へ向かう社会の潮流があるのなら、どうやって気付くことができるのか、
その時、自分は何をしたら良いのか、
よく調べてみてください。

先生が今、ざっと挙げた問いはすでに多くの人たちによって真剣に考え抜かれて、それぞれ自分の意見を導き出しています。
その上で、自分はどう思うのか、どう考えるのかを言葉にしてみてください。



※ 参考になりそうなものを後日、追加していきます。

 ◎ 映画監督 片渕須直さんの『この世界の片隅に』『さらにいくつもの片隅に』はもちろん、『片渕須直の仕事』(制作に関する考え方や海外での公開時に受けたインタビュー)
などは秀逸です。Amazonプライムなら視聴できるので、ぜひ。


 ◎ 図書を3冊ほど、挙げておきます。

  『ある晴れた夏の朝』、小手鞠るいさんの小説は、アメリカに留学した日本の高校生が主人公で、「原子爆弾の投下の是非」をアメリカ人とディベート(討論)するというものです。実際に自分がアメリカ人から、あれは戦争終結を早める為の必要悪なのだと言われた時にどう答えるかを考えてみてください。皆さんくらいの年齢を対象としたものなので、サクッと読めます。

  『知らなかった、ぼくらの戦争』、アーサー・ビナードさんのインタビュー集は、当時戦っていた人たちに本当は何をどう考えていたのかを聞き書きしたものです。歴史学で「オーラル・ヒストリー」と言いますが、私たちも知らなかったことが今もなお、沢山あります。市立図書館で借りて読んでみてください。

  ニュージーランドの大学で教鞭を執る将棋面さんの『従順さはどこがいけないのか』は、海外と日本の高校では本当にこんなに違うのかと驚かされると思います。日本では良くも悪くも家庭や学校の縛りが強く、やってはいけないことが羅列されるため、それをいかにうまくかわすか、に皆さんの関心が集められることになります。
 しかし、ニュージーランドの場合は、家庭や学校は、社会を変えていく子どもたちを応援する場所として、環境問題に関するデモ行進を子どもたちが企画したらそれを許可するだけでなく、あれこれ便宜を図ってより社会に関心が向くように育てる姿勢があるようです。
 どちらの社会にも一長一短がありますが、それらを考えてみるためにもぜひ一読してみてくださいね。




人の感性は怠惰の中で少しずつ鈍感になっていき、自分の人生についても他人任せになり、いざとなれば自分は切り抜けられるはずだと根拠のない自信を頼りにするようになります。

しかし、10代に真剣に考えたことは、その後の人生を大きく変えていきます。そのチャンスを決して見逃さないようにしてください。
それが今晩なのかもしれないし、暑さが遠のいた秋の夜長なのかもしれないし、来年の夏、そう言えば先生は去年何か言っていたなあと、ふと思い出す時かもしれません。

うまくまとまりがつきませんが、若い人たちに伝えておかなくてはいけないと思い、急遽、筆を執りました。

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