見出し画像

忙しい人のための中学数学【文字式(ルール編)】

〜今回のテーマ〜
文字式の表し方と計算のルールを覚えよう。

その他の単元や計算問題はこちら

↓ ↓ ↓

 文字式の単元で登場する用語については、こちらのnoteでまとめています。

はじめに

 このシリーズでは、各教科・各単元に登場する基本事項(用語やその定義、公式等)を中心にまとめていきます。
 現役中学生・高校生の軽い予習・復習、テスト勉強の最終確認はもちろん、「社会人枠で受験することになったから入試対策をしたい」、「子どもの勉強をサポートしてあげたい」等といった大人の皆さんもよろしければご活用ください。

 どの単元の学習でも基本を理解し、問題の中で使いこなせるようになることは、とても大切なことです。ある単元で学習したことが、別の単元で活かされることもたくさんあります。1つ1つ積み上げていきながら、土台を固めながら学習を進めていきましょう!

※できるだけ「わかりやすく」を目指していますが、今回のシリーズはあくまでも「忙しい人のための」シリーズなので、細かい部分まではまとめきれないこともあります。「もっと掘り下げて学習したい!」という人は、各自教科書や参考書、問題集等を活用しましょう。

 文字ばかりで難しく感じるなぁという人は、声に出して読んでみることをオススメします!

文字式の表し方のルール

○かけ算の式の形のときは、「×」を省略して書きます。

○数と文字の積は、数を先に、文字を後に書きます。

○異なる文字同士の積は、(基本的には)文字をアルファベット順に並べて書きます。

○同じ文字同士の積は、指数を使ってまとめます。

(例)

2×x = 2x
−5×a = −5a

3×(a+b) = 3(a+b)
(x+y)×(−4) = −4(x+y)

a×b = ab
y×x = xy

b×b = b²

○係数が1のときは、1を省略して書きます。また、係数が−1のときも、1を省略します。

(例)

1×a = a
a×(−1) = −a

 「1a」や「−1a」とは書きません。文字式の計算問題を解くときは「1が省略されている」ということを忘れないように気をつけましょう!

※「文字の前に数字が書いていない」=「係数は0」と勘違いしないように注意!

○わり算の式は、「÷」の記号を使わずに、分数の形で表すこともできます。

(例)

また、「逆数をかける」という考え方から、

ということが言えます。計算問題を解いたあとの答え合わせ等で注意してみると良いでしょう。

○上でまとめたように、かけ算の「×」とわり算の「÷」は省略できますが、たし算の「+」・ひき算の「−」は省略することができません。

文字式の計算のルール

○文字式の加法と減法については、同じ文字の項同士を計算していくことになります。

(例)

 5x+2x
=(5+2)x
=7x

 −3x−2x
=(−3−2)x
=−5x

 7x−4x
=(7−4)x
=3x

 −6x+5x
=(−6+5)x
=−x

↑係数が−1なので、「1」を省略して書いています。「−1x」とは書きません。

○文字を含む項と数のみの項は、たしたりひいたりすることができません。

(例)

 5x+10

↑これ以上計算できません。「5x+10=15x」のような計算をしないように注意してください。

○文字の部分が異なる項同士も、たしたりひいたりすることはできません。

(例)

 3a−7b

↑これ以上計算することはできません。

 4x²+5x

↑「x²」と「x」は異なる文字扱いです。「xだから同じ文字だ!」と計算してしまわないように気をつけましょう。

○特に中学1年生の最初のほうに出てくる問題では、
「次の計算をしなさい」
「次の式を簡単にしなさい」
「2つの式をたしなさい・左の式から右の式をひきなさい」
と、様々な問い方をされると思います。練習を通して問題文の種類に慣れて、覚えてみると良いでしょう。

(例)

「次の式を簡単にしなさい。」

 5x+9+6x−2
=5x+6x+9−2
=11x+7

↑同じ文字の項同士を計算します。数のみの項は数のみの項同士で計算します。

「次の項を、かっこをはずして簡単にしなさい。」

 3x+(7+2x)
=3x+7+2x
=3x+2x+7
=5x+7

↑かっこの直前が+のときは、そのままかっこをはずして計算を進めて大丈夫です。

 7a−4+(−2a−1)
=7a−4−2a−1
=7a−2a−4−1
=5a−5

 4x−(8x+9)
=4x−8x−9
=−4x−9

↑かっこの直前が−のときは、かっこの中の項の符号を全て変えてからかっこをはずします。
(+の項は−に、−の項は+に変えます。)

 5a−2−(−6a−4)
=5a−2+6a+4
=5a+6a−2+4
=11a+2

「次の2つの式をたしなさい。また、左の式から右の式をひきなさい。」

4x+7,5x−3

まず、4x+7と5x−3をたします。

(4x+7)+(5x−3)
=4x+7+5x−3
=4x+5x+7−3
=9x+4

次に、4x+7から5x−3をひきます。

(4x+7)−(5x−3)
=4x+7−5x+3
=4x−5x+7+3
=−x+10

↑1つの問題で、加法と減法、両方の計算をしなければならないことがほとんどなので、どちらか一方の計算し忘れに気をつけましょう。
 符号のミスを防ぐために、それぞれの式にかっこをつけて問題を解くと良いでしょう(2つの式をたすときはかっこを+で繋ぎ、左の式から右の式をひくときはかっこを−で繋いで計算を進めます)。

−6a−2,9a−6

(−6a−2)+(9a−6)
=−6a−2+9a−6
=−6a+9a−2−6
=3a−8

(−6a−2)−(9a−6)
=−6a−2−9a+6
=−6a−9a−2+6
=−15a+4

○文字式の乗法は、「文字式の表し方のルール」でまとめたこともチェックしておいてください。
 文字を含む項×数の計算は次のように解きます。

(例)

 5x×3
=5×x×3
=5×3×x
=15x

 2x×(−4)
=2×x×(−4)
=2×(−4)×x
=−8x

↑文字を含む項×数の計算は、文字式の係数と数をかければ良いです。

※今回は説明用に少し細かく途中式を載せていますが、実際にノート等に書いて計算するときは、2行目・3行目の式は省略しても良いです。

○文字式の除法についても、まずは「文字式の表し方のルール」を読んでください。
 文字式÷数の計算は以下の通りです。

(例)

 分数を含む計算のときは、「逆数をかける」のやり方で計算すると良いでしょう。

○文字を含む項×文字を含む項や、文字を含む項÷文字を含む項の計算については、中学2年生で学習します。

いただいたサポートは、文房具代や新しい教材費、博物館等の入館料、ちょっと美味しいものを食べる用に使わせていただきます!