国語の文法まとめ【その20】 〜ややこしい形の見分け方2〜
今回は「ややこしい形の見分け方」の第2弾です。まだまだまとめ方として不十分なところもあるかと思いますが、取り急ぎ「こういうところがテストや入試問題で出題されるかも!?」というポイントをいくつかピックアップしてみました。これまでに投稿してきた「国語の文法まとめ」noteシリーズを振り返りながら学習を進めてもらえると嬉しいです(付属語関連のnoteはまだ例文が不足しているのでわかりにくい部分もあるかと思いますが……)。
※ここから紹介する単語については、ぜひ、ご自身でも国語辞典等で品詞、意味・用法、例文を調べてみてくださいね!
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○形容詞「大きい」と連体詞「大きな」
「大きい」は形容詞で、「大きな」は連体詞です。形容詞の活用を思い出してみてください。「大きな」となる活用形はありませんでしたよね。
他にも
「小さい」=形容詞、「小さな」=連体詞
「おかしい」=形容詞、「おかしな」=連体詞
「いろいろな」=形容動詞、「いろんな」=連体詞
といったややこしいものがあります。連体詞は活用のない品詞なので、活用できるかどうかが見分けるポイントになってきます。
○接続詞の「また」と副詞の「また」
(例文)
彼はサッカーが得意です。また、料理も得意です。〈接続詞〉
また一緒に遊ぼうね。〈副詞〉
接続詞の「また」は並立・累加の意味です。接続詞なので、前後の内容を繋いでいます。
副詞の「また」は、「再び」、「同様に」等といった意味で考えることができます。位置を動かしても意味が変わらないという特徴もあります。
(例文)
また一緒に遊ぼうね。 → 一緒にまた遊ぼうね。
○動詞の「ある」と連体詞の「ある」
(例文)ある日の午後、友達の家へ遊びにいきました。塾の授業がある日だということを、私はすっかり忘れていました。
上の例文には、2ヶ所「ある」が出てきています。1ヶ所目の「ある」(「ある日の午後」の「ある」)は、連体詞の「ある」です。はっきりしない、具体的ではないようなものを表しているときは連体詞の「ある」だと判断できます。
2ヶ所目の「ある」(「授業がある日」の「ある」)は、動詞の「ある」です。「ある」か「ない」かの「ある」……つまり「存在する」という意味の場合は、動詞の「ある」です。
「ある」という単語については、意味の違いを考えて品詞を判断する必要があります。
○形容詞の「ない」と否定(打ち消し)の助動詞の「ない」
(例文)解答冊子が手元にないので、問題の答えがわからない。
「ない」の品詞の判断は、「ない」→「ぬ」に置き換えてみると良いです。
(「ない」→「ぬ」に置き換えた例文)
解答冊子が手元にぬので、問題の答えがわからぬ。
1ヶ所目の「ない」は「ぬ」に置き換えると意味がわからなくなりますね。置き換えて意味が通らないものは、形容詞の「ない」です。
2ヶ所目の「ない」は「ぬ」に置き換えても意味が通ります。少し古風な感じの響きになりますが。置き換えても意味が通るものは、否定(打ち消し)の助動詞「ない」です。
○感動詞の「あれ」と名詞(代名詞)の「あれ」
(例文)
あれ、雨かしら。〈感動詞〉
あれ、私が撮った写真なの。〈名詞(代名詞)〉
何かに気付いたような意味の「あれ」であれば、感動詞の「あれ」になります。何かを指している「あれ」は名詞(代名詞)の「あれ」です。意味に注目して判断しましょう。
○感動詞の「まあ」と副詞の「まあ」
(例文)
まあ、そこにいたのね。〈感動詞〉
約束を守ってくれるなら、まあいいでしょう。〈副詞〉
こちらも意味で判断していくことになります。感動の意味かどうか、ということに注目してみると良いでしょう。何かに気付いたような意味であれば感動詞です。
ちなみに、副詞は主に用言を修飾するものです。
○格助詞の「に」、形容動詞の活用語尾の「に」、逆接の接続助詞の一部、助動詞「ようだ」の一部、助動詞「そうだ」の一部
(例文)画用紙に、自由に絵を描いてください。
まず、「画用紙に」の「に」は体言に接続しているので、「格助詞」です。
次に、「自由に」の「に」は「な」に置き換えができ、その下に体言を付けることができます。
→「自由な絵」※「絵」は体言
この場合は「形容動詞の活用語尾」ということになります。
(例文)犬の絵を描いたのに、「猫のように見える」と言われた。少し泣きそうになった。
「犬の絵を描いたのに」の「に」は逆接の接続助詞「のに」の一部です。「猫のように」の「に」は助動詞「ようだ」の連用形「ように」の一部、「泣きそうに」の「に」は助動詞「そうだ」の連用形「そうに」の一部です。
その単語の意味・用法をじっくり考えることはもちろん、「いかに正確に品詞分解できるか」というのも重要なポイントになってきます。まず文節に区切り、それから単語に区切り……そして、意味・用法、接続をチェックしていきましょう。
(文節)犬の/絵を/描いたのに、/「猫のように/見える」と/言われた。/少し/泣きそうに/なった。/
(単語)犬|の|絵|を|描い|た|のに、|「猫|の|ように|見える」|と|言わ|れ|た。|少し|泣き|そうに|なっ|た。|
→各文節に自立語は必ず1つということを覚えておくと良いです。文節に分けたあと、単語に分けましょう。自立語の活用形や付属語をある程度覚えておくと、品詞分解もかなりやりやすいです。
一気に全てを覚えるのは大変ですが、活用形や代表的な単語を覚える→品詞分解や文法の問題にチャレンジする→活用形や代表的な単語のおさらいをする→さらに品詞分解や文法の問題で練習する……を繰り返しながら理解を深めていくのがオススメです。
ただただ作業のように詰め込むのではなく、意味や使い方、接続を理解しながら取り組んでいきましょう。
○断定の助動詞「だ」と形容動詞の活用語尾の「だ」
以下のnoteを読んでみてください。
【その8】を投稿したときにはまだ「助動詞」のnoteをまとめていなかったので……。改めて紹介ということで。
○推定の助動詞「らしい」と形容詞の一部の「らしい」
(例文)
①彼の家はここから遠いらしい。
②夏らしいことをして楽しみたいなあ。
①の「らしい」は、「(どうやら)〜のようだ」の形に置き換えることができます。
(置き換え後の例文①)
彼の家はここから遠いようだ。
この置き換えができるものは推定の助動詞「らしい」です。
②の「らしい」は、「〜としてふさわしい」の形に置き換えることができます。
(置き換え後の②)
夏としてふさわしいことをして楽しみたいなあ。
この置き換えができるものは形容詞の一部(形容詞の接尾語)です。
他の形容詞の具体例
素晴らしい(すばらしい)
珍しい(めずらしい)
新しい(あたらしい)
可愛らしい(かわいらしい)
愛らしい(あいらしい)
憎たらしい(にくたらしい)
誇らしい(ほこらしい)
今回はここまでです。わかりにくい部分は今後加筆修正していけたらと考えています。
次回も引き続き「ややこしい形の見分け方」というテーマで投稿する予定です。
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