石高プロジェクト_解体新書_その伍
初のリアルイベントが開催されました
9月16日は石高プロジェクト初のリアルイベント「コメニティ圃場見学2023」が西会津町で開催されました。今回はそのイベントのレポート記事となっています。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました!
この日は9月中ばというのに、30℃近い晴天のなか行われました。
まずはじめに、参加者それぞれの自己紹介と、橋谷田さんの活動を詳しく聞きました。
橋谷田さんのお話の中で「国内で有機農業を行っている農家は全体の0.6%で、その中でも規定に基づいて有機JAS認定を受けて生産農家は全体の0.2%しかいない」という話がありました。申請書類の用意やそれに伴う栽培管理などはどの農家でも簡単にできるものではないようです。国で進めている「みどりの食料システム戦略」などもありますが、現場レベルでは容易ではないということが分かります。西会津町内でも有機農業への関心はあれども踏み切るには至っていない若手の農家さんもいると橋谷田さんはおっしゃっていました。「金になる」保証がちゃんとあればみんなやる、ということのようで「販路を作る」ということの大事さが伝わってきました。
そのあとは、お米の収穫から出荷までの工程を実際の機会を見ながら細かく説明していただきました。収穫して乾燥する際にお米を痛めないように温度を上げすぎないことや、色・形・大きさ・欠けなどからお米を厳密に選別し「食べる用のお米」ができていることなど、買って食べるだけでは知ることのできないお米の「当たりまえ」の背景を見ることができました。
写真にある、有機堆肥の工場は今年から導入されるもので、精米後の籾殻や町内で廃棄されているキノコの廃菌床などから、堆肥を自社で作ることにチャレンジするんだそうです。
「持続可能な農業」を事業として成り立たせることの大変さ、うまいお米への強いこだわりなど、直接見て聞いて初めて実感できることが多かったように感じます。
下の写真は、町の管理する「雪室貯蔵施設」のなかを見学した時のものです。雪室は冬の積雪を利用した冷房装置を使い、農産物などを保管する、いわば大きな冷蔵庫です。これからの季節、契約している農家さんのお米が施設いっぱいに保管されるようです。
一通り見学をし終えたのち、橋谷田さんとはお別れをして西会津商店さんに移動しました。そこで、今年とれたばかりの新米(橋谷田さんのあきたこまち)をおにぎりにして頂きました。直前に話を聞いたことも相まってか、いや、そもそもお米が美味しすぎて、炊いたお米はあっという間に完食されました。その後は今日の感想などをそれぞれに話し、無事イベントは終了となりました。
その夜(16日)は、野沢地区の祭礼(4年ぶり!)が始まるタイミングでもあり(なんと3日間つづく)、山車や笛・太鼓の音色で賑やかな景色が広がっていました。イベントに参加した方も祭りの雰囲気を楽しみながら夜をまったり過ごしていました。
つづく17日は、神輿を担いで町なかを練り歩くのですが、石高プロジェクトのメンバーも橋谷田さんの地区の神輿に混ぜていただき、途中休憩を挟みつつ5−6時間もの長い間、神輿を担いで回りました。神輿の上部には俵のオブジェ(中身は米じゃないが十分重い)が乗っており、豊作を祈る、これぞまさに「お米イベント」でありました。
終わった頃には疲れ果ててクタクタ・ぐしゃぐしゃになっていましたが、みんなでお互いに労い、笑い合い、まさにコミュニティの結束を感じる出来事でした。同時に、お米はただの「食べもの」ではなく、「文化」として人々と共にあったのだということを身をもって感じたのでした。
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