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書籍化を考えます

 noteの記事やワクチンについて書いた論文が,いろいろな方のお役に立っているようで,記事の書籍化を望まれる声も頂くようになりました。これでも何かに役に立つなら,書籍化に向けて検討したいと思うようになりました。まず,「はしがき」だけ書いてみました。

<はしがき>
 2019年末に中国武漢で発見された新型コロナウイルスは,瞬く間に世界に拡大し,2020年初めにはWHOが世界的なパンデミックを宣言し,その後,世界は新型コロナウイルス感染症に対する長い戦いに入りました。
 しかし,新型コロナウイルスは,それまで人類が経験してきた感染症とは異なり,地域および年齢によって,その影響が大幅に異なるものでした。したがって,そのリスクについては慎重な判断が求められ,それに従った対策が講じられるべきでした。
 ところが,当初は新型コロナウイルスの威力がどの程度か分からないこともあり,また急激に悪化する可能性があるという病態の特徴から,医療体制が逼迫する事態が各国で生じたことも影響し,世界各国ではロックダウンを含むかなり厳しい感染予防措置が取られました。
 一方,各国は新型コロナウイルス撲滅のために多額の財政出動を行い,結果として,経済への影響は,特定の業種が大きな困難に遭遇したものの,全体としては限定的で,むしろ好調を維持し,証券市場は過剰流動性を反映して高株価状態が続いています。
 このような状況下で,2021年には新型コロナウイルスに対する切り札として,ワクチンが投入されることになります。このワクチンは,これまで一般的であった病原体の不活性化ワクチンではなく,遺伝子ワクチンという人類にはほぼ初めて応用される新しい薬剤でした。
 どこの国でも,ワクチンの開発には,長い治験期間が課せられているのですが,新型コロナワクチンに関しては,緊急事態ということで,治験途中にもかかわらず,世界各国がこぞって,緊急承認という手続きによって接種可能な道を開きました。
 しかし,緊急事態ということで,開発から極めて短期で人体への投与を承認したわけですから,その副反応や有害事象については慎重な評価が求められるはずでした。各国が発表している副反応や有害事象のデータを見る限り,これまでのワクチンと比べて,少なくとも総数においては桁違いの被害を出していることも事実として認識できます。
 本書は,ワクチン接種の是非を論じるものではありませんし,ワクチンの効果を否定するものでもありません。十分なインフォームドコンセントの上,接種することで健康が守られる場合もあることは認めます。
 しかし,ワクチンをめぐるこれまでの経緯を見る限り,その効果とリスクをめぐって,十分な国民的議論は全くなされていません。これは日本だけの状況ではなく,世界中でほぼ共通の現象です。むしろ,現在はワクチンについて議論することすら,タブー視されているような印象を強くもたらざるを得ない状況に陥っています。
 このような自由な議論が封印されている状況は,倫理的に極めて重大な問題です。しかも,そのことを告発しようというマスコミはほとんど見られないどころか,SNSも含めて,ワクチンを肯定する議論の方へ強く誘導する事態が生じています。
 本書は,どうしてこのような問題が生じているのかについて,倫理的な観点から検討し,その対応策を考えるものです。問題は,新型コロナワクチンをめぐって生じているものですが,その本質は現代社会が抱える根本的な問題が,この件をきっかけに露わになったにすぎません。それは,新型コロナウイルス以上に,人類に対する危機と言えるでしょう。
 私は,実際に声を発せられなくても,この問題を深く懸念しておられる方がたくさんおられることを,日々の活動から強く感じています。本書が,一人でも多くのそのような方々に届き,何らかの助けになることを願っております。

 
 

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