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「ひとりWeb担当」のあなたへ

先日、私の前職である事業会社の同僚から一本の電話があった。

彼女は、私の仕事を引き継ぎ、Webサイトの運営だけでなく、リリースを書いたり、取材対応などを行う営業企画の仕事をしている。電話はWebサイトに関する相談で、内容自体は10分程度で終わる簡単なことだったのだけど、Web制作会社に質問しても、社内のシステムに詳しい人に聞いても、全く解決できず、悪いと思いつつ電話してしまった、とのことだった。

Webサイトを運営していると、誰も助けてくれる人がいない状態になってしまう経験が私にもあった。

大きな会社を除くと、Webの運営担当者は少なかったり、1人だったりする。

上長や同僚はいても、相談相手がいない。
Webサイトを作る時は制作会社さんを頼れるけれど、Webサイトは作るだけでは終わらない。
サーバーの設定、SEO、セキュリティ、GoogleAnalyticsなどの解析、社内稟議書、原稿の作成…。

全部を制作会社さんが助けてくれる訳ではなく、自力でやらなければならないことが多々あり、力及ばずで失敗したりする。

ベンチャー企業で8年、その後転職した企業で9年、他の業務を兼務しながらもずっとWeb担当者だった私にも、数えきれないほどのWebサイトに関する失敗がある。

TV放映の影響でサーバーが翌日までダウンしてしまったこと。
Wordpressが改ざんされてしまったこと。
作ったフォームが使いにくくてクレームが頻発してしまったこと…。

書くのも恥ずかしいレベルの大きな失敗から小さなものまで、多種多様にある。

どれも1人で乗り越えてきた、とは言わない。同僚やWeb制作会社さんや多くの人が助けてくれた。

でも担当者ひとりの状態は長く、苦しく、孤独だった。
冒頭の元同僚のように、心苦しくも誰かに聞きたい、相談したい気持ちをいつも持っていた。
よりよいWebサイトにするために、事情のわかる社内の誰かに相談したいといつも思っていたのだ。

縁あって昨年サイボウズに転職し、サイボウズのWebチームに入った今。

「Webチーム」が社内に存在することの意義を、私自身が心から実感している。

サイボウズ社内にはさまざまなプロダクトのWeb担当者がいるけれど、彼らはきっと孤独ではないだろう。いつでも相談できるチームが社内にいるのだから。

社内に相談できる相手がたくさんいる状況に触れ、チームで最適解を探すやり方は新鮮で、学びが深く、刺激的だ。

そして、さまざまな事例に触れるにつれ、過去の自分がやってきた事案を思い出し、あの頃の私に教えてあげたくなる。

「こんなふうに考えたら、良かったのかも」と。

それは、検索すれば出てくるTipsのようなものではなく、サイト管理者にとっても、Web制作会社にとっても、そしてサイトを訪れる閲覧者にとっても、Webサイトに携わるすべての人がどうしたらハッピーでいられるか、を考えているWebチームの考え方だ。

チーム内で話していること、日々起こる問題、Web担当者の方が抱える悩み、それに対して私やチームがどう思ったのか、そんな考え方の部分が、今現時点でWebサイト運営で困っている誰かにとって、少しでも役に立てばいいなと思いながら、情報発信をしていきたいと思っている。


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