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エビ中「playlist」全曲レビュー⑤ 9~10曲

皆さん、おはこんばんちは。

昨年12月18日に発売となりましたエビ中=私立恵比寿中学6枚目のアルバム「playlist」の全曲レビューです。

今回のその⑤は、曲目レビュー最後となる9~10曲目です。

マガジン:エビ中「playlist」全曲レビュー


それでは。
音楽の真髄を極めた訳でもなく、専門家でもない私が、ただ単に曲の感想を述べるだけのブログですが、どうか最後までお付き合い頂ければ幸いです。

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09. HISTORY

作詞:私立恵比寿中学 作曲:徐賢眞 編曲:谷村庸平

思い入れがある曲

この曲はエビ中メンバーによって作詞された曲です。

ですから発売前、アルバムクレジットが発表された時から、ファミリー間では「号泣必至の曲」との噂が広がり、実際に耳にした後も、本当に
「泣いた、泣いた、全米が泣いた!」
というコメントがSNSで散見されました。

なぜ「全米が泣いた」かは、エビ中ファミリー以外の方はイミフメでしょう(笑)が、「MISSION SURVIVOR」(アルバム「穴空」に収録)という曲にそんな歌詞があるんです😆


しかし…。
個人的な意見としては、いささか残念な部分あり、というのが正直な感想です。

良いところから先に書いてそれを後回しにすると後味が悪くなってしまいますので、「プラス・マイナスの法則」に則って、先に書いてしまおうと思います。

苦戦したレコーディング

そのマイナス部分については、エビ中メンバーも言及していますので、それを引用してみましょう。

星名 レコーディングは一番苦戦しました。私たちがそれぞれ書いた歌詞がそのまま生かされているから、語呂が合わなくて。それも1番と2番で譜割りが違ったりするんですよ。些細な単語でもいろいろなことを思い出して考えてしまったり……苦戦しつつもウルウルきちゃいました(笑)。

(音楽ナタリー「私立恵比寿中学 playlist インタビュー」より)

この「語呂が合わない」というのが、私的に残念な部分です。
ラップ等が苦手な私にとっては、つまり「美しいメロディに美しい歌詞が乗っている曲が好き」なためで「メロディに語呂が合わない」というのが、ちょっと残念です。

しかし、引用したナタリーインタビューでは、そんな苦労しつつも自分達で曲を作り上げた、という達成感が伝わってます。

それはぜひ、ご自身で読んで頂きたいので、リンクを貼っておきます。


また、上の美怜の言葉にある、「それも1番と2番で譜割りが違ったりするんですよ」というのが、これはこれで「構成の妙」に変化している部分もありますから、それは次の項目で書きたいと思います。
それで充分、マイナスがプラスに変換されていくはずです😉

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楽曲構成

では、その構成を見ていきましょう。

Aメロ
【真山】みんなと同じができなくて…
【小林】鏡に映った踊るみんなを見て…

A´メロ
【星名】無理に笑ってカラ元気だしても…
【柏木】友達だけど友達じゃない…

Bメロ
【中山】どんなに泣いても誰かが…
【安本】せっかく一度きりの人生の中で…
【ALL】思い出をこれからも

サビCメロ
【柏木】空へ 永遠(とわ)色の虹を…
【ALL】出逢ってくれてありがとう
【小林】見つけてくれてありがとう
【ALL】神様は見てくれなくても…
【真山】今この瞬間を共に生きてる
【ALL】握った手からパワーを込めて

これでワンコーラス終了。
極めてオーソドックスな構成ですね✨

そして2コーラス目の
A´´メロ
【小林・中山】年齢だって性格だって違う…
【真山・星名】嫌になることもあるけど 絶対に嫌いになれない 声 汗 涙 笑顔

この最後の「声 汗 涙 笑顔」が、歌詞による譜割り変化の部分ですね。

その後のBメロも、

【ALL】いろんな感情が私を成長させたんだ
【柏木】心を踊らしていきたい これからも

の部分が、ワンコーラス目とは違う譜割りになっており、いい味が出てると思います。

その後は、サビCメロで2コーラス目が終わりますが、続く落ちサビ前のDメロがいいんですよね。

【安本】昔から変わらないものってなんだろう
【中山】ステージのうえならなんにでもなれるって
【小林】魔法にかかって夢見てさ
【星名】空回りばかりだけど
【柏木】たくさんの声が待っててくれる

この後、
【ALL】居場所はここだって 教えてくれるみたいに

の部分で転調して、落ちサビのCメロへ盛り上がるという構成ですね。

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韓国のクリエーター

作曲の徐賢眞(ソ・ヒョンジュン)さんのプロフィールです。

韓国在住のクリエーター。2011年 建築大学を卒業後、見聞を広げるための日本に旅行の際にJ-POPを知り、音楽活動をはじめる。日本の音楽学校に留学後、J-POPの音楽家として作家活動を始める。J-POPとK-POPのハイブリッドな作風を目指している。

(以上エビ中公式サイト、playlistのプロフィール欄より)


Wikipediaによりますと、1985年2月27日生まれ、韓国の女優、元歌手。グループM.I.L.Kの元メンバー。今は女優に転身して、多くの韓流ドラマのヒット作に出演しているみたいです。
その傍らで音楽活動しているって、なかなかの人物ですよね。

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いやいや、美人じゃないですか😆

↑上の写真以外にも何枚か見ましたが、角度によっては新垣結衣に似てるようにも見えました😆
(いや、ガッキーの方が年下やけん、ガッキーがヒョンジュンさんに似てるんだ😅)

編曲の谷村庸平氏プロフィール。

サックス奏者・作曲家。幼少よりピアノやクラリネット等の楽器を経験し、19歳で手にしたサックスでジャズの演奏を始める。
また2016年より作曲家として乃木坂46、AKB48、HKT48ほかアイドルを中心に楽曲提供を開始しています。

(以上、谷村氏の公式サイトプロフィールより)

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10. トレンディガール

作詞・作曲・編曲:川谷絵音
ドラマ『神ちゅーんず ~鳴らせ!DTM女子~』主題歌

最後の曲目

さて。いよいよ「トレンディガール」のレビューへとたどり着きました。


この曲は、あの「ゲスの極み乙女。」の、川谷絵音氏の手によるものです。

私がこの曲を初めて聴いたのは、上にもある通りエビ中メンバーが主演したドラマ『神ちゅーんず ~鳴らせ!DTM女子~』の主題歌でしたので、そのタイトルバックで流れた時でした。

↑上の公式MVはメンバー同士が戯れている動画でタイトルバックとは別物です。

ドラマでは導入部のひと芝居があって、音響機器(たしか音源を波線状に表示するもの)がアップになり、あの独特なイントロが流れてきます。

すると学校の廊下から教室をカメラが移動し、メンバーが一人ずつ登場して歌詞を表示した何か(黒板だったり、タブレットだったり、壁の貼り紙だったり)を指差しながら移動して行く、というものでした。

掴みはオッケー!のイントロ

私はそのイントロを最初、音響機器の効果音か何かと勘違いしたんですが、それが徐々に音楽を奏で始めたもので、もうビックリしたというより、驚愕してしまったと表現しても大袈裟じゃないと思います。

それほどこのイントロの印象は強烈で、数十回と聴き込んだ今でさえその思いは変わっていません。

先日(2月23日)に放送された「関ジャム」(テレビ朝日系列)に川谷絵音氏がゲスト出演し、“すごいイントロ特集”をやっていたんです。

そこで「ゲスの極み乙女。」の曲を川谷さん自ら取り上げ、どんな風にイントロが出来上がったを説明していました。

私は、この「トレンディガール」を紹介してくれないかなと密かに期待してたんですよ😅
しかし、とうとう紹介されないまま終わってしまいましたが…(笑)

私的にはそこで取り上げられてもおかしくないくらいの、歴史に残るイントロではないかと個人的に(笑)思っています。

そしてこのイントロのフレーズが、構成的にもアッと驚く使われ方をしていますので、それを次の項目で書いて行きます。

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楽曲構成

その構成を順に見て行きましょう。

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いつものように歌詞カードのメモを貼っておきますね。

前述の通り、印象的なイントロのゼロメロが4回リフレインして、Aメロが始まります。

Aメロ
【安本】ノーマルライフに…
【小林】かすかな成功の…
【星名】薄水色だった春
【真山】濃く色付きそう

この後のBメロがいいんですよね!
【中山/安本】知りたい知りたい
【柏木】隣の芝生の感触
【中山/小林】演じてみたい
【柏木】あちら側の青春劇
【中山/星名】作りたいな
【柏木】心解くミュージック
【中山/真山】愛してみたい
【柏木・中山】自分の人生

ここでは、前部の独り言のような歌詞は全てりったんがメインのメロディを唄い、その後ろで別のメンバーがコーラスでハモっています。
後部の説明のようなフレーズは全部ひなたのソロ。ラストのセリフだけ、りったんとのユニゾンです。
美怜がハモっている「♪作りたいな」がベストですね!(なんせ美怜は推しメンですから(笑))

ここで、先に述べたイントロのゼロメロフレーズのアッと驚く使われ方に話を戻しますと、なんとこのAメロ→Bメロの部分の後ろで、イントロからぶっ続けにずっとあのメロディが流れているんです!

♪愛してみたい 自分の人生

のところで演奏が途切れて、そのゼロメロの部分が再び浮かび上がってくる構成になっているんですが、そこに至るまでずっと同じフレーズが奏でられているなんて、この編曲にはビックリしました~!👍

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面白い構成の連続

まだまだ面白い構成が続きます。

サビCメロ
【ALL】
あなたの心はトレンディ
私の心もトレンディ
傷つきやすいかもしれない
でも震えるような感動も
私たち最新系なの

これでワンコーラス終了。

ここで再びゼロメロが間奏に使用され、2回目のリフレインで入るドラムの刻み方のカッコ良さといったら!

そして2コーラス目に入るんですが、なんとここでは1番のAメロとは全く違うメロディで、

Dメロ
【安本】輝く元が私だと…
から、
【星名】私にはそれが眩しすぎた

まで、抑えたメロディラインの印象的なフレーズが繰り広げられます。

さらに、サビCメロは1番と全く同じ歌詞のフレーズ後に、新しいリフレインが入り、

【ALL】
要するに私トレンディ
最終的には牙を剥くのかも
しれない人たちにも
届けるようなものを
私たち作るんだから

と、譜割りの違うC´メロとして展開します。

このあと間奏が入り、続くのは1番Aメロでもない、2番Dメロでもない、全く違うEメロがやって来ます。

Eメロ
【星名】私が見たことない私
【中山】また弾けては消えた
【小林】さよならなんかする前に
【安本】奇跡は消えるけど
【真山】何度だって起こせばいい
【柏木】だって一人じゃないんだから

と、メンバー全員がワンフレーズずつ唄い、落ちサビ前の盛り上げ方にこんなやり方があるんだ! と、またまた驚愕!

落ちサビは、1番、2番と同じCメロの後に、

【ALL】
まだ青春42%
まだ楽しいことばっかできるの
不特定多数は少数よ
素敵なトレンディガール
それが私たち

と、またまた譜割りの違うC´´メロで終了!

そしてアウトロはイントロのゼロメロが繰り返されるんですが、イントロ部分でギターのリフが乗っかっていたのと違い、このアウトロにはストリングスの演奏が乗っています……

もう!
なんという構成、なんという編曲技法、なんという……

言葉が出ません。
言葉にできないほどの「名曲」だと思います。川谷絵音、やっぱ天才だ……!!!!

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いつにも増して語ってしまい、またまた長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

では次回その⑥「まとめ」ブログまで、しばしごきげんよう、さよならdestiny!

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