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「あのコはだぁれ?」鑑賞記

皆さん、おはこんばんちは。

2024年7月19日公開の「あのコはだぁれ?」を8月18日に観て来ました。


「あのコはだぁれ?」鑑賞記



この作品は、私の敬愛する清水崇監督の作品で、昨年公開された「ミンナのウタ」の「実質的続編」となっています。

↓「ミンナのウタ」レビュー


ミンナのウタ 実質的続編

ミンナのウタの「実質的続編」と書いたのは、正式に「Part2」や「続」とウタわれて(笑)おらず、あくまで「DNAを引き継ぐ最新作」としか公表されていないからです。

大ヒット『呪怨』シリーズを手掛け、ハリウッドリメイク版として世界中で公開された『THE JUON/呪怨』が日本人監督として初めて全米興行収入1位を獲得するなど、Jホラーを牽引し続けてきた清水崇監督。昨年、「本当に怖いホラー映画」として話題になった『ミンナのウタ』のDNAを引き継ぐ最新作『あのコはだぁれ?』が7月19日(金)に全国公開いたします。

公式サイト「INTRODUCTION」より

清水監督自身も、最初からシリーズ作品の構想を持っていたわけではないことを公式サイトで、このようにコメントしています。

『ミンナのウタ』が公開を迎え…気がつけば、僕の中に次なる構想が芽生え、舞台挨拶時にはつい口走っていた。早速…同じ世界線での新たな展開の映画企画を松竹のプロデューサーに持ち込んだが、思えばムシのいい話だ…当初は困惑・錯綜していた男が、今度は次なる展望を語り出す…(申し訳ありません)。 兎にも角にも、約一年後、『ミンナのウタ』と同じメンバーのスタッフが集まり、一部に同じ役(同キャスト)を呼び戻して『あのコはだぁれ?』に取り掛かる事が出来た。

公式サイト「コメント・プロフィール」より


私が大好きな「呪怨」以後にあまりヒット作のなかった清水監督が、久々に放った「ミンナのウタ」のスマッシュヒットが嬉しかったので、「あのコはだぁれ?」の公開情報が伝わってきた時は「ゼッタイ観に行こう!」と決めていました。


キャスト・スタッフ

主要人物
君島ほのか:渋谷凪咲
三浦瞳:早瀬いこい

夏期補習を受ける生徒
前川タケル:山時さんとき聡真そうま
島田蓮人:荒木飛羽とわ
小日向まり:今森茉耶まや
阿部大樹:蒼井旬
高谷さな:穂紫朋子

ほのかの関係者
七尾悠馬:染谷将太(ほのかの恋人)
川松良江:今井あずさ(32年前:堀桃子、中学校の校長)
中村育英:松尾諭(先輩教師)

瞳たち生徒の関係者
三浦唯:小原正子クワバタオハラ](32年前:田口音羽、瞳の母)
前川妙子:伊藤麻実子(32年前:シダヒナノ、タケルの母)
糸井茂美:南山莉來(唯と妙子が学生の頃のクラスメイト)

高谷家
高谷詩織:山川真里果(さなの母)
高谷洋一:松木大輔(さなの父)
高谷俊雄:白鳥廉(さなの弟)
高谷トヨ:川松良江(さなの祖母)

養護施設
仁科恭子:たくませいこ(悠馬が勤務する施設の施設長)
尚哉、美弥、拓海:嶋田鉄太、里元咲夏、松本孟徳(施設の子供たち。悠馬を慕っている)

その他
権田継俊:マキタスポーツ(元探偵。良江のかつての教え子)
中務裕太(本人役):中務裕太(「ミンナのウタ」で主演したGENERATIONSのメンバーで、霊感を持つ役柄)

スタッフ
監督:清水崇
脚本:角田ルミ、清水崇
原案:角田ルミ、清水崇
製作:大庭闘志
製作総指揮:吉田繁暁
(情報はWikipediaより)


大満足の“怖さ”

観てきた感想は…。

いや、もう大満足の“面白さ”、いや“怖さ”でした!😆
観てきた回は、夏休み中でもあったこともあり、親子連れや若い女の娘同士で観に来てるグループもあったり、満席とまではいかないまでも結構なお客さんがいて、評判も上々のようです。

フィルマークス調べ「初日満足度ランキング」で第1位を記録し、公開1カ月で興行収入9.6億円、観客動員82万人を突破しています。
(公式「X」より → ※注:8月22日現在で10億円、85万人を突破したもようです)

ネタバレ感想

では、ここから盛大にネタバレしながら(笑)、感想を書きたいと思います。
未鑑賞でネタバレを回避されたい方は、↑上の目次まで戻って「ネタバレ終了」までジャンプしてください。
ネタバレ後は、お気に入り俳優さんたちについてや、主題歌のリンク動画を貼ってありますので、よろしければそちらもどうぞ😉

ネタバレ開始

ここからは、怖かったシーンや印象に残った演出を思い出しながら書いて行きますが、必ずしも物語の進行に沿っている訳ではありません。また、セリフ回しなど微妙に違っているかもしれませんが、1度観ただけですのでご了承ください。


ホラーの新定番

映画の冒頭、主人公のほのかがLINEで待ち合わせし、駅前のベンチで誰かを待っている。やってきたのが恋人の悠馬と分かるが、車から降りて近づいて来た悠馬が、いきなり突っ込んで来た車に跳ねられて吹っ飛んでしまう!

これはですね、もう昔のホラー映画「ファイナル・デスティネーション」(以下「FD」と表記、日本公開2001年1月)のワンシーンへのオマージュですね!
それまでのホラー映画は「なんか来るぞ〜、来るぞ〜」と思わせて怖がらせる演出手法が定番だったんですが、FDでは主人公と言い争っている同級生が車道に一歩踏み出した瞬間に猛スピードで横切ったバスに轢かれて死ぬシーンがあったんです。
これは予測不能、いきなりやって来る怖がらせ方で、このFD以後たくさんの映画やドラマで似たようなシーンが使われ、最早もはやホラーの定番演出法になっていると言っても過言ではないでしょう。


前作からの怖がらせ演出

悠馬が車に轢かれたシーン。
悠馬は自動販売機にぶつかって倒れているが、その身体が何故か自動販売機の下の隙間に引き摺り込まれて行く。
駆け寄って来たほのかと、たまたま居合わせた瞳や他の人たちが悠馬の身体を引っ張り出すが、ほのかの腕に自販機の下から伸びてきた誰かの手が絡みつく…

前作「ミンナのウタ」で怖かったシーンが次々と表れて来ます。
前作でも、自販機の下にノートを隠されていた高谷さなの霊が、自販機の下に頭をめり込ませているシーンがメチャ怖かった!


前作では描かれなかったシーン

川松校長がさな達の担任だった当時、さなが同級生数人と校舎の屋上で言い争いしているのを川松が校舎の下から目撃し、止めようとしたにも関わらず女生徒の一人が転落死してしまう。
その事件が、学校が「呪われている」という言い伝えの元となっている…

前作ではこのシーンは全く描かれておらず、ただ転落するだけしか描写されていませんでしたが、本作では言い争っているシーンから、糸井茂美が突風にあおられて落ちかけ、三浦唯と前川妙子が助けようとしますが、さなが
「あなたの音、聞かせて…」
と、掴んでいた腕を振り払って転落させてしまうまでがしっかりと描かれています。
こシーンが本作のラストでもリフレインされ、ほのかと瞳がさなと対決するクライマックスシーンへの伏線となっています。


瞳とさなのシンパシー

瞳は、本来補習授業にいるはずのない生徒・さなの存在をいぶかしんではいるが、校舎のロビーに置いてあるピアノを弾いているさなにシンパシーを感じ、隣に座って連弾してしまう…

このシーン。
二人が弾いているピアノはグランドピアノではなく、所謂いわゆるタテ型のアップライトピアノです。このピアノの黒い光沢面が鏡のように、弾いている二人の姿を写し出していました。
私は登場した時から瞳役の早瀬憩ちゃんが、なんとなくさなに似ているなと感じていましたが、この連弾シーンを描きたいために、わざとさなに雰囲気が似ている女優さんを選んだのかと勘ぐってしまうほど、このシーンは印象的です。
そしてこの
「弾いている者の姿を写すピアノ」
が、この映画の最後の最後の「オチ」にも繋がっていくのです。


ゾワッとくる会話のリピート

高谷家を訪ねたほのか。
さなの両親と話していると、
父「なんだ、婆さんもう寝たのか?」
母「(妊娠したお腹をさすりながら)このコを抱くまでは生きててもらわないと…」
この会話が何度もリピートされる。
最後には、
父「なんだ、婆さんもう死んだのか?」
に変わり、恐怖倍増!

「ミンナのウタ」から、この「会話のリピート」で怖がらせる手法が際立っています。
前作での最恐シーン、さなの母が中務君に「私の赤ちゃんどこやったのよー!」と迫ってくるシーンでも、「さな〜、いいかげん自分の部屋、掃除しなさ〜い」という母のセリフが延々とリピートされてたのが怖かったですね〜😨


ゲームセンターの恐怖

蓮人がクレーンゲームで、でっかい熊のぬいぐるみを狙っている。しかし取れずに止まってしまい、取り出し口から手を入れると、ぬいぐるみが血の付いたさなの霊にすり替わっている…

ホラー映画で怖がらせる舞台が、ゲームセンターとなっている映画を初めて観ました😆
蓮人が取ろうとしていたのは、さなの部屋にあった腕に包帯を巻いてる熊のぬいぐるみ…。すり替わったさなの霊も、無表情のぬいぐるみのようだったのが怖かった!
蓮人を探しに来た瞳がセンターを歩いていると、さなの父とすれ違ったり、母とお婆さんが座ってゲームをしています。そして蓮人が、クレーンゲームから血の足跡を追って入って行ったプリクラに、父、母、お婆さん、そして最後には俊雄が次々と入っていく…。
いやぁ、ゲームセンターってこうして改めて見てみると、何気に怖い場所があるんだなって気がしてきましたね〜😨


最恐シーン

先輩教師の中村が、校舎を見回りしている。すると背後に人の気配が…。
中村「すみません。今、学校は閉鎖してるんですが…」
段差のある廊下の向こうに、女性の下半身だけが見える。
女性「あら、どうしましょ」
この声で、観客はそれがさなの母だとわかる…。
すると突然駆け出し、
母「私の赤ちゃんどこ〜!」
と、迫って来た〜!

前作でも、中務くんが高谷家を訪ねた時、さなの母が「私の赤ちゃんどこやったのよ〜!」と迫ってくるシーンが最恐でした😅
前作を観ていた人なら、私を含めてこのシーンでは、
「来るぞ、来るぞ〜、ほら来た〜!」
って感じになると思います。
来るってわかっていても、お腹の底からゾワーッと怖さが湧き上がってきましたからね!
この作品でも、さな母が最恐でした!


衝撃のどんでん返し

物語のクライマックスシーン。
校舎の屋上から転落しそうになるほのかを瞳が必死で引っ張り上げようとするが、さなの霊が現れてほのかを突き落とそうと迫ってくる。
そこへ現れた母の霊が、さなの頭をつかんで引き戻し、ほのかと瞳は命からがら屋上へと戻ることができた。
さなの霊に取り憑かれて消えていた人物達も、元の世界に戻って来る。これでめでたしめでたし…
と思いきや!

花束が飾られている校舎の1階で悠馬とほのか、そして瞳が手を合わせている。
しかし、何か様子がおかしい。悠馬が瞳に「いつもありがとう」と語りかけ、瞳は悲しそうにその場を去る。
2人残った悠馬とほのか。悠馬がポケットから婚約指輪の白い箱を取り出し、
「お、ここでプロポーズか?」
と思わせるが、何故か悠馬は取り出した指輪をギュッと握りしめ、ほのかを無視するように立ち去ってしまう!
取り残されたほのかが左手を見ると、左手の薬指にはめていた指輪が黒い霧のように消えてしまう。
そう、本当はさなとの対決でほのかは助かっておらず、屋上から転落して死んでしまっていたのだ!

このどんでん返しは意外でしたね!
ほのかと瞳が屋上でさなと対決し、さなの霊はしずまったかと思われました。行方不明になっていた人々も、前作と同様に次々と戻って来ましたから…。
しかし、前作でもタイトル・ロール後にさなが、GENERATIONSのライブ会場で観客を自分の世界に引き込んでいった、というのがオチでした。これを踏まえていれば、助かったと思われたほのかが実は死んでいた、という結末は予想できた…😥
うーん、清水監督、一杯食わされました!😆


エンドロール後のオチ

ほのかが実は死んでいたと分かったラストシーンから、ヒグチアイが歌う主題歌「誰」が流れ、エンドロール。
(「誰」のMVは↓下に貼ってあります)
用務員さんが、瞳とさなが連弾したピアノのあるロビーを掃除している。
掃除を終えた用務員さんが立ち去ると、誰も座ってなどいないピアノの黒い表面に、制服を着た“あのコ”の姿が写っている…

前作でも、エンドロール後にひとネタの映像が挿入され、それがオチとなっていました。
エンドロールが始まると席を立って帰ってしまう人がいるので、前作レビューではそれに対する注意書きを入れました。
(今回、私が観た回では誰も席を立たなかったですね。きっと前作を最後まで観た人たちだったんでしょう😉)
今回もラストにきっと何かあると思っていましたが、案の定ありましたね。
↑上に書いた、瞳とさながピアノを連弾するシーンでピアノの黒い表面に制服姿の2人が写っていたのが、この場面に見事に生きていました。
このオチによって、さなの霊はまだ存在しているという暗示で、新たな続編の可能性も残っていますね😉


まだまだ印象的なシーン、怖かった場面はたくさんありますが、長くなり過ぎますのでこの辺にしときます。
もし、この他に「ここが怖かった!」というオススメシーンのある方は、ぜひコメント欄でお知らせ下さい!
※但し、コメント欄を読む方が未鑑賞の場合もありますので、ネタバレしている内容だったら文頭に「ネタバレ注意!」と明記してから書いて下さいね〜😉


ネタバレ終了


お気に入り俳優さん

今回、瞳役を演じた早瀬いこいちゃんが可愛かったです😉

オーディションで芸能界入りし、2024年6月7日に公開された「違国日記」で、新垣結衣とのダブル主演を務めるなど、有望株ですね。注目して行きましょう。


高谷さな役の 穂紫朋子 ちゃん。
さな役は怖いですけど、公開イベントなどで見る普段着の彼女はとても可愛いです😍

プロフィールを見て知ったんですが、私と同じ福岡県出身!
「言語:博多弁/筑豊弁」とあるので、筑豊地方の出身かな?
彼女の博多弁、聞いてみたいです😆


タケル役の山時さんとき聡真そうま 君は、 2023年7月期のドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」の生徒役で印象に残ってました。
と思ったら、同年7月14日に公開された宮崎駿の10年ぶりの新作長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」で主演の声を務めていたんですね!知らなかった😆


主題歌「誰」

この映画ですごいインパクトを放っているのは、ヒグチアイが歌う主題歌です!
エンドロールでこの曲が流れて来た時は、物語の世界観にピッタシハマった雰囲気にオドロキ、怖さが倍増しました。


それでは。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また逢えるから、この言葉が言えるんですよね。
ごきげんよう、さよならDESTINY!

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