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円形脱毛症、だったのか!?

少し前から気になっていたことがある。

朝、ドライヤーで髪を乾かしているときに、どうもまとまりが悪い部分があるのだ。それは右後頭部で、伝わるかどうか分からないけれど、右斜め上、とうか、そのあたり。その部分だけ短い髪が「ぽこっ」と浮かび上がっていて、髪が乾くと周囲の髪から浮いてしまう。だけど、それほど気になる分量でもないので、「あれ~?この前美容院に行ったときに、この部分は短くカットされたのかな?」と、最初は呑気に考えていた。

だけどあまりにも頻繁に目にする為、ようやく真面目に考えるようになり、そしてはたと思い当たった。実は今まで一度だけ円形脱毛症になったことがある。小学校の中学年か高学年くらいときだ。ある朝、私の髪をまとめていた母が、「あれ?ここに五円禿があるよ」と呑気にのたまったのだ。私はびっくりしてその部分を触れ、つるつるしている肌感に、ショックな気持ちと同時に得も言われぬ興味も感じた。つるつるしていて、不思議な感触だったのだ。

原因はすぐに思い当たった。それは、確か数か月間くらい、夜な夜な母が隠れて誰かと電話をしていたことから、「浮気をしているのではないか」と疑い、心配をしたこと(結局、後日女性の友人の相談に乗っていたことが分かったが、真実は謎)。

原因のおおもとである母から呑気に五円禿を指摘されるという皮肉な結果になったのだけれど、五円禿があると分かった瞬間に今までの悩みがすべてふっとび、「馬鹿らしい。人の心配をして自分が禿げるなんて。もう心配するのはやめよう」と即座に決意をした。

分かりやすいことに、その日から僅かな日数を経てすぐに髪は伸びはじめた。身体のメカニズムを体感し、なるほどなあと思ったものだった。そしてその時の髪の伸びる様子が、今回の私の髪とそっくりだったのだ。周囲の髪から浮いて、短くぴょこんと跳ねている、そんな髪。

伸びている髪の毛の長さから、大体いつくらいから生えはじめたかの推測がつくだろうと思い目算してみたところ、ちょうど仕事でストレスフルだった時期と一致して、なるほどなるほど、と納得。はっきりとは言い切れないけれど、あのときの高ストレスで、もしかしたら五円禿ができていたのかもしれない。そしてそれに気が付きもしなかったことは、幸いなことか、不幸なことか。

今、5~6センチくらい伸びている収まりの悪い髪に触れながら、特に何か強い気持ちが生じるわけではないけれど、なんだか、なんだか、よく分からない気持ちが、あるような、ないような。

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