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スペインで暮らす(異文化体験編)#2 ワッツアップグループでのクラスメートの反乱に垣間見るスペインの男女意識

今週もまた大学院の授業と課題に追われて1週間が終わった。大学院のクラスは相変わらずオンラインなのでまだクラスメートには会えていないのだが、ワッツアップ(ラインの海外版のようなメッセンジャーアプリ)ではクラスのチャットグループがあり、そこでみんな質問をしたり、授業中に先生の文句を言ったり、色々なやりとりが日々行われている。私は最初の自己紹介いがいグループでは一切発言していないのだが、今週そのグループチャットで喧嘩が勃発したので興味深く少し慄きながら見守っていた。

事の発端は、クラスの中東からの留学生の男の子Sの、今週のノートとってる人、誰か送ってください!というメッセージだった。その前にも何度か今日は遅刻しちゃったのでノートを送って、今日の授業の内容教えて、と何度もグループに投稿してはみんなにスルーされていたのだが、どうやら個人メッセージでも複数の人に送っていたようだった。Sのメッセージに対して、クラスの一人の女の子Aが、みんな事情がある中で大学院に行くことは自分の選択な訳なのだから、仕事や体調は授業を遅刻したり出れない事の言い訳にはならない、そもそも大人なんだから自分でなんとかすべきだし、一度だけならまだしも何度も毎回ノートや課題を見せて、というのは面の皮が厚すぎる、とキレた。正論である。

Aの言うことは100%正しいし、私もSに対して、なんだかなーこういう人ってどこの大学にもいるよなーと思いながらスルーしていたのだが、Aの反撃に乗じて、他の女子のクラスメートたちが一斉に攻撃を始めた。まあだいたい言っていることはAと同じで恥知らず〜的なことを色々言っていたのだが、自分の通っていた母国の大学ではノートを見せ合うのは当たり前のカルチャーだったから、気を悪くしたならごめん、と謝罪をしながら言い訳を続けるSに対して、そう言うのは謝罪とは言わない、言い訳するな、謝るなら一人一人に誠意を持って謝れと総スカン。あげく、Sが個人メッセージでノートや課題を見せてと送っている相手はほぼ女性のクラスメートだったことに対しても、女性を下に見ていると攻撃を続け、ついにSはグループを退会した。

この一連の騒動で女子強いな。。と思うとともに、女性を下に見てる姿勢が伝わると、スペインではかなり反発が強い反応があることをこの一件でより感じた。スペイン語でMachista=男尊女卑的なメンタリティーを指す言葉があり、日本ではスルーされる発言がかなり厳しく捉えられることがよくある。昨年語学学校の授業で理想の異性のタイプ、という話題になったときに、ある日本人の男子生徒が、可愛くて、面白くて、料理ができる人、と言ったところ、料理ができる、という部分でMachista!!!と、スペイン人の先生&クラスメートのスペイン人ではない各国の留学生からかなり驚いたような反応をされていた。日本では多分これを言っても、男性も女性も何も思わない人が多いし、実際、料理してくれる人、とかついてきてくれる人、とかを挙げる人はかなり多いと思う。それぞれの好みにケチをつける気は全くないが、異性に対して求めることへの違いでも、その国の男女の性差であったり社会的な意識が見られるなあと思ったことを覚えている。

スペイン人の喧嘩の強さ(オンライン上)にビビりつつも、色々考えさせられるなあと思った一件なのでした。


記事を読んでいただきありがとうございます!日々の中で感じたこと、考えたことをつらつらと書きとめていきたいと思います。