宗教 4 宗教とマスターの関わり

(読了目安12分)

◎宗教とマスターの関わり

宗教とマスターの関わりについてです。


自己紹介」にもあるように、マスターは21歳のとき、消化器系の難病を発症しました。
難病だという噂が広まると、何人かの宗教信者が「あなたのことが心配だ」とマスターのところに来てくれました。
以下、マスターと宗教の関係について、3つの団体の話を書きます。


どの宗教団体も、「困っている人を助けるのがなによりの徳」、という考え方があるようで、マスターの病気を改善させるため、いろいろとがんばってくれましたが・・・



1 <A教>


「病気が治る」ということだったので、「道場」と呼ばれるところに数回連れて行ってもらい、お経を唱えたりしましたが、当時の若かりしマスターとしては楽しくなかったためか、病状が改善されることはありませんでした。
「治る条件」としては、「宗教を信じること・何度も道場に通うこと」でした。
マスターは道場に通うだけの体力がなかったので、出かける必要があるものは全て断ることになり、病気は改善されないままでした。


それまでは、「あなたの病気を治したい」と積極的な行動をとっていた信者でしたが、マスターの「やる気」がないと知ると、それ以上は誘わなくなりました。


信者の言葉としては、「信じなければ治らない」「この宗教じゃないと治らない」「信仰すれば、死ぬような病気が死なずに済むようになる」などがありました。


「信じたら救われる、この宗教じゃないと病気は治らない」ということは、まさにその宗教を本気でやらないとマスターの病気は治らないということになります。
もし入信したら、死ぬまで難病のままでも「宗教のおかげでここまで長く生きられた」となり、もし病気が治ったら「宗教のおかげで治った」ということになります。
また、短命なら「真面目にやっていなかったから」となります。


いずれにしても、マスターの人生は全て宗教のおかげということです。
これじゃ自分の人生ではないですよね。
宗教の歴史は長いものでも数千年、新興宗教なら数十年です。
宗教に真実があるはずはないんです。


以前マスターは、「遠隔ヒーリング」について書いたとき、「ヒーラーがその場でなにをしていても、信じる気持ちがあれば遠隔ヒーリングは効く」と書きましたよね。
この信者が言いたかったことも、最終的にはそういうことだと思います。
自分のこだわりや疑いを全てなくし、信じきってみれば、人間の中に眠っている潜在能力が開花し、その力が病気を治していく。
その「宗教」を信じるから病気が治るのではなく、信じるものがあるから病気が治る、または緩和するということです。
極端な話、「本気で信じられるものがあるならなんでもいい」ということかもしれません。
それが宗教なのか、芸能界なのか、健康法なのか、趣味なのか、その違いです。


2 <B教>

「ハンドパワーで病気を治す」ということだったので、試しにやってもらったことがありました。
基本的に出かけることができなかったマスターでしたから、自宅まで来てヒーリングをやってもらっていたんです。
言ってみれば「出張ヒーリング」ですが、これは、本来ならお金も時間もかなりかかります。


しかしマスターが、「すみません、お金も時間もかなりかかるでしょ?」と尋ねると、「そんなことはありません、やらせていただけるだけでいいんです」との返事でした。


「それはありがたい、だれか来てくれるなら寂しくないし、病気がよくなるなら最高!」なんて思って甘えていたら、数回の訪問後、連絡がなくなりました・・・
マスターは全く入信する気はなく、それがわかってしまったのかもしれません。
もちろん病状は良くなりませんでしたが、入信していたら良くなったんでしょうか・・・


しかし、もし「入信すれば病気が治る」なんていう条件付きなら、宗教ってどこかおかしい気がします。
その宗教が、人々の平和や安定を願っているなら、「入信」に関係なく、あたりかまわず病気を治せば、みんな幸せですからね。


マスターに病気を治す力があるなら無差別で治しますが、「この宗教だけが病気を治せるんです」「信じていいのはこの宗教だけです」なんて言うなら、それは争いが絶えない考え方になってしまいます。
しかも、その宗教が始まる以前の人類はみんな、病気になったら絶望しなければなりません。
それじゃますますおかしい話です。


もしマスターが「病気が治ったら入信するから、まず病気を治してください」なんて言ったらどうなっていたんでしょう。
きっと「治すのは自分自身の力です、私たちは手助けをするだけです、治るかわかりませんが努力してください」なんて言われたかもしれません。
逆に、マスターの病気がすぐに治ってしまったら、「教祖様が治したんです、教祖様にお礼をしなければいけません」ということになるのかもしれません。


結局、B教の信者はマスターの家に来なくなってしまいました。
マスターに対して使ったコストを回収できないと判断したのかもしれません。


3 <C教など>

マスターは13年間にわたって一人暮らしをしていましたが、その間、時々宗教の勧誘を受けていたような気がします。
何種類かの「出張宗教」の中でも、いくつかの印象深い出来事がありました。


マスターの一人暮らしの部屋に訪問した2人組の女性が言いました。


2人組 「この経典の研究をしませんか?」


マスター 「やりましょう(即答してみました)」



難病が発症していたマスターは、当時「寝る」のが仕事でヒマだったので、その経典を借り、いろいろと読んで疑問に思うことを尋ねました。
同時に、マスターが持っていた宗教関連の本を託し、その内容についてマスターからも質問書を渡しました。


マスターは数十の質問をしたんですが、女性2人組は、マスターからの質問には一切触れず、結局、マスターが渡した本を一度も読まないまま、置き手紙を残して二度と現れませんでした。
彼女たちのやり方は一方的だったように思います。
経典の研究が目的ではなく、価値観を押し付け、信者を増やすことが目的だったのかもしれませんね。


また、ある宗教では、マスターからの質問に回答できなかった女性信者がいました。
マスターが、「それじゃあなたの宗教の目的はなんなんですか?」と尋ねたところ、彼女は「教祖をあがめるのがこの宗教の目的です」、とうっかり回答してしまいました。
もしこれが本気ならすごい宗教です。
宗教が「教祖ファンクラブ」と化していて、教祖はウホウホです。


それから、1999年に世界が滅びると信じた団体から、いろいろと誘われたこともありました。
これはスルーしましたが、信じていた人たちは、「私たちの祈りが通じて滅亡が回避された」と思っているようです。
しかし「終末論の本質」はその逆で、地球も人類も滅びない前提で行われる「信者の団結力を高めるためのイベント」なんです。


つまり以下のようなイベントです。


「人類は滅亡すると予言する」

「滅亡させないためにみんなで祈る」

「予言の日になっても滅亡しない」

「祈りが通じた」

「地球を救った教祖と私たち信者はすごい」

「この宗教こそ人類を救う」


ということです。


※参考までに、以下「ハズレの終末予言集」のページです。
1999年と2000年は、人の心理的な問題なのか、終末予言が多いですね。
2012年の「マヤ暦」による終末問題も、なにもありませんでした。

「超常現象の謎解き」公式サイト
http://www.nazotoki.com/doomsday_prophecies.html

「終末予言」というのは、結局のところ、寂しい人や虚栄心が強い人が、お金や注目を集めるための「心の叫び」と言えるかもしれません。



以上が、宗教とマスターの関わりです。


以下に続きます。


◎まずは実力を


多くの宗教は、困っている人を見つけては「救い・助け」と称しますが、結局は信者を増やすことが一番の目的のようです。
上記A~C教の出来事は、いずれも始めは「あなたのため」だったんです。
しかしフタを開けると、コストがかかることに対しては消極的になってしまいました。
他人を救いたい気持ちがあるのはとてもいいことなんです。
しかし宗教団体や信者たちには、その気持ちを実現するための実力がなかったわけです。


愛とは、「他人の幸せを願う気持ちとその実践」ですから、願うばかりで実力がない人は、愛をそそぐことはできません。
愛をそそぐことができなければ愛は返ってきませんから、信者たちは愛されることはないわけです。
しかしそれでは寂しいため、「教祖から愛されている」と信じることで、その場の苦痛を和らげているわけです。
「私は教祖から愛されている・私が選んだ道は正しい」と信じようとする気持ちが、信者を増やすための「強引な勧誘」に繋がってしまい、それはやがて価値観のぶつかり合いになります。
そして信者は信者だけで集まるだけになり、孤立した集団になっていった結果、大きな事件になるわけです。


宗教団体は、まず「人材教育」に力を入れるといいですね。
優れた信者たちが世の中で活躍すれば、黙っていても外部からの入信者は集まりますし、理屈ではなく実際に見本を見せることが本来の愛です。
いつも書くように、子どもに「ケンカをするな」と言うなら、大人がケンカをしないことがなによりも大切なんです。
みなさんも、「ケンカはダメ!」と理屈だけは正論を言いながら、自分はケンカをしている人を見たら、「こいつおかしい」と思いますよね。
とても単純な話です。


実際、マスターも、上で書いた信者たちが、誠実で、自分の言葉に責任を持てる人たちだったら、今ごろはその宗教を広めるために活動していたかもしれません。
しかし・・・これまでに触れてきた宗教は上記のようなもので、言葉に対して実力が伴っていない信者ばかりでした。
自分に実力がない状態で人助けをしようと焦るのは、川で溺れた人を助けようとして、自分が泳げないのに飛び込み、2人とも溺れてしまうような事態と同じです。


ということで、宗教組織のトップクラスの人たちは、まず自分が愛を発信できる人になり、信者に見本を見せる必要がありそうです。
新興宗教では、愛を語る教祖が「離婚・浮気」などは当たり前です。
また、新興宗教に限らず、社会福祉団体・教育関連のトップクラスの人たちも、子どもへの虐待とも言える「夫婦ゲンカ・離婚・不倫」などをやめられない人がいます。
また、そんな団体の多くは、法律をかすめるようなお金集めをしている場合が少なくありません。
不正まがいなことをしなければ存続できない団体なら、一度解体し、事業計画を練り直すのが知恵です。



◎あなたは宗教に近い?遠い?


みなさんが宗教に近いか遠いか、ちょっとした「大人の思考度・知恵度」のチェックをしましょう。
「不思議なこと・理解できないこと」を霊の仕業と考えてしまう人ほど、宗教にのめりこみやすい人です・・・


「犬が自殺する橋」と聞いてどう感じますか?
紹介するのは、上で紹介した「終末予言」と同じサイトのページです。
このページを読んで本質を理解できたら、さらに「犬が自殺する橋」で検索し、いろいろな人のブログの記事を読んでみてください。
「霊の仕業」と書いている人も多くいるんです。

犬が自殺する橋
http://www.nazotoki.com/overtoun_bridge.html


どうでしょうか、人によって考え方が様々だと理解できるはずです。
「霊」という言葉を使っている人は、「ニセモノの神を排除し、最後まで残ったものが本物の神」と考えることができない人ですから、大人の思考とは言えません。


以前紹介したミステリーサークルも、サークルメーカーズという団体が、「自作です」と宣伝し、作り方を紹介しているにもかかわらず、
いまだにUFOからのメッセージだと信じ、自分のコメントをブログで公開している人もいます。

サークルメーカーズの公式サイト
http://www.circlemakers.org/exhibit_a.html



マスターは以前、心霊写真やオーブについても触れましたが、プロならすぐに原因がわかる写真も、カメラの仕組みを知らない人たちにとっては説明がつかず、苦し紛れに「心霊写真」になってしまうこともあります。
プロカメラマンから見れば、「心霊写真だ!」と騒いでいる人たちは、何も知らない子どものようなものです。


これらの仕組みを知らず、霊のせいにする人ほど、「宗教に近い」と言えます。


理解できないことが出てきた場合、「霊の仕業」と考えず、まず「自分の力不足だ」と考えるのが大人の思考の第一歩です。
「霊の仕業」「教祖がなんとかしてくれる」と思えば楽ですが、長く愛されるには、自分の責任で未来を切り開く必要があります。



余談:身内の話


余談として、ひとつ興味深い話があります。
20世紀末のバブル景気のころ、外国の新興宗教によって、マスターの身内が洗脳されかけた話です。


はじめは宗教とは関係ない感じで、何かの集まりに誘われた身内でしたが、徐々に雰囲気が怪しくなっていき、長時間にわたってビデオを見せられるようになり、「おかしい」と思ったころには軟禁のような状態になってしまいました。
マスターの身内も、そのころはまだ若く、状況を飲み込めないまましばらく時間が経ち、危険な状態になっていきました。
結局、親の介入でなんとか脱出できたんですが、あのまま言いなりだったらどうなっていたか・・・恐ろしいです。


好景気のおかげもあって、当時彼女の家は経済的に恵まれていましたから、うまくすれば、その教団は数千万円の現金を手に入れた可能性もあります。
マスターの身内も、その一件が落ち着いたとき、「まさか自分が・・・」と思ったみたいです。
はじめはとても優しく接してくれる信者でも、途中から強引な方法になる信者には気をつけてください。
気がついたら、自分の人生が全て宗教団体のものになってしまいます。


あなたは「〇〇教の信者」「〇〇教の教祖の愛人」ではありませんよね。あなたは、「あなた」というオリジナルブランドです。


自分を自分として自立させるための努力なら、いくらでもやってください。
しかし、宗教団体のためにお金を集めるような人生は避けましょう。
長く愛されたいと願うなら、まず自分に愛をそそぎ、オリジナルブランドとして自立する必要があります。


今回は以上です。
次回に続きます。

・・・

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