「母なる地球」と環境破壊

(読了目安12分)


以下のような言葉を目にしたことはありませんか?

「今、自然界のバランスが崩壊している!」

「環境汚染・環境破壊から母なる地球を守れ!」


「私たちにできることは環境負荷を減らす生活です」



一部でこんなかけ声や運動が盛んです。
なかなか志の高い運動だと思いますが、もしこんな運動に参加している女性の私生活が崩壊していたり、心の環境が汚染・破壊されていたら・・・そして仕事や人間関係でストレスを抱え込み、心の環境の負荷を増やすような生活をしていたら・・・


また、地球が生命の母だとしたら、「母なる地球」は人類になにを望んでいるんでしょうか。
今回はそんな話をいくつか書きます。



キーワードは「自立・感謝」です。
重複する話もありますが、よかったら最後まで読んでみてください。
ひとつでもみなさんの思考のシフトに役立てば嬉しいです。


◎「母なる地球」が人類に望むこと
◎環境破壊
◎環境保全
◎環境ビジネス
◎母は覚悟しています
◎感謝
◎まとめ

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◎「母なる地球」が人類に望むこと


地球はいろいろな呼ばれ方をしていますよね。
たとえば
「生命の母」
「マザーアース」
「母なる地球」
「生命の源」
などと表現されることもあります。
マスターも「母なる地球」という表現を使って書きたいと思います。


さて、現在「母なる地球」には、80億の子ども(人類)がいます。
母なる地球の年齢は45億歳、人類の年齢は200万歳。
母なる地球と人類には、圧倒的な年齢差、経験の差があります。


人類は、同じ人類同士で争いをやめられず、まだまだ手がかかる未熟な子供たちです。
母なる地球は、そんな子供たちになにを望んでいるのか・・・


以下を想像してみてください。
あなたは3人の子を持つ「母親」の役です。


あなたは3人の男の子を持つ母親です。
3人はまだまだ手がかかる未熟な子たちです。
3人揃えばああでもないこうでもないとケンカ、ちょっと目を離せば危険な遊びをしたがり、ケガや病気をしては病院へ行きます。
病院へ行っても、じゃれ合いからケンカになり、一向に落ち着く様子はありません。
普段も「あいつが悪い、いや、おまえだ」と口論ばかりしていて、母親としてはいつも「なにか起こるんじゃないか」と心配です。


やがて成人した子どもたちは、母親であるあなたが体調を崩すと、それぞれにこう言います。

1(長男):「食事療法で治る」
2(次男):「絶対に宗教で治る」
3(三男):「いや空気清浄機がいい」


そして治療方法を巡ってまた子どもたちでケンカが始まります。
そしてそれぞれの子どもたちが、
「お母さん、オレの言うことを信じて!」
「オレが正しい!」
「あいつは間違っている!」
と、結局意見はまとまりません。


子どもたちには母親の体調を気遣う優しい気持ちはあるんです。
しかし個々に信じたいことを押し通しながら個人プレーの状態です。
お互いに意見が合わないため、母親の体調についてさえも話せば口論です。
たとえ口論をしていなくても、母であるあなたにはもちろん、周囲の人たちにも、顔を合わせた3人の子どもたちから出る「一触即発」の緊張感がビンビン伝わってきます。

・・・

さて、ここで質問です。
上記のような環境で、あなたが子どもたちに望むことはどんなことでしょうか。

・・・

・・・

・・・

・・・


そうです。


3人の子どもたちがみんな仲良くし、幸せになることですよね。


母親であるあなたは、子どもたちに病気を治してもらおうとは思いませんよね。
自分の体調不良の原因を子供たちに突き止めてもらいたいわけじゃなく、まして治してもらいたいわけでもないんです(子どもが医師なら話は別ですが)。
親としては、早く子どもたちに自立してほしいんです。


ということで、「母なる地球」が人類に望むことがあるとすればなにか・・・
この答えは明白で、「人類が仲良く暮らすこと」です。




◎環境破壊


世の中、「環境破壊・環境汚染」という言葉が目立ちます。
たとえば中国では「大気汚染」が進みすぎて、マスクが手離せない環境になっているというニュースもあります。


そかし、そもそも母なる地球を汚す環境破壊の原因はなんでしょうか。
環境を破壊するのは、主に工業の急速な発展や戦争などですが、工業をひずんだ形で発展させたり戦争を起こすのは、主に「自分や自分が所属するグループさえ良ければ他はどうでもいい」という考え方です。
原子力発電関連のトラブル、大事業における談合、食品偽装、テレビのヤラセ問題、医療データの改ざん、どの問題をとっても、最終的には「お金や名誉」を目的にした「私利私欲」が原因になっています。
ひとことで言えば、他人のことを考えない私利私欲が、環境汚染の原因です。


人間の欲によって地球の環境が破壊されていくわけですから、今の地球の環境は、人類の心の環境を映し出したものと言えます。
今の地球の環境を見れば、人類の心の環境もわかるわけです。
環境破壊に歯止めをかけるには、人の心の環境破壊に歯止めをかけなければいけません。




◎環境保全


「私は環境に配慮し合成洗剤を使わない」

と言う女性の話です。


「母なる地球が危ない」「地球を救いたい」・・・女性には母性がありますし、こう考える人が多くても不思議ではないと思いますが、こんなことを言う女性の中には、自分を救えていない女性が意外と多くいます。


理由は、「地球を救わなければ人類が存続できない」「地球を救うことが一番」という名目で、自分の心の環境を整えることを放棄しているからです。


インターネット上でのことなんですが、マスターが見かけたその女性は、環境保全の一環として、「石鹸」を主成分とした洗剤を使っている、ということでした。
「環境に配慮し、合成洗剤を使わない」ということです。
しかし、もしそんな女性が、朝起きてすぐに暖房を使ったり、照明を消し忘れていたり、車で出かけたり、一日中スマホを使っていたり、グルメ好きで太っていたり、ストレスを溜め込んでお酒を飲んだりしていたら、それって説得力が全くありませんよね。
彼女が行動するたびに、合成洗剤を使わないで得られる効果より、はるかに環境負荷がかかるんです。


自分の心の環境が破壊されていると、地球の環境を守れなくなるわけです。
たとえば、環境汚染に加担している組織や企業に対して責める女性が、私生活では家庭環境がメチャメチャで、「環境破壊反対!」と言いながら、自分の家庭環境が崩壊しているんです。
「夫婦ゲンカをやめられない平和活動家」と同じことです。


もしみなさん自身が「母なる地球」なら、負の連鎖から抜けられずに苦しんでいる子どもたちから、「お母さん、オレはお母さんのために石鹸を使う」なんて言われても嬉しくないですよね。

お母さん的には、「あんたそんなこと言ってないで少しは運動でもしなさい。食べ過ぎも良くないわよ。みんなと仲良くしてね。ヘンな宗教とかネットワークビジネスとかやってるんじゃないの?スマホ3台も必要ないでしょ。なんでそんなに大きなテレビが必要なの?なによりあんた、ストレス溜まってて自分のことさえできてないじゃない、私のことはいいから自分のことをやりなさい」


となるわけです。


ということで、「母なる地球」はきっと人類にこう言います・・・


「私のことはいいから、あんたたち、はやく自立して幸せになりなさい!あんたたちが幸せなら、わたしは幸せよ」


繰り返しますが、母なる地球が望むことは、子どもたちの幸せなんです。
人間が自立して幸せになるということは、私利私欲を卒業するということですから、結果的に地球の環境保全にもなるわけです。


また、石鹸を使う女性は、「合成洗剤は環境負荷が高い」と思っているようですが、合成洗剤の方が汚れがよく落ちて使用量も少なく、値段も安いという利点や、合成洗剤そのものが、合成洗剤の登場初期より高性能になっていることを忘れている可能性もあります。


現在、飛行機で移動すると環境破壊になるからと言って、数千キロの距離を歩く人はいませんよね。
また、「歩き」と「車」では、環境負荷の大きさは圧倒的に車なんですが、環境活動家でも車を使っています。
みなさんがお母さんに迷惑や苦労をかけて生きてきたように、人類はみんな、母なる地球に負荷をかけて生きているんです。


「母なる地球を守れ!環境保全のために石鹸を使おう!」という言葉は、自立した一人前の大人の口から出るなら本質です。
しかし、愛したことがない人・愛を知らない人が唱えるなら、それは単に自分を愛せない人が「依存するための対象」として地球を母に見立てているにすぎません。
商売のために生産されたペットを、自分の寂しさを埋めるために買い、動物の知識もなく不衛生な環境で飼ったあげく、「〇〇ちゃんが病気になった!ああ、かわいそうな〇〇ちゃん。私が守ってあげるわ」とやっているのと似たようなものです。
人間がペットを飼わないことがなによりも動物保護なんです。


そして、これも大切なことですが、1万年前の人類から見れば、石鹸も合成洗剤もみんな「得体の知れない環境破壊物質」という意味では一緒です。
車で言えば、現在「軽自動車(石鹸)の方が燃費がいいから愛、ベンツ(合成洗剤)は燃費が悪いから悪!」という議論があるとしても、車に乗らない人や、車のない時代の人から見れば、軽自動車もベンツもどっちも環境破壊なんです。




◎環境ビジネス


環境関連の運動に熱くなりすぎると、環境ビジネスにハマってしまいますから気をつけてください。
たとえば数年前に読んだニュースです。
太陽光発電促進に関する国の優遇制度を利用したビジネスがあり、数百社が競うように参入したのはいいんですが、太陽光パネルの値下がりを待ち続け、一向に事業を開始しない業者が、事業者としての認定の取り消しを受けたんだそうです。

業者としては、「値下がりを待ってから太陽光パネルを買えばその分儲かる」と考えたわけです。
取り消しを受けた業者は400社とも600社とも言われているようですが、そんなにたくさんの業者が「環境のため」などと表面的に言いながら、お金に群がったわけです。
決して地球の環境のためではなく、私利私欲を満たすためだということがよくわかると思います。
そんな環境系業者に対して考えもなく協力してしまったら、環境ビジネスに巻き込まれてしまいます。


不正をして儲ける社長は、家族や社員を愛していません。
高級車に乗り、キャバクラで遊ぶのがオチですから、そんなビジネスに協力してしまったら、いくら個人的に環境負荷が低い生活を心がけても、そのマイナスを補うことはできません。
環境ビジネスは常に「お金」が優先で、環境は後回しです。
みなさんは熱くなりすぎないでください。




◎母は覚悟しています


子どもは、母親に迷惑をかけながら生きていきます。
人類も、母なる地球に迷惑をかけながら生きていきます。


人類が生きている以上、地球の負担にならないなんて不可能なんです。
しかも、なにが地球の負担になっているかなんて、人類の知恵では計り知れません。
母なる地球が本当に母ならば、子どもたちの面倒をみる覚悟はできているはずです。


人類が母なる地球に迷惑をかけたくないなら、今から火を使わない生活に戻ればいいんですが、それってもうムリですよね。
車やパソコンを使う生活ならなんとかやめられても、火を使わない生活なんて、なかなかできるものじゃありません。
現代のみなさんを取り囲むあらゆるものが、「火がないとできない」と言えるものなんです。
ですから、どんなに環境保全活動に力を入れている人だって、結局は環境に負荷をかけているんです。
環境負荷を減らそうと石鹸を使っている人がスマホを使った時点でアウトです。




◎感謝



程度の差こそあれ、今の人類は環境に負荷をかけない生活はできないんですから、せめてできること、それは「感謝」です。
「親に迷惑をかけない生活はできないんですから、せめてできることは感謝」、これと同じことです。


感謝の度合いが大きければ、ストレスは溜まらず、愛を発信できる人になります。
朝起きた時、暖房のスイッチを入れればすぐに部屋が暖まりますよね。
昔は、暗くなったら寝る生活でしたが、現代は、太陽が沈み、照明をつけたとたん、環境に負荷をかけているわけです。
しかし、それに感謝できれば人は傲慢になりません。


繰り返しますが、人間の生活は環境に負荷をかけずには成り立ちません。
ですから、他にできることは「感謝」です。
母なる地球が人類に望むことがあるなら、それは人類が仲良く暮らし、幸せになることです。
母なる地球を本当に思う気持ちがあるなら、人類は地球に感謝し、幸せにならなければいけません。
それが、80億人をはぐくむ母に対する恩返しです。




◎まとめ


今の地球の環境は、人類の心の環境を映し出しているものです。
地球の環境保全を真剣に考えているなら、自分の心の環境を整えることが先です。
乱れた心では、乱れた判断しかできなくなり、状況は悪化します。
ですから、地球の環境保全を本心から願うなら、まずは自分の心の環境を整えましょう。


私利私欲に走る人間が後を絶たないのは、愛を知らないからです。
人類が愛を知るには、愛を知る人が愛を伝え続ける必要があります。
その一番の方法が、大人が愛を知り、純粋な存在である子どもたちに伝え続けることです。
その具体的な方法が、あなたが愛を知り、子どもたちに伝え、愛を未来につなぐことなんです。


人類が私利私欲や争いを卒業できないまま、やがて大量の核兵器を使った大戦争が起こったとしても、母なる地球のダメージは「表面がちょっとかゆい」程度です。
それよりも、苦しむのは人類です。
人類という子どもたちの死・・・これは、母なる地球が「最も悲しむこと」です。


45億歳の地球と200万歳の人類では格が違いすぎます。
母なる地球の環境保全も大切ですが、まずみなさんは自分の心の環境保全をしてください。
母なる地球は、80億人の子どもたちが幸せになることを願っています。


※関連記事として
愛は地球を救う? ―地球はピンチなのか―
も参考にしてください。

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