人間関係・恋愛・仕事の短編集 4

(読了目安9分)

◎気付くということ


学生が社会に出てしばらくすると、自分の無力さに落ち込む人がいます。
人によっては「自信喪失」を味わい、なかなか立ち直れなくなることもあります。


しかしそれは、社会に出たから無力になってしまったわけではなく、自分の実際の力を知ることができただけなんです。
社会がその人の実力を落としたのではなく、その人の実力が浮き彫りになったということです。


この状態は、マスターの料理教室でもよくあったことでした。
生徒さんがなにげなく切ったトマトについて、マスターからあれこれと言われるわけです。
いろいろな視点からマスターが説明すると、当人もうまく切れていないことに気付きます。
自分は「これでいい」と思ったトマトが、マスターが切ったトマトと比べるとボロボロなんですが、マスターの前で切ったからトマトがボロボロになったわけではなく、マスターに指摘されることで、ボロボロだということに気付けたわけです。


しかし、言われる前は自分がそんなふうに切っているということにさえ気付いていません。


そして、気付いた後の行動が、その人の人生を左右します。
社会に出て、「自分はまだまだ無知・無力」だと気付いたとき、成長する気持ちになることができれば、落ち込むことはなくなります。


※興味がある人は、「トマトを世界一美しく切ってみましょう」を参考にしてみてください、若い野菜ソムリエが切ったトマトとの比較写真もあります


◎遅刻


みなさんが会社を経営しているとします。
若い社員たちが、仕事が終わった夜、飲み会に行きました。
翌日、その社員たちが欠勤や遅刻をし、あくびをしながら仕事をしていたら、社長であるあなたはどう思いますか?
社員を信用できなくなるし、社員に対してポケットマネーでサービスする気もなくなりますよね?


ということで、みなさんも気をつけてくださいね。
飲み会に行った翌日、遅刻や欠勤をしたら、自分の立場が悪くなります。
会社で相手にされなくなると、ストレスが溜まり、さらにお酒を飲むことにもつながります。
ストレスが溜まり、精神科に行けばいろいろとありますし、妻子持ちの親切そうなイケメン上司に悩みを相談すれば、これまたいろいろあります。
遅刻は悪循環への入り口です、気をつけましょう。


◎実力


実力がある人は、自分はどれだけのことができるかを知る実力があり、実力相応のことをやりますから、ストレスなく楽しく生きています。
一方、実力がない人は、自分はどれだけのことができるかを知る実力がなく、実力以上のことをやろうとして目標を達成できず、社会を恨みます。


◎社会が悪い


「社会が悪い」と愚痴ばかり言っている人がいます。


「べつに社会は悪くない」と人生を楽しんでいる人がいます。


「社会は悪くない」と言う人は、ただ脳天気で鈍感なだけでしょうか。
脳天気で鈍感なのではなく、人間の不完全さを知り、社会の闇の部分を知っていて、それでも、それらを受け入れた上で人生を楽しんでいるのかもしれません。


みなさんは社会を批判し、お酒を飲み、愚痴ばかり言う人になりたいですか?
それとも、社会や人の濁った部分をわかった上で、清く生きていく人になりたいですか?



◎人の間違いを責めていると


あなたは、自分のことを責める人から離れたいと思いますよね。
ですから、あなたが人のことを責めるほど、あなたから人が離れていき、孤立します。


孤立したいなら、人を責めてください。

孤立したくないなら、人を責めてはいけません。


人の間違いを指摘する時は、憎しみや怒りではなく、「優しさ」で指摘してください。
それが愛する努力です。


そして、人の間違いを指摘する時、自分に質問してみましょう。

「これは愛なの?」

「大人の愛は先払いよね」

こんなことを自分に質問できれば、「優しさ」で指摘できるようになります。


あなたが愛を発信できるようになると、あなたの周りには「愛」を理解できる人が集まってきます。
愛を理解できる人と一緒にいられる安心感や楽しさを知れば、愛をそそぐことがさらに楽しくなります。
あなたが憎しみや怒りで責められたくないのと同じように、他人もあなたから憎しみや怒りで責められたくないんです。
憎しみや怒りで人を責めていると、人間関係が悪循環に入ってしまいます。


◎受身


仕事や恋愛、結婚生活での悩みは誰でも持っています。
たとえば仕事をしている「ほとんど」の人は、人間関係や営業成績など、なんらかの悩みを持っています。


さて、みなさんはその「ほとんど」の中に入りたいんでしたっけ?
それから、恋愛や結婚も、長くなるほど多くの問題を抱えるのが当たり前になり、うまくいかなくなるカップルが「ほとんど」ですが、みなさんはその「ほとんど」の中に入りたいんでしたっけ?


「仕事に幸せにしてもらおう」と考えていると、悩みは消えません。
恋愛も結婚も、相手に幸せにしてもらおうと考えていると、悩みは消えません。


「受身」では幸せになれないんです。


仕事内容や相手の行動に依存した人生を送るよりも、仕事や相手がどうであれ、自分の幸せは自分でつかむという人生を送ってください。


◎さらっとスルー


マスターには一男一女の子どもがいます。
幼稚園児だったころは、気に入らないことがあるとその場でギャアギャアわめいてきた子どもたちですが、少し成長すると、話し合いに応じるようになってきました。


みなさんは大人ですよね。
「大人になる」ということは、「子どもじゃなくなる」ということでもあります。
気に入らないことがあるたびにその場でギャアギャアわめいたり、ふてくされて黙り込んだりしていたら、まだ子どもです。


目先の苦痛にとらわれてしまい、大きなものを見失うことがないようにしてください。
気に入らないことがあっても心を乱さずさらっとスルーしましょう。
それが大人です。
マスターもひたすら修行中です。



◎開店・閉店


雑誌で見た気になる店のスイーツを食べるため、店のオープン時間の少し前から並んで待っていた女性、N子さんがいました。


なにかの都合なのか、定刻になっても店はオープンしません・・・


定刻から5分を過ぎたとき、ようやくオープンしました。
イライラしていたN子さんは言います。


「ねえ、開店時間からもう5分も過ぎてるわよ!時間ぴったりに開店しないなんてのんびりしすぎよ、頭おかしいんじゃないの!」


次はその後日、ある夜です。
N子さんは仕事が少し長引き、ギリギリのタイミングでしたが、以前から雑誌でチェックしていたイタリアンの店に急ぎました。
店の閉店時間を5分過ぎて到着したところ、ちょうどそこには、店の照明を消そうとしているオーナーがいました。
「すみません、もう閉店です」と言うオーナーに対してN子さんは言いました。


「ちょっと待ってよ、たった5分遅れただけじゃないの!時間通りに閉めるなんて細かすぎるわよ、頭おかしいんじゃないの!」


「時間ぴったりに開店しろ」と言ってみたり、「時間ぴったりに閉店するな」と言ってみたり、おもしろいですよね。


N子さんの考え方では、人生はうまくいきません。
みなさんは気をつけてください。



◎寂しさと悪循環


「寂しさ」は人の思考を狂わせます。
その人の「寂しさ」は、他人への無理解や意地悪、批判につながり、それらはその人をさらに孤立させ、孤立したその人はさらに寂しくなり、その寂しさはさらに他人への無理解や意地悪、批判を加速させます。


寂しさ→批判→孤立→

寂しさ→批判→孤立→

寂しさ→批判→孤立→


これが「悪循環」です。


寂しさがベースになった悪循環内での人間関係は、お酒やセックスを通して、ある意味「維持」することは可能です。
現象としては「孤立していない」と言えますが、心は孤立していますから、やはり悪循環を断ち切ることは不可能です。


悪循環を断ち切る方法は簡単です。
「寂しさ→批判→孤立」という悪循環の中から「批判」をやめればいいんです。
たとえば、お酒やセックスに依存している人は、原因が外側にあると信じていますから、感情的になって他人を批判します。
その「批判」をやめるようにすれば、悪循環は断ち切れるんです。


批判をやめるには、本質を知ることが大切です。
批判は、批判をする人の無知や主観が原因になっていることがほとんどだからです。


以前も書いたように、「イケメンのセックスは淡白だ」と批判する女性は、自分にイケメンを本気にさせる魅力がないだけなんです。
また、「最近のドライバーはマナーが悪いですよね。昔お父さんの運転で乗っていたときは、道を譲ればみんなハザードランプを出してお礼をしてくれたのに」と、車社会のマナーの悪さを指摘する女性は、自分の譲り方がスマートではないことが原因で、後続車をイライラさせてしまう女性でした。


彼女たちは、周りを批判するほど「私は無知です」と宣伝してしまい、孤立するか、もしくはその「無知さ」に比例した男性を周囲に集めてしまうわけです。
そして「世の中には知恵のある男がいない!男はみんなバカ!」と、男性を批判してしまい、悪循環から抜け出せないわけです。


感情的になって人を批判するのをやめることで、悪循環から抜け出せます。
あとは自分を鍛えることに専念し、愛をそそぐ実力を身に付ければ、愛は返ってきます。
そうなればもう寂しくなんかありません。



◎原因と結果


上にも紹介した「トマトを世界一美しく切ってみましょう」の投稿を読んだ人は、くし型切りにされたトマトを見て、過去、そのトマトになにが起こったか、だいたいのことがわかるようになったはずです。


トマトを見れば、トマトの過去がわかるようになったわけです。


美しく切られたトマトを見れば感動するでしょうし、ボロボロのトマトを見れば、過去になにがあったかだけでなく、今後美しくなるために必要な改善点までわかるようになったと思います。


経験を積むと、美しいものに対しては「感動」でき、美しくないものなら「改善点がわかる」など、いろいろなことが見えてきます。


トマトを美しく切るなら、完成の何段階も前からやらなければならない行動があります。
同様に、美しく生きたいと思うなら、何段階も前からやらなければならない行動があります。


今のあなたの姿は、過去の行動の積み重ねの結果です。
そして未来のあなたの姿も、これからの行動の結果、決まります。
つまり、望む未来の形があるなら、そうなるように生きる必要があるということです。
望むだけではそうなれません、行動する必要がある、ということなんです。


その結果には、そうなる理由があります。
原因があって結果があります。
未来のあなたは、今のあなたの行動によって作られるわけです。

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