親から愛されたか ―親の飲酒―

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以前「親から愛されたか」の投稿では、その判断をするヒントとして、「親を思い出したときに優しい気持ちになれるかどうか」という方法があると書きました。

今回は、親から愛されたか判断するヒントとして、「親が飲酒しているかどうか」という判断方法について書きます。


親から愛されたか知ることが大切な理由は、「親の助言を聞くべきかどうか」の判断になるからです。
みなさんは、「愛されたい・幸せになりたい」と思っていますよね。
そうであれば、「愛を知っている人・幸せな人」から助言をもらう必要があります。
親は自分のコピーを作ろうとしますから、もし愛を知らない親の助言を聞いていたらどうなるか、考えるまでもありません。


ですから、自分が愛されたかどうか理解することが大切です。
「愛された」と判断できるなら、親の助言を素直に聞けばあなたも愛をそそぐことができ、その結果愛される人になりますし、「愛されなかった」と判断するなら、親の言いなりではいけないということがわかり、やはり一歩前進します。


では本題です。
以下の質問に答えてみてください。

酔っているとき、急なケガや発熱のある子供を守れますか?

酔っているとき、子供からの相談があったら、最大の判断力を発揮できますか?


できませんよね。


たとえば、子供が急なケガや発熱をしたとき、親が酔っていたら病院まで車の運転ができませんし、タクシーを呼んでも病院でうまく会話ができません。
救急車を呼んでも、やはり救急隊員とうまく会話ができません。
なにより、駆け付けた人たちから「この親なにやってんの?」と思われ、子供がかわいそうです。


大きな「地震」のときも、避難や対策が遅れてしまいます。


あなたがまだ歩くこともできない赤ちゃんだったら、お酒を飲む親に育てられて安心でしょうか。


親がお酒を飲むことが愛か、答えは出ています。


一方、子供の多くは、「自分は愛された」と信じたいあまり、潜在意識の中では飲酒を正当化しようとします。
親の飲酒を否定すると自分が愛されなかったことになりますから、愛されたと信じるために、自分もお酒を飲んでしまうわけです。


「親の飲酒が子供を不幸にする」というのは、自分を客観視することでわかります。
以下、ゆっくり順を追って考えてみてください。


幸せの定義のひとつは「大切な人がいること」です。

お酒を飲むと判断力が鈍りますから、「大切な人」がいる人は、お酒は絶対に飲みません。

お酒を飲む親は、大切な人がいないわけですから、まず本人が幸せではないことになります。

飲酒する親は幸せではないわけですから、子供に対して「幸せ」を見せることができません。

その結果、子供もなにが幸せかわからず、将来、幸せを探してさまようことになります。

ですから、あなたの親が飲酒をし、あなたも飲酒をしているなら、あなたは幸せを求めて悩み続けているはずです。

今あなたが悩んでいるなら、それが「親の飲酒が子供を不幸にする」ということの状況証拠です。


もしあなたが親の飲酒を見て飲酒をしなくなったら、あなたは親を卒業したこと、つまり親離れしたことになります。
以前「お酒の基本の話」で書いたように、お酒が誰にでも飲めるものになって数百年経ち、人間にとってお酒がどのようなものか、すでに答えは出ています。
飲酒をする親から精神的に自立することは、幸せになるためにとても重要です。


ということで、親が飲酒をしているなら、あなたは親から愛されていなかったことになります。
「子供を愛さない親はいない」という言葉を聞くことがありますが、それは大人側の様々な都合から生まれた言葉であって、本質ではありません。
人間は誰もが不完全ですから、子供を愛せない親もいます。



もし現在、「自分は親から愛された」と信じたいあまり飲酒をしているなら、すぐに飲酒をやめてください。
人は、たとえ親から愛されなくても、愛を学び、実践することはできます。


親は子供を産んだ瞬間から「子供の踏み台になる」という役割を担っています。
親を反面教師として子供がお酒を卒業できたら、親は親としての役割を果たしたことになりますし、子供は一歩愛に近づくことができます。
飲酒をやめることが親を超えること、つまり親孝行であり、愛でもあります。



最後に確認ですが、マスターは「お酒を飲む親の言葉に反抗しなさい」と言っているわけではありません。
お伝えしたいのは、「口論せず、親を理解し、親の言葉を包み込めるだけの誇りを身に付けてください」「あなたのためにはもちろん、親のためにも、親を超えてください」、ということです。


以上です。
「親から愛されたか」と考えるときのヒントとして参考になれば嬉しいです。

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