親から愛されたか

(読了目安5分)

「私は親から愛されたんだろうか」・・・この答えを見つけるヒントです。


親から愛された人は、愛とはなにか知っていますから、愛することができる大人になり、結果的に愛される人になります。


親から愛されなかった人は、愛とはなにか知りませんから、愛し方がわからない大人になり、結果的に愛されません。


「私は親から愛されたか」と悩んでいる人って意外と多いんです。
しかもずっとその悩みから抜け出せず、前向きになれない人もいます。


ではここで、あなたが親から愛されてきたかどうか、すぐにわかる質問をします。


質問:
「あなたは親を思うとき、優しい気持ちになれますか?」

どうでしょうか。
「親を思う」というのは、実家の親を思い出したときや、亡くなった親を思い出したときのことです。
親を思ったとき、あなたは優しい気持ちになれるでしょうか。


父親を思い出したとき、そして母親を思い出したとき、それぞれ優しい気持ちになれるなら、あなたは両親から愛されて生きてきました。
たとえ死別した親であっても、親を思い出したときにあなたが優しい気持ちになれるなら、あなたは愛に包まれています。
そんなあなたも人を愛せる人ですから、それはすなわち「人から愛される人」です。


では、親を思うとき、優しい気持ちになれないとしたら・・・

たとえば、

「お父さんを思い出すと嫌悪感を覚え、お母さんを思い出すと同情してしまう」

「両親のことを思うと、素直に優しい気持ちにはなれない」

「あんな夫婦にはなりたくない」

こう感じてしまう人は、トータルで親から愛されていません。


子供のころに愛された経験がない人ほど、なにが愛なのかわからず、愛をそそぐことができなくなります。
親を思い出したときに優しい気持ちになれない人は、自分の方法で愛を表現しても、本当の愛は相手に伝わりません。
「自分の方法」で伝えたその愛を「本当の愛」だと感じる人に伝わるわけです。


その結果、「愛を知らない」という意味で同じ価値観の人と付き合うことになります。
愛を知らない人は、愛を知らない人同士で惹かれ合うわけです。
しかし当人同士は愛を知らないわけですから、良好な関係は長く続きません。


そのひとつの例が、先祖代々暴力や離婚を終わらせることができない「負の連鎖」です。


では、負の連鎖を断ち切るにはどうすればいいんでしょうか・・・


それは・・・


自分を変えることです。
自分の力で。


過去の自分と決別し、新しい自分をスタートさせることができれば、負の連鎖は断ち切れます。
しかし現実は、「過去の自分と決別した」と言いながら、行動が伴っていない人も多くいます。
言ってみれば、「口が先行し、行動が伴わないという負の連鎖」を断ち切れていないわけです。


「イイ男(女)がいない」

「人を好きになれない」

「結婚に興味がない」

「一人の方が気が楽」


子供の頃に愛されなかった人ほど、この言葉を使う傾向があります。
そしてこう言う人の多くは、皮肉なことに、親と同じような道を歩みます。


そうならないために、客観的に自分を観察してみてください。
愛に近づくために、まだまだできることはあるはずです。


また、「親を思い出しても優しい気持ちになれない、でも私は親から愛された」、こんなふうに無理やり愛を信じてしまうと、本当の愛を発信できず、悪循環から抜け出せなくなります。


人は誰でも「自分は愛された」と信じたいですから、「自分は愛された」と信じるためには、親と違った方法で愛してはダメなわけです。
「自分は愛された」と信じたいからこそ、親と同じ方法で他人を愛そうとしてしまうんです。


しかしそれは「妄信」であり、妄信では本当の愛に近づけません。
「親は間違っていた、あれは愛じゃない」と思うことができて、人は本当の愛に近づけます。


考えることをやめ、妄信することで楽をしようとすると、やがてツケが回ってきます。
今、親を思い出して優しい気持ちになれないなら、それが「本当の答え」です。


「お父さんもお母さんもがんばったのよ・お母さんの気持ちも考えてよ」などという言葉を信じて「私は愛された」と妄信する必要はありません。
言い方は冷たいかもしれませんが、親の言葉は無視してかまいません。
あなたが親を思ったときの「素直な感情」が、あなたが親から愛されたかどうかの答えだからです。


◎親から愛されなくても


たとえ親から教えてもらえなかったとしても、愛は大人になってから学ぶことができます。
そうじゃないと、出産直後に母親が亡くなったとか、災害や紛争などで孤児や生き別れになってしまった子供たちは、愛にたどりつけないことになってしまいますよね。


人はみんな愛にたどりつけますから、心配しないでください。


特に大人になってからは、自分の責任で愛にたどりつくことができます。
子供の頃は、「その環境」が全てですが、大人になれば自分の家族以外にもたくさんの家族があることを知ります。
外の世界で、自分の家族の常識にとらわれることのない判断ができるんです。
ですから、あなたが学ぼうとするなら、大人になってからだって充分に愛を学べます。


愛を知らないことを親のせいにしていたら、あなたに人間的な成長はありません。
人間は完璧な生き物ではありませんから、親が「愛をそそげない人」だっていいんです。
たとえ親から愛されなかったとしても、嘆くこともなければ恨むこともありません。
今までのことは、もう過去のことです。
「私の世代から悪循環を断ち切り、愛をそそぐ」と覚悟して、愛に向かって歩き始めてください。
愛をそそぐあなたは今よりも明るく元気になり、楽しい日々を送ることができます。


愛にたどりつくためのポイントは、人間の不完全さを信じ、人の言葉をよく聞き、謙虚になること、そして「これは愛なの?」と常に自分に問いかけることです。



「親から愛されたか・・・」この答えがどうであれ、あなたは愛をそそぐことができます。


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