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牡羊座と大道芸人

太陽星座が牡羊座に入りましたね。

牡羊座のシンボルの牡羊を表す絵をざっと画像検索などしますと、

 (A) 右方向=前=未来に進みながらも、頭は左方向=後ろ=過去を見ている絵柄

 (B) 右方向もしくは右上方向にまっすぐ頭を向けて飛び出していくような絵柄

の概ね2種類が大半を占めるのがわかると思います。

このうち(A)の方の頭だけ後ろを向いている絵柄のほうが歴史的に古い、とシュタイナーは講義で話していたそうです。
『星と人間』という本でその講義の日本語訳を読むことができます。

前に飛び出しながらも後ろを向いているということは、単に向こう見ずに勢いだけで古い世界から飛び出して来たのではなく、何か必要があって出てきた、という感じが僕はします。
牡羊なりの必要、もしくは、理屈があって古い世界抜け出して新しい世界に飛び出したのですね。

だから新しい世界の側から古い世界を俯瞰的に観る余裕のようなものが彼には備わっている、と読めます。

もう一つ言えるのは、既に飛び出している、ということです。
飛び出していないと、振り返ることはできません。

古い世界の中にあって「飛び出したい」という欲求・エネルギーをマックス値で持っているのはむしろ魚座のほうなのです。
牡羊座は既にそのエネルギーは解放している。飛び出すために。

牡羊座はある意味で身軽になっていて、「さーて、次は何をしようかなぁ」というポテンシャルエネルギーのほうが高まっている状態かと思います。

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僕の中では牡羊座とタロットの「| 大道芸人」がリンクします。

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大道芸人も左側=過去に顔を向けながら、手元ではあれこれアイデアを試すような仕草をしています。

彼にとっての過去とは「愚者」ですね。
愚者は方向づけされていない、ある意味でピュアで、ある意味でカオスなエネルギーがマックスの状態です。

そこから一歩飛び出した大道芸人は、愚者時代を振り返る余裕を持ちつつ、次にどんなことを始めようかと試行錯誤を始めているイメージです。

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占星術やタロットから読み出せることと言うのは、それを現実のアナロジーと捉えて、自由にイメージ力を使ってこそ価値があります。
星やアルカナが作り出すアナロジーの世界で好きなように考えてみる。
所詮イメージの世界ですから、どんなに馬鹿なことでも、どんなに危険なことでも考えることが出来ます。

そうやって十分に想像力を刺激してあげた上で、その想像の世界を「後ろに見ながら」現実の世界を見てみる。

この場合だったら、
 ・私が後にしてきた過去の世界とはどんな世界だろうか
 ・その世界は今の位置からどんなふうに見えるだろうか
 ・私はこれから何をしようとしているのだろうか
 ・そのためにどんなものが道具として使えるだろうか
こんなことを考えてみるきっかけとして牡羊座や大道芸人のメタファーを使ってみるのです。

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一回アナロジーの世界へ寄り道することで、なんとなく肩の力が抜けて俯瞰的に今の状況が見えてくることがあります。

僕個人は、占星術やタロットというのは考えるための道具という位置づけで捉えています。
あんまり「当たる、当たらない」という観点で占いをする習慣がありません。

今日は牡羊座や大道芸人のことを象徴的に捉えてどう解釈できるかを書きましたが、ここに書いたようなそれぞれの特徴や性質を「個人的な現実」に当てはめて考えてみることで初めてそれらが道具として役に立ちます。

アナロジーの世界で想像力を膨らませてから現実に戻ってくる、というのは、一つのメソッド、道具の使い方になります。

SN

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