能登半島地震の発災から1カ月が経過しました。テレビや新聞などメディアが伝える被災地の現状に接していると、被災した人たちの置かれている状況は極めて厳しく、多くの難しい課題をはらんでいることがうかがえます。
その震災関連報道の中でも、被災された人たちの「心のケア」の重要性・緊急性について伝える記事やレポートが最近、増えてきているのではないかと感じています。
そこで「阪神淡路大震災」の発災1カ月頃の状況はどうだったのか。改めて「心の傷を癒すということ」を読んでみると、次のような記述がありました。
このJさんのお話がベースとなっているのが映画の次のシーンです。
「Jさん」にあたる方は、谷村美月さんが演じていらっしゃいます。被災時から続いている苦しみ、恐怖、不安、怒り、いらだち・・・心の中にあるものを、最初は警戒していた精神科医の和隆に徐々に打ち明けてゆくようになります。そしてそのJさんの告白に、このシーンでは和隆はただ頷いています。
このことについて、著作では次のように述べています。
この記述は、医療従事者や心理職など「心のケア」の専門家ではない多くの人たち(私も含めて)にも、「被災者の心のケア」さらには「心の傷に苦しむ人たちにどう寄り添うか」ということについて考える際の、「立脚点」のようなものを示しているように感じました。特に「傾聴」の大切さを説く部分は、奥深く心に響きました。
「Jさんの回復」について、著作と映画の紹介を交えて、次の投稿で少し考えてみたいと思います。