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最強の男について語らせてください

私は元来オタク気質である。

しかし、生まれてからずっとこんなふうに「熱中すればとことん好きを突き詰める」「推しのために人間活動を頑張りたい」タイプだったわけではなく、ある時一人の男に感覚を狂わされたからだと思っている。

始まりは、小学6年生の時。

MAX CHANGMIN
チェガン・チャンミン

一生寄り添うであろう芸名に堂々と「最強」を背負わされ15歳でデビューした男を、私は彼以外に知らない。

その最強様は、思春期真っ只中の女子の心を一瞬で鷲掴みにし、沼に引きずりおろした。(後悔はしていないのでおろしていただいたと書きたい。)

先日、正月明けの生ぬるい私の根性を叩きのめすかのように一本の動画が上がった。

それまで主流だったミュージックビデオ、プロモーションビデオでもない
「ステージビデオ」である。

それまで彼のことを、通信媒体を通じて「音楽」を届け、そして実際に観客の前で「ステージ」を届ける活動をしてくださっている人間と思っていた私はとんだ勘違いをしていたことに気がつく。

「音楽」発表のタイミングであえて「ステージビデオ」としてあげることで、歌、ダンス、演出、本人、全ての情報が楽しめる仕組みになっているのである。

これはアーティストとしてはものすごい勇気のいる決断なのではないかと思う。歌が得意なら歌を、ダンスならダンスの映える映像を、ビジュアルなら音楽をバックに自分の映像を。曲のプロモーションとしてなら、個性や良いところを前面に押し出せば良い。

しかしこの男は「すべてを一気に」ぶつけてきたのである。

出だしの演出から最強、歌が良い、ダンスが力強い、スタイルが良い、これだけ歌って踊っているのに、一生お顔がお整いになられている。この人数のバックダンサーと並んでもなお、186センチの身長を生かした唯一無二の圧倒的主人公感。この衝撃は、デビュー18年の貫禄か。いや、これだけ長い期間、誠実に忠実にファンを魅了し、そして確かに成長し続けてきた彼そのものの更なる進化でしかない。

驚くべきは曲の最後、マイクをつけているのでおそらく実際は歌っているのだろうが(音源は別だとしても)、あれだけ歌い踊りまくったラストで、全く息切れしていないのである。ドン引き。

実は小学生の頃から変わらずに一人の男が世界で一番かっこいいと思っているだなんて拗らせすぎた想いをここ数年誰にも漏らしたことがなかった私は、この衝撃のはけ口に困って、ついにはTwitterの捨て垢に「最強が最強で意味がわからない」と呟いた。

勿論、誰も見ていないアカウントである。意味がわからない。

そしてつい二日前に、今度はこのPVが配信された。

デビューしてからこれまでそれなりの数の映像を見てきたと思っているが、少なくとも音楽のMVやPVでこんなにもお茶目な演出で魅せまくる彼を私は初めて見たかもしれない。

もう、怖い。これ以上進化した姿を見せられるのが怖い。あまりの驚きに長風呂をしすぎてしっかりのぼせ、脱衣所でしばらくダウンしたほどだ。

この男はまだ上に行くのか。これはもはや完全なる畏怖である。

そんな世界で一番かっこいい男の最強チャンミン様だが、2年前に結婚をしている。それまで15年以上、ファンのことを第一に考え、スキャンダルの一つもなかった彼が。

高校生でデビューをし、30代になり、多くのファンのおかげで今の自分があるということを知りながら、責任と喜び、そしてたくさんの感謝と共にその事実を伝える長文を読んで、私は、何故だか嬉しい気持ちになった。

実を言うと、沼にどっぷりと浸かっていた思春期真っ只中の中学生時代、私は本気でチャンミンと結婚できる道を考えていたし、それまで男の子になりたいと思っていた私の人生を変えた人物として、本気で拗らせていた。

この結婚発表には、それまで私を長女として信頼し、どんなことがあっても必要以上に世話を焼くようなことはしてこない母親から

「チャンミン結婚したってニュースで見たけど大丈夫?!」

と光の速さで心配のラインが来たほどである。

母よ、あれから10年が経った。流石に結婚願望はないので大丈夫です。本当に拗らせてた私をなだめるのに必死だったろう、あの頃は。ありがとう。

とにかく私は、彼の誠実すぎる文章を読んで改めて、本当に素敵な人を応援していたのだな自分は。と感じたのである。

今回の驚きはそんな結婚後に、アーティストとしてさらに磨かれて帰ってきたことへの衝撃だった。

最強様、あなたはもうじき人を辞めるおつもりですか。


最強様の最強っぷりがわかるお気に入りの動画です。



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