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悪徳高還元SES企業の手口をぶっちゃけます

ぶっちゃけ系エージェントの高橋です。

今回はSES業界の闇の一つである「高還元SES企業」の内情についてぶっちゃけます。

SES企業への入社や転職をご検討されている方は絶対に読んだ方がいい内容となっております。

面接時に確認をした方が良い事項などもお伝え致しますので、必ず転職時に役立つ情報になっているはずです!


1.高還元SESとは


高還元SESとは還元率が高いSES企業のことをさします。

一般的なSES会社の還元率は案件単価の50~60%が
相場と言われていますので70%以上をうたうSES会社が高還元型SES企業と言えます。

給与の手取りが70%以上が高還元SESの特徴となります

実はこの高還元SES、「既存のSESとは異なる革新的なビジネスモデルの変化」ではないです。

一言でいうと
「顧客から支払われる金額のうち、社員の給料として支払われる金額の割合が高い、いままでと変わらないSES」
となります。

現在一躍トレンドとなっている高還元SESというビジネスモデルですが、
後続企業が増え、エンジニア採用のための過剰なPR合戦が始まり、
還元率勝負が激化してしまっている現状となります。

その結果、正しい還元率の高さではなく、“見せかけの還元率の高さ” で、
エンジニアを採用しようとする企業も多く存在しており、数字の見せ方を工夫しているのみで、実際の給与制度と求人が乖離している例が多々発生してしまっております。


還元率を高く見せるPR合戦=高還元SES戦国時代になってます!


2.悪徳高還元SES企業の手口公開


では、"見せかけの還元率"で採用を進めている、
いわゆる悪徳高還SES企業はどのような手法で
採用を進めているのでしょうか?

まずは還元率についておさらいしましょう。

SESの還元率とは、エンジニア1人あたりの単価のうちいくらの比率で自分の給与や賞与として還元されるかを表す指標です。

例えば、案件単価が100万円だとして
「還元率70%」とうたっている企業であるA社の場合を想定します。

70万円 = 100万円 × 0.7 (還元率70%)

この70万円が還元金額になります。

ただしここで注意しておきたいのは、
還元率の計算方式には明確なルールがなく、

SES企業によって単価に対する還元率の計算方法が異なるという点です。

つまり多くのSES企業では、
単純に「単価×還元率」が給与になるわけではない!ということです。

正しい給与計算方法は様々な要素が関係します!

下記に代表的な事例を3点記載します。

①「経費」を還元金額に含めている例


エンジニアを1人雇う為には保険や維持費など「経費」が発生するので、
これら経費30万円を還元金額にいれてる場合は、
給与が以下のようになります。

100万円×0,7-30万円=40万円
※30万円を経費として計上している例

実質の年収は低くなる計算方法となりますので、注意が必要です。

②案件待機中の給与分が次回の賞与から差し引かれる例

案件が決まらず待機になったパターンがどうなるのか?
という点も大事になります。

もちろん一般的にはエンジニアの給与は会社が負担(保証)しますが、
一部の高還元SES会社は
「案件待機中の給与分を次回の賞与から差し引く」

という企業もございます。

この点はしっかり入社前に待機になった場合の給与計算はどうなるのか?
という点を確認しておきましょう。

③高すぎる「想定年収」で提示を行うパターン


このパターンが昨今では最も増えているパターンかと思っております。

高還元SESは給与形態が評価テーブルではなく、
顧客単価の%で決定する仕組みとなっております。

その為、実際に内定を提示する際には確定している年収条件ではなく、
・エンジニアの経験とスキル
・自社の営業力
・現在の市場感
など複数の要素を掛け算して顧客単価を想定し、
顧客単価に還元率を掛けて算出した年収を「想定年収」として提示します。

残念なことにこの想定年収を盛りまくる会社

こちらが最近のトレンドになっております・・・

その会社さんの規模感
(取引先、商流、営業人数、要員の配信単価など)を調査する限り、
その顧客単価感で決まるわけがないと感じることが多いです。

その為、入社後に提示年収を大幅に下回る可能性が非常に高いです。

他社企業との競合になった際はどうしても「想定年収」を盛って高く提示した企業が有利になり、誠実に顧客単価を計算して「想定年収」を現実的な額で提示する企業が不利になるという状況になってしまっております。

断言致しますが、

盛った想定年収にはなんの信憑性もなく、意味はありません。

市場やスキルから相関性がない顧客単価で計算した想定年収となるため、実際に入社後に提示よりも給与が大幅にダウンとなり、再度転職先を探すことになったという事例が跡を絶ちません。

では、どうやって上記特徴に当てはまらない優良SES企業を見つければ良いのでしょうか?

いくつか見極めるコツがございますので、
次の項目で説明できればと思います!

3.どうやって優良SES企業を見極めるのか?


①適格機関投資家の資本が入っている企業か調べる

悪徳SES企業のよくある特徴として
役員報酬が高すぎる企業という点がございます。

社長だけが年収3000~5000万円を役員報酬として貰っている。
というような企業のことです。

その場合は、事業に投資を回す額が必然的に少なくなって
しまうのでオススメできません!

優良SES企業の多くは、適格機関投資家の資本が入っている場合が多いです。

適格機関投資家とは国から認められたプロの投資家の事でベンチャーキャピタル、上場企業の会社経営者をさします。

そういった方々が投資している企業はガバナンス体制がしっかりしているので、役員報酬をいたずらに高くすることができません。

外部の投資を入れている分、必然的にSES事業への投資を行っていくので、会社としても伸びていく期待が持てます。

②SES以外のビジネスを行っているのか調べる


SES企業にはよくSES以外のビジネスを複数展開している企業がございます。
転職の際は、該当企業のSES以外のビジネスについて調べてみましょう。

よくあるSES企業のパターンとしては、
あくまでSES事業は他の事業に投資を行う為の金のなる木であり、投資先の別事業を収益の柱にしていくことを目指しているSES企業は多いです。

SES企業は「稼働プロパー=安定した利益」になるので投資に回しやすい!

それ自体はもちろん悪いことではないのですが、
SES事業を本気で伸ばすという意識ではなく、
他のビジネスを伸ばすことを最優先にしている企業は多いです。

優先事項が他ビジネスなので、
SES営業に本来必要であるお金と時間と人の投資が後回しになりがちです。

特に顧客開拓は営業人数も工数もかかりますので、
生半可な気持ちじゃ良質な商流の浅い案件は集まりません。

そうなると深い商流の案件での参画となり、
還元率が高くとも顧客単価が低いので年収が低くなってしまう可能性が高いです。

SES以外のビジネスを行っている企業には
面接時に下記質問を投げてみるのが良いかと思います。

「御社のSES以外の〜ビジネスにも興味があるのですが、そちらは全社の利益の何%を占めておりますか?」

「貴社のSES以外の事業の今後の展望を教えて下さい」

この質問をして全体の利益率10%以下もしくは、
SES以外のビジネスをメインで伸ばしていきたい!

というような回答があった場合は要注意です。

どうせならSES事業も本気で伸ばしていきたいという企業で働きたくないですか?

③営業力がある企業か見極める


商流が深い案件=顧客単価が低い

ということになりますので、
いくら還元率が高くても年収は高くなりません。

営業力があり、浅い商流の顧客単価が高い案件を獲得できているのか?
という部分も重要となってきます。

チェックポイントとしては下記項目がございます。

▢組織に営業人数が何人いるのか?そもそも営業が在籍している企業なのか?

営業が在籍していない分、コストが掛からないので
その分もエンジニアの還元率を高くできている!!

というお話しをされる高還元SES企業がございます。

しかし、高単価案件を獲得するには営業の存在が必要不可欠です。

個人的にはしっかり営業にも力を入れていて、
常に案件開拓を行っている企業様の方がオススメです。

▢代表や主要メンバーが業界にコネクションのある人なのか?

この業界ぶっちゃけ参入障壁は非常に低いです

その為、なんかSESってリスク低く始められるし
高還元ってアピールすればエンジニアも採用できるんじゃね?

という軽薄な考えで高還元SES企業をはじめる
いわゆる「素人SES社長」が多いです。

商流の浅い案件を開拓していくというのは
経験と知識と馬力がかなり必要になってきます。

その為、「素人SES社長」の企業は商流の深い案件がほとんどという状態になることが非常に多いです。

逆にいうと、
設立年数が浅い企業でも、
代表や営業部長がもともとSES業界に長く在籍しているメンバーであれば
個人のコネクションで商流の浅い案件を確保している可能性が高いです。

代表などの過去の経歴を事前に調べてみるのは
営業力を測る観点として大事になります!

▢その場で案件を見せてくれるのか?

これが1番確実な確認方法になります。

「私と同じスキル感の人であれば、具体的にどのような案件があるのか見せてもらう事は可能でしょうか?」

と確認するのがオススメです。

本当に案件がある会社は実際にその場で見せてくれますが、
案件に自信のない企業はその場で誤魔化します。

上記チェック項目が2個以上当てはまっていれば、
ある程度営業力に関しては信頼できるという認識で問題ないかと思います。

営業力がある会社かどうかはしっかり調査して望みましょう!

④最低保証をつけて内定通知をしてくれるのか確認する

内定をもらったからといって安心してはいけません!

しっかりと内定通知書の内容を確認してください!

内定通知書の中身には「想定年収」の記載だけになっておりませんでしょうか?

その場合は・・・要注意です!!

「最低保障年収」の項目がしっかりと記載されているのか
確認をしましょう

ちゃんとした会社は最低保障の項目が記載されているはずです。

大事なことなので、もう一度お伝え致しますが、
「想定年収」はあくまで想定なので確定の年収ではございません!

しっかりと最低保障年収を内定通知書に記載している企業が真摯な企業です。

最低保障年収が最も大事なポイントとなります!

4.まとめ

  • 還元率が高い=優良SES企業とは限らない

  • 「想定年収」の内定提示は信用してはいけない

  • 最低保証をつけて内定通知をしてもらうことが重要になる

  • 営業力がある会社なのか見極めが大事になる


還元率が高い=優良SES企業とは限らないということはお分かりになりましたでしょうか?

ちなみに弊社では上記特徴にも当てはまる
優良SES企業のみ紹介をしております!

もしSES企業へのご転職などご検討されている方は
ご支援可能ですので、下記リンクからお気軽にご連絡いただけますと幸いです。

https://rosca.jp/freelance/?utm_source=Note&utm_medium=referral&utm_campaign=kokoro

最後までお読みいただき、ありがとう御座いました!


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