書簡① 日本製鉄の転生

 電車広告で目にして興味を持ちました。製鉄業界日本首位、世界でも4位に位置づける日本製鉄。しかし、内情は巨体ながら流動性に欠け赤字を垂れ流す「巨艦」。同社はどのように再生を 遂げたのか。
 新日本製鉄と住友金属が合併して誕生した新日鉄住金は技術力はあるものの保守的で合理的な経営統合が行われておらず、伝統的な日本企業の負の側面を帯びていました。橋本新社長の元で新日鉄住金は日本製鉄に企業名を変更し新たな門出を迎えます。二年以内のV字回復を掲げた同社はトヨタを中心とする自動車企業との価格交渉、アルタミラと合同でのインドの大手製鉄企業の買収、不採算高炉の休止など抜本的な改革を進めていきます。
 情報・流通のグローバル化が進展する中、「失われた三十年」を看過している我が国日本では急速な変化が求められているような気がします。そんな中で、歴史ある典型的な日本企業である日本製鉄が改革を成功させて蘇った。このことはのちの日本の経済変遷を示唆するものであるかもしれませんね。

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