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「ストレスで身体を壊す」の仕組み ~こころと身体の関係

ストレス溜めるとよくないよ、ストレスって怖いよ
と日常的に聞かれるセリフではありますが
そもそもストレスでなんで身体の調子がおかしくなるの?の説明です。


定義

心理、社会的な問題から
「心が病気になる場合」と「身体が病気になる場合」があります。
ストレスによる身体の病気を「心身症」と言います。

心身症の定義
『身体疾患の中で、
その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、
器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。
ただし神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する』

日本心身医学会

心理、社会的な原因の中でも
ストレスが「発症」や「経過」に大きく影響を与えています。

発症のみ
経過のみ
発症と経過の両方
どれにも該当します。

器質的障害…
臓器などが損傷されて、その部位が特定できる場合
例:潰瘍ができる

機能的障害…
臓器などの働きに異常が出るもの
例:検査で臓器に異常はないが下痢が続く

ストレスで身体を壊すよ!は、このように定義されていて
誰にでも起こりうることなのです。

ストレス(こころ)がなぜからだを壊すのか

人は、ストレスを感じると
それに対する防御反応が起こり、戦闘態勢に入ります。

戦いが長引くと疲れてきます…

へっとへとの
よれよれで
ぐったり。

それでも
走れー!!
戦えー!!と指示される。

心理的ストレスとは言え、
それを察知するのは「脳」であり
身体への命令を出すのも「脳」

過剰に働きすぎると、その機能がはちゃめちゃに狂ってしまうのです。

脳の中の視床下部というところが
ストレス反応と自律神経機能の調節を担当
しています。
つまり…
ストレス状態が続くことによって、自律神経の働きがうまくいかなくなるから身体に不調が起こるということです。

心身症の例

過敏性腸症候群

腹痛やお腹の不快感、便秘や下痢が繰り返し起きる病気です。
検査をしても明らかな病変はないにもかかわらず
このような症状が長期間続くときに疑われます。

機能性ディスペプシア(胃)

内視鏡検査などで明らかな異常が認められないにもかかわらず、
慢性的なみぞおちの痛みや
胃もたれなどが現れる病気です。

本態性高血圧症

血圧を上げる原因が見つからない高血圧症のことで
高血圧症の大部分を占めています。

疼痛性障害

部分的、または複数の部位で痛みを感じ
その発症に心理的要因が関与していると考えられるものです。
痛みを引き起こす明らかな異常が認められない場合もあります。

アトピー性皮膚炎

かゆみのある湿疹を慢性的に繰り返します。
アレルギー疾患の1つですが
心身症として扱われることもあります。

頭痛

緊張型頭痛や片頭痛は
ストレスが要因の1つであるといわれています。


これらが主な例ですが、どれも
はっきりとした原因を特定できないのが特徴でもあります。
「ストレスで身体を壊すよ」は

「ストレスによって自律神経のバランスが乱れたり
働きがうまくいかなくなるから
調子が悪くなるんだよ」

ということです。


まとめ

自律神経は、身体のあらゆる機能を司っているから、その働きが狂うと
あちこちに、人それぞれの不調が現れます。
胃腸が弱い人は胃腸に
頭痛の起きやすい人は頭痛や肩こりに
女性ホルモンのバランスを崩しやすい人や
アレルギーのある人なども、
普段弱いところの症状が強く、最初に出やすいようです。

自律神経に影響を与えるほどのストレスから離れるか
多少揺さぶられても倒れない身体を作るか
どちらも大事。なのです。

乱れた自律神経や損なわれた健康は、元に戻す方が時間がかかるのです。
だから、早期発見早期治療が大事なのです。
こころも身体も、早めのメンテナンスが「理想」です。

ストレスは怖い、なんとなくわかっていただけましたか?



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