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治療中に言われる、周囲の「頑張れ」に疲れた時の対処法

ガンや長期治療を行う病気は、体だけでなく心への負担も大きく目に見えない変化を伴います。特に治療が始まって数か月が経過した頃、一見落ち着いてきたかのように見えるため、家族や周りからは「頑張れ」という励ましの言葉が飛び交います。

しかし、その言葉が逆に負担に感じられることもあるかもしれませんよね。
そのため、周囲からの「頑張れ」という言葉に対してイライラや焦りが募ることもあるかもしれません。

実は持病のある小3息子は、とても頑張っている時に「頑張ってね~!」と言われ、「どうしてこんなに頑張っているのに、もっと頑張れって言うの?これ以上どうしろって言うのかな・・・」と話していたことがあります。
治療中など頑張っているのは本人ですし、身体のだるさやしんどさ、思うように動けない辛さというのがありますよね。
周りは何気なく言っているだけですが、やはり追い打ちをかけられているように感じることはは誰しもあります。


だからこそ大切なのは、自分自身へ優しく接することです。
自分を責めたり、無理をして「頑張らなければ」とプレッシャーをかける必要はありません。治療は体だけでなく心の回復も必要とします。そのための5つのポイントをお伝えします。

1. 自分のペースで進む

治療の進行や回復のペースは人それぞれ異なります。WebやSNSで見かける体験談などはその方の場合の進行や回復状況です。同じ病気だとしても進行や治療内容、回復具合などはかなり違うと思ってくださいね。

だからこそ、自分の体と心に合ったペースで進めることが大切です。
焦らず、無理をせず、自分の感じるタイミングで休息をとることも重要です。


2. わいてきた感情を受け入れる

イライラや不安、怒りなど、さまざまな感情が湧き上がることがあります。それらを抑え込む必要はありません。感情を受け入れ、その感情が自分に何を伝えようとしているのかを考える時間を持つことが大切です。

感情を抑え込むことは、ご自分を否定しているのと同じことになります。
否定されたところから生まれる感情もまた、悲しみや不安、怒りというもの。それだと常に負の感情でいっぱいになってしまいますよね。

だから、わいてきた感情をそのまま「いま、私はそう感じているのね」と一言ご自分に声をかけてあげると、感情が落ち着いてきやすいです。


3. 周囲とのコミュニケーション

周囲の人々はあなたを気遣って励まそうとしますが、それが負担に感じることもありますよね。

そのため、可能であればご自分の気持ちを正直に伝えてみるのはどうでしょうか。

ご自分の気持ちを伝えることは勇気がいる場合もありますが、相手はご自分が思うほど特に何も考えずに「頑張れ」と言っていることもあります。
または、サポートする方自身がご自分にも言っているつもりかもしれません。

気持ちやしてほしいことを言葉にしていくことで、お互いに理解が生まれ、心の安定につながります。


4. 心身のケアを大切にする

体だけでなく、心のケアも忘れてはいけません。
心が落ち着いていると治療に集中できたり、今までは見えなかった外の景色に目を向けたりと心の余裕が生まれてきます。

心には、①戦う神経、②停止/休む神経、③癒しの神経という3つの神経回路があります。人の心は①~③どれも必要で、切り替えをしながら日々過ごしています。

治療や頑張ることは①戦う神経と同じです。
ずーーっと戦っていたら疲れてしまいますよね。そのため、ご自身の心に優しくするために②停止/休む神経、③癒しの神経が大切になります。

あなたはどんな音や匂い、風景や食べ物を想像すると、思わず笑ってしまうような心になりますか?
まずはこの想像をしてみると、戦う神経が休まるようになりますよ。


5. 日々の小さな喜びを見つける

治療が進む中で、日々の小さな喜びはどんなものがありますか?

何気ないことでいいのです。
病院での待合時間が前回より5分短かった、とか。
並ばずにカフェで休めた、とか。

例えばあなたが感じた小さな喜びが、希望や力を与えてくれることでしょう。


終わりに

自分に優しく接し、心を労わることは、がんや長期治療が必要のような病気と向き合う上で重要な要素です。周りの期待や励ましの声に応えるだけでなく、自分の感情や体の声に耳を傾けてください。

周りの期待や励ましの声にこたえてしまうのは、あなたの心の根っこに眠るクセが反応してしまうからなんです。こちらは改めて別の機会にお伝えしますね。


まずは今はゆっくりと、自分自身を癒しつつ大切にしてください。
ご自分を大切にすることは恥ずかしいことでも自己中心的なことでもありません。安心してくださいね^^


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こちらの内容があなたがこれから過ごす日常に、少しでも心の穏やかな時間が増えていくキッカケになれば幸いです。

患者さんとご家族が心穏やかになる かかりつけカウンセラー
岡田聡子


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