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第72回ケア塾茶山は「肌の贈り物」を読む予定です。

春寒料峭。金木犀の芽吹きに見惚れる毎朝。
3月11日(水)に開かれる第72回ケア塾茶山に、進行役の西川さんは会場にお越しになります。みなさまのご来塾も心よりお待ちしております。

さて、『体の贈り物』の翻訳者・柴田元幸さん、それから著者のレベッカ・ブラウンに関するいくつかのインタビュー記事をご紹介したいと思います。
2016年の春、柴田さんはデザイン系翻訳会社Fraze Crazeの取材を受け、レベッカ・ブラウンの本との出会い、そして出版に至るまでのエピソードを話しています。

int: 柴田さんの翻訳がきっかけとなって注目を集めたので、レベッカ・ブラウンなどは本国アメリカよりも日本でのほうが人気があると言われていますね。

柴田: 彼女の本のときは、いろいろな意味でほんとにラッキーでした。好きな小説だけど日本で翻訳を出すのは難しいかなあと思っていました。エイズ患者の介護の話で、地味なんです。大学の授業で扱って学生は気にいってくれてたりはしたんだけど、社会性だけでとらえられるのは嫌だし、と。
それが、雑誌『オリーブ』の400号記念のとき、いくつか出した翻訳の企画が却下されて、困ったなあと(笑)。他の本命とあわせてついでみたいな感じで出したら、そのレベッカ・ブラウンが通ったんです。担当の編集者たちが粘り強かったのがよかったんでしょう。いわゆるオリーブ少女たちが読んでくれました。「わたしは小説なんて読まないけれど、これはよかった」といった反響もあって、それで担当者たちも力を入れて、単行本にしよう、と。そういう編集者たちの熱心さがはたらきました。
レベッカ・ブラウンの本を見つけたのはイギリスの本屋でした。当時はアメリカではまだぜんぜん認められていなくて、イギリスでは本はいちおう出た、という感じでした。やはり本屋に行くのは大事です。

翻訳家・柴田元幸さんインタビュー」(2016.3.12)

なるほど。確かにインターネット上では本との"happening to see"も"passing"もまずしいものです。西川さんもこうして『体の贈り物』と出会ったことでしょう。奇跡が重なり、ケア塾茶山で精読され、ケアを見直す契機にもなりました。私たちは奇跡の伝承者であり、また新たな奇跡を創り出す者になりえます。

2022年の春、レベッカ・ブラウンは新刊エッセイ集『You Tell the Stories You Need to Believe: on the four seasons, time and love, death and growing up』の宣伝のため、BOMBMAGAZINEのインタビューに応じました。ストーリー(あるいはストーリーを信じ切る力)が自分を知ること、そして成長させることにつながるとのことですが、みなさまはどう理解されているのでしょうか。
そして、インタビュー記事「Working Beyond the End: Rebecca Brown Interviewed」(2022.3.25)の中でレベッカ・ブラウン自ら撮影した仕事場の写真なども公開されています。

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