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信頼を結ぶ、ということ。

冬ごもり中、何度も何度もここのねに足を運んでくれる女性がいる。ブログにも何度か登場した「DIY大好きなスーパーお母さん」だ。

彼女は、最初ここのねのことが「不安で仕方なかった」と言い、「今、こうしてここのねの手伝いをしているのが自分でもすごく不思議」と言っている。

どちらかというと、ここのねに対する「不信感」があった彼女が、今では1番私たちを支えてくれている。
彼女との出逢いについて書いていきたい。

昨年の10月に「豊後大野にこんな学校あったらいいな。」の会をしたとき、不安そうに会場に来てくれたのが彼女だった。
Facebookやnoteを通じてここのねのことを知り、日ごろブログで読んでいても、私たちが何者なのかがよくわからず、不安で不安でいっぱいでこの会に来たとのことだった。

何が不安だったのか。それは、「学校を休みがちな息子が、家の近くにできた”よくわからない学校”に巻き込まれてしまうのではないか。」という不安だった。

ここのねについての質問をグループで出し合う場面で、彼女は同じグループにいたスタッフのももちゃんに色んな不安を直接投げかけた

「学習面の保障はできるのか」
「高校受験はどうするのか」
「ここのねに来ることで受験に不利にならないのか」

きっと、みんながどこかで思っていること。それを彼女は、ストレートに私達にぶつけてくれた。

スタッフは、質問にできるだけ丁寧に答えつつも、全てはお答えできなかった。そして、「息子がここに来たらどうしようと不安で…」という彼女に、ももちゃんが「…それはもしかしたら、息子さんをコントロールしようとしてるんじゃないでしょうか?」と意見した。その言葉は、そのときの彼女の心を揺さぶり、それが自分の息子への接し方をガラリと変えるきっかけになったという。

また、私たちが当日答えられなかった質問を後日、noteの記事に詳しくまとめて答えていたことにも感動したと話してくれた。その頃から、少しずつ、少しずつ彼女との信頼関係が築けているのを感じていた。

その後、場所づくりのため、冬ごもりをしてDIYを本格的に始めた私たち。
当然全くの素人で、スタッフのこうちゃんももちゃんがネットでゼロから調べた情報だけが頼りの私たち。
「多分、これでいいよね…?」
とお互いに確認し合いながら進める作業。

そこで突然現れたのが、「DIY大好きなスーパーお母さん」の彼女だった。
事前に
「Facebook見ました。日曜大工が趣味です。壁はこうした方がいいのではないでしょうか…」
などなど、詳しい情報満載のメールが来て、
「あんまり頼るとご迷惑かな…」
と思いつつも、
「一度現場を見てもらえないでしょうか…!?」
とお願い。それからすぐに来てくれ、的確なアドバイスをたくさんくれた。それを必死でメモするのは、スタッフのももちゃん。後日、「ももちゃんのメモを取る姿勢、謙虚に学ぶ姿勢に心を打たれた」と言って、彼女はそれからも足繁くここのねに通って手伝いをしてくれている。

しかも、様々な工具を次々に持ってきて貸してくれ、さらに家に余っている漆喰を3袋、マスキングテープ、断熱材を止める杭など、たくさんの物を提供してくれた。

さらに、ここのねの床の設計図まで家で書いてきて、材料の計算までしてきてくれた…!感涙

思わず、
「どうして私たちにここまでしてくれるんですか?」
と問うと、
「私は、口を出したら、責任をもって手も出す。言いっぱなしにはしたくないから。」
と…!かっこよすぎる
そして、私たち3人のそれぞれの姿勢に感銘を受けたことを話してくれた。

「ここに来ると自分も若い人たちの考えにふれて私自身も学ぶことが多いから」
と言って、足を運んでくれる彼女。
その謙虚な姿勢見返りを求めない優しさ、芯の強さに私たちの方こそ、学ばされることばかりだ。

facebookやnoteの発信をきっかけに、こうして実際に会うことができ、お互いに気持ちをぶつけ合う機会ももてた。
そして、ここのねについてどちらかというと「批判的」に捉えていた彼女がこうして、いつの間にか私たちを全力で支援してくれる力強い仲間になっている。

これから、活動していく中で様々な価値観の人と出逢い、そのたびにお互いの考えを出し合うこともあるだろう。

その全員と私たちがわかり合うというのは難しいのかもしれない。けれど、彼女と出逢えたことで、私たちには一つの自信が生まれた。

「信頼を結ぶ」

これは、2020年の目標の1つだ。自分たちの想いを丁寧に伝えることをあきらめないでいよう
改めて思った。


心を大切に。
丁寧に、伝えていこう。

ここのね自由な学校は日本の法律上、公的な支援が受けられません。それは回り回って子どもたちの経済負担に重くのしかかっています。ここのねを「誰でも通える学校」にするため、ご支援をよろしくお願いいたします!ご支援いただいたお金は、給付型奨学金や施設設備の充実等に利用させていただきます!