仕事でのジョブ型の話

こんにちは。ココノエです。
最近ちょくちょくニュースになる、仕事でのジョブ型導入の話です。

ジョブ型とは何か(合わせてメンバーシップ型も)

上記記事を参考にざっくり解説すると以下な感じ。

  • ジョブ型
    仕事ありきでそこに人をはめる。組織よりも個人に重点をおいた考え方で、基本的にその仕事をこなしてくれればいいし、それ以外に会社はガミガミ言わない(どっか異動とかさせないとか)。

  • メンバーシップ型
    人ありきでそこに仕事を柔軟に調整しはめていく。個人よりも組織に重点を置いており、各メンバーは決められた仕事範囲はなく、必要な業務を協力し処理する。会社は必要によって各メンバーに様々なことを要求する(どっか異動させるとか)。

日本企業にジョブ型はうまくハマらないように思える理由

現実にウチの会社ではジョブ型にしてものすごく業績があがりました!、ウチの会社はモチベーションがものすごくあがりました!、のようなニュースは聞いたことはありません(もしかしたらあるのかもしれませんが)。個人的にこんな理由でジョブ型が日本の企業にあてはまらないと思えることを列挙します。

①全体の仕事の構造を設計しないでとりあえずジョブ型にしてみた
そもそもジョブ型は仕事に対して人をはめ込む形式をとる以上、その会社、部門における仕事の設計が完全にできている必要があります。つまり、予算がこうだから、この部署の仕事はこれだけあって、そのためにはこことここに何人、ここは何人としていなければいけません。
となると、これまでとりあえず人をあてがってその後仕事は何となく回してきました、全体の仕事の設計をしていませんとなると、この状況から各メンバーの働き方だけをジョブ型にしたところで、結局当人からすれば何をすればいいんですか?となります。それを上司が示すことになりますが、全体の仕事の設計をしているわけではないため、結果何が起きているかと言うと、何故か中間管理職の上長が部下に対してジョブを与えるのではなく、部下が素案を作成し、それを上司が確認するみたいなことが全国津々浦々で起きているのではないかと思います。
余談ですが、この手のとりあえず先進国家がやっているものをやってみたいというのは、昔からの日本の気質な気もします。明治維新前も、中国が律令国家やってみるから、日本もやってみた(なお官僚はいない模様)!みたいなことをやっていますので。

②中間管理職に権限がない
ジョブ型をうまくいくようマネジメントしろ!といわれる中間管理職の方々も大変だなーと思います。
そもそも、ジョブ型=仕事に人を当て込むなので、極端に言えば仕事を回すためには人を入れ替えることが必要です(ジョブ型なので人事に向かないから経理みたいなことができない)。ある意味メンバーを歯車的に扱うので、それ相応の人事権や、採用権が必要ですが、どうみてもそれらの権限が中間管理職に与えられているようには見えません。
この状況で仕事を回せ、ジョブ型で、と言われても既存のメンバーありきでまわすとなると今のメンバーでやれと言われればこれまでのやり方が最適化されているところがほとんどと思いますので、そりゃ変わらんでしょうという話です。

③正社員守られすぎて入れ替えられない
②の人事権の話に被りますが、そもそも中間管理職に人事権を渡したとしてもそもそも日本の正社員が守られすぎているため解雇できません。
最高裁判所は、会社はその役職で能力不足であれば、他の役職で活躍できるよううんぬんという判決を出しています。この時点で、社員を解雇するのは困難極まりないため、そもそもジョブ型の思想と根本を違っているよねという話です。

ジョブ型をやるのであれば

個人事業主契約や業務委託をメインとして組織を組み立てるくらいしか現行の労働規制下では無理ではないでしょうか。
そうなるとそもそも既存の組織のメンバーを明日から全員正社員→個人事業主とするので、これは絶対無理なので、これからの企業でないと採用不可能ですが。ただ、アメリカの働き方の環境を見てもこの方向にシフトしていくのは間違いないので、ジョブ型事態が今後の日本でも増えていくのは間違い無いと思います(今のメンバーシップをジョブに変換するのが困難ななだけで)。

さいごに

単に、ジョブ型(中身はメンバーシップ型)であれば喜劇ですが、ジョブ型を建前にしたホワイトカラーの人件費削減のような節もみられるため、このジョブ型については簡単に全てを説明できない部分はあると思いました。
ただし、ジョブ型な働き方をする日本人が増えることは確実で、会社の寿命も短くなる中、いつでも私はこのジョブならできます!という強みをつける必要があるので、どの社員でも一緒だと思います。


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