これは、7年前の日記から。


ふと目を覚ますと、4歳の息子と目が合った。
どうやら私より先に目を覚まし、横になったまま私を眺めていたらしい。

「ずっとママを見てたの?」とたずねると、こくりとうなずいた。
「あのね、ママってきれいだなぁと思って見てたの」
そう言われて思わず口元が緩んだ。

まぁ、客観的に見て「きれい」ってジャンルじゃないのよね、私。
でも、子どもにとって自分の母親は「きれい」に見えるものなのかな。
世間的な「美人の基準」もまだ知らないんだろうし。
よし、夫が言わない分、息子に言ってもらおうじゃないか。

「ありがとう。 どこがきれい?」
「あのね、顔全部だよ」
くぅ~、よく出来た息子だ!!!

「あのね、ママのお顔にはお花が咲いているから」
「え?? お花?? どこ?」
思わず聞き返すと、機関車トーマスのタオルケットから小さな手がするっと出てきた。やわらかくて小さい人さし指が、私の顔の何ヶ所かをたどっていく。

「ここと、ここと、ここと・・・」


 シミだよ、それーーーーー!!!!


 だけど、何だかじぃんと来た。
大人が「シミ」として忌み嫌うものが、子どもには「お花」に見えるのか。
これはシミやそばかすだらけの残念な顔じゃなくて、お花畑のようにきれいな顔なんだ。

 つくづく、世界は、その人がどう見るかでできているものだなぁ。


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