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つくづく私はツイている。びっくりするほど環境に恵まれている。仙台にゴジラはいないし、死ね虫も少ない。それに名掛丁ではラパラパを幾らでも飲める。商店街のベンチに並んだ空きカップを眺めていると、胸にじわじわとした充足が湧いてくる。それは身長が高くなったようで、テストの点が上がったようで、誰かが自分の代わりに叱られているみたいだった。 たぶん、そんな感じだ。 「また飲んでる」 私に話しかけたのは、やはりCだった。こんな昼間に会いに来るのはCくらいだ。茶色い髪が少し伸びて、