シェア
三題噺「骨 爪の垢 睡眠」 最悪の目覚ましアラームが何かと聞かれたら、やはり玄関チャイムの音だろう。目を覚ました後の、今日は何をして過ごそうかなんて孤独にボンヤリ考える至福は奪われ、起き抜けから人と接しないといけないからだ。よって、この小うるさいインターホンの音を、無視するのには正当性があり、自分には二度寝の権利がある……などと考えていたのは、吸血鬼……ヴァンパイアの女であった。名をマーブルと言う。 ピーンポーン…… マーブルは憂鬱だった、現在時刻は夜の八時、