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オンライン研修(リモート研修)での効果的なファシリテーションの5つのポイント

■1:受講者に心の準備をしてもらう方法

オンライン研修は気軽に参加できる反面、参加目的が曖昧な受講者が出てきます。

リアル研修では「会場に向かうという行為」が「参加するという意識」のスイッチになっていました。

オンライン研修の場合、スイッチ一つで、テレビのチャンネルを変えるかのごとく、研修が始まります。

学ぶ意識を醸成することが、学びのコンテンツ以上に重要です。

「神社で鳥居をくぐる際、一礼することで、神聖な場所に入る意識が生まれる」ように、行為と意識は連動しています。

そこで、「研修に入るための通過儀礼」としての
「受講姿勢づくり(以下、セットアップと称する)」をご紹介します。

このセットアップされた状態で当日を迎えると、
講師は受講者の空気感を理解した上でスタートすることができます。

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その方法は4つ。
1:事前にアンケートを送る
2:事前動画をお送りしてみてもらう
3:テキストを配布する(郵送する)
4:研修の冒頭に参加目的を発表してもらう

事前に行動してもらうことで、目的意識を調整します。

これはあくまでも僕がやっていることです。
皆さんも受講者に何か主体的に動いてもらう行動要請を考えてみてください。

ここでのポイントは、事前課題が現場の負担になりすぎないよう配慮すること。

例えば、事前動画として2時間の動画を送っても、ほとんどの人が見てくれません。現場は忙しいからです。

そのため、私は研修の内容を10分にまとめた事前動画をお送りし、
テキストをあらかじめペラペラとめくっていただくという行動喚起をします。

その結果、受講者はあらかじめ講師が何をやるのか分かり、
動画で講師のことを事前把握した上で、スタートできるのです。

また、事前にテキストをみているので、事前アンケートでも、研修内容の的を得た質問がくるため、満足度が得やすくなります。

事前動画とテキスト送ることで、講義に使う時間が圧倒的に少なくなり、
参加者同士のディスカッションや、講師の質疑応答や、
ケーススタディーの質問などに多く時間を割くことができます。

参加者主体の研修を行う上で、事前に行動喚起をすることはとても重要です。

■2:研修が始まる前に受講にやってもらうこと

研修が始まる10分前には、集まってもらうという話は上述しました。

さて、集まっていただいたら、研修開始までに何をするのがよいでしょうか。

1:名前の変更をする
2:音声と画像のmuteの外し方を確認する
3:チャット機能を活用してもらう
4:画面への書き込み機能など、ツールの使い方を伝える
5:セミナーの進め方に関して説明しておく

など、当たり前のことをアナウンスします。
誰か一人でも使えないと進行に支障がでるからです。

1つ目の、名前の変更

受講者のフルネームに変更していただきます。

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これをしていただかないと、例えば「iPhone」や「ともひこのiPad」や「DH2294(おそらく社員番号)」みたいな人がいて、参加者の把握ができません。始まる前に、必ず「9月/志村智彦/東京支社」等の表記してもらいましょう。

なぜ、誕生月を入れると思いますか?

これはブレイクアウトルームを使うときの、討議・意見共有(シェア)の順番になるからです。オンラインだと誰からシェアをするのか順番を決めておかないと、牽制しあって、シェアが始まらないからです。これもきちんと説明をして入れてもらいましょう。

2つ目、音声と画像のミュートの外し方を確認する

基本的なことですが、これができるかどうかを確認しましょう。
人数が多い場合は、音声は終始ミュートにするのも良いでしょう。
人数に合わせて方法論は変わります。

3つ目は、チャット機能の説明

これも使う場合ですが、質疑応答などを、チャットで書き込んでもらう方式を取る場合は事前に動作確認をします。実際に、場所を確認していただき、お名前をチャットに書いてもらいます。

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ブレイクアウト機能がないときは、意見共有の代わりに、感想をチャットに書き込んでもらうという方法で研修やセミナーを進めることができますよ。

4つ目、画面への書き込み機能など、ツールの使い方を行う

これはzoomの機能ですが、画面共有したページに書き込みをすることができます。

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スタンプ機能を活用した、アイスブレークなどもできます。
具体的な技術は、動画教材(詳細は下記)にありますので、興味のある方はご確認ください。

5つ目、セミナーの進め方に関して説明

これもとても大切なことです。その中で、重要なのは、リアクションの要請です。

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オンラインコミュニケーションは、画面を無表情でみがちです。
そのため、反応をしっかりとってもらう要請をすると良いです。

■3:オンライン研修の進行の方法/ファシリテーション

研修の中で「ファシリテーション」という言葉をよく聞くと思います。
これは促進すると言う日本語の意味があります。
平易な表現で言うと学習の推進役と言ってもいいかもしれません。

では、効果的なファシリテーション(促進)は、どのように行えばよいでしょうか?

簡単にまとめていきます。

■セミナーの冒頭で大切なこと
1.オンラインとリアルの研修の違いを伝える
2.オンライン研修の参加の心構えを伝える
3.研修の目的と概要を伝える
4.受講にあたって得たいことを紙に書き出してもらう
5.(人数にもよるが)得たいことを発表してもらう

このように、セミナーの冒頭で丁寧に研修の目的や考え方をしっかりと伝えることが重要です。

学習する上で大切な事は自分が何を求めているのかということを明確にすることです。

紙に書き出すと言う行為そのものが、体を動かす右脳的なアプローチになり、より腑に落ちやすくなりますのでとても効果的です。また、自分の言葉で話すことで、それを得ようと言う気持ちが高まります。

オンライン研修とリアル研修の違いについては、丁寧に説明することによって、その後の進行が全く変わってきます。

この進め方や話し方については動画教材(有料教材)にしています。文字で伝わらないニュアンスが存分にありますので、さらに学んでみたい方は、下記をご覧ください。

■4:グループ討議、シェアの際のファシリテーション

Zoomには、ブレイクアウト機能があります(上述)。

この機能を使って効果的にシェア(意見共有)を行う方法についてお伝えします。

1:学んだことを受講者の言葉で共有する時間を作ります
2:討議やシェアは、講義が約15分程度の一度の割合で入れることが望ましい
3:討議に入る前には必ず紙に書き出す時間を1〜2分ほど
4:グループで1番目に発表する人の順番を決めておく
5:全員が時間内に発表できるように促す

ブレイクアウト機能がないシステムの場合
1:学んだことをチャット機能に書き込んでもらう
2:時間内になるべくたくさんの記載をしてもらう
3:書き込まれた内容をリアルタイムで講師が読み上げることでライブ感を演出

時間は、研修内容にもよります。

■グループ分けの人数:
1組4人が最適だと感じます。6人だとオンラインでは多い気がします。

シェア時間:
内容によるので一概には言えませんが、個人の感想や意見発表であれば、
(1人1〜2分×人数)+予備時間 だいたい5分〜10分を目処にします。

たっぷり話すのが良い場合もありますし、サクサク切り替えるのが良いケースもありますので、ご自身で最適な感覚をつかんでみてください。

シェアをはじめる前にすること
リアル研修の場合、講義のあとそのままシェアに入りますが、オンライン研修の場合はいきなりシェアになると、話せない人がたくさんいらっしゃいました。画面を見て理解する脳と、話す脳が切り替わらないのではないかと推測します。

そのため、シェアに入る前に1分間、シェアしたい内容を紙に書き出す時間を取りましょう。
その方がシェアがスムーズに進められます。

シェアタイムの話す順番
シェアが始まってから話す順番を決めていると時間が押します。

オンラインだと牽制しあいます。そのため、前述のように誕生日を記入いただき、「1月から若い順に発表してください」などと伝えるとすぐに発表がスタートします。

名前が変えられないシステムの場合は、頭文字が「あ」から近い人など、誰もが瞬時にわかるものにしておきます。

シェアのポイント
自らの言葉で話すことで知識を腑に落とすことができます。また、抽象概念の場合は、自分の経験に紐付けたり、他人の解釈を共有することで、具体的に行動に落とし込むことができるようになります。

■ブレイクアウト機能がない場合の対応
会議システムにはブレイクアウト機能がない場合があります。その場合、意見共有の代わりにチャット機能を使って、書き出していただく時間を作ります。

チャット機能で、ここまでの感想を書いてもらうことで、講師も参加者の顔や反応が見えなくても、理解度を確認することができます。

■5:オンライン・ファシリテーターの心構え

ここではファシリテーターとしての基本的な心構えをお伝えします。
これはリアルでもオンラインでも共通する部分なので、ぜひご活用ください。

1:明るい雰囲気で安心できる環境作りをする
2:全員がしゃべれるようにサポートする 
    →時間内で討議が全員話せるように促す
3:時間配分をする(事前に詳細なタイムラインを作っておく)

4:人の話が終わったら拍手をする
 →意見共有が終わったら拍手で終了する
5:アドバイスは必要以上にしない
 →ファシリテーターは促進することが目的のため、良い悪いを判断しない
6:自社研修などで少人数(1-3人)の際は、講師もシェアに入りサポートする

詳しくは動画教材で説明しておりますので、興味のある方はご活用ください。


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