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[はたらくコラム] 就活は恋愛みたいなもの?

就職活動を始めると、多くの人から様々な話を聞く機会があります。そうはいっても、話の内容はそれほど大差ないことがしばしば。せっかく社会人から話を聞く機会があっても、「それ、この間キャリアセンターの○○さんから聞いたよ」という経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。

就活は恋愛みたいなもの

そうした「よくある話」の一つに、「就活は恋愛みたいなもの」という話があります。社会人は基本的に例え話が好きなので、すぐに何でも例えたがります。また、「学生には恋愛に絡めた話をすればどうにかなる」という考えもなきにしもあらずです(実際問題、そうなのかもしれませんが)。

就活は恋愛みたいなもの、という話を聞いたことがない方のために、簡単にご紹介しましょう。

就活? ああ、そんなに難しく考えなくていいよ。なるようになるから。

そうだなあ、例えるなら恋愛みたいなものかな。どこかいい会社ないかなあ、と探し回る就活生と、誰かいい人いないかなあ、と待ち構える企業だもん。それで、お互い合格させたり不合格にしたり、はたまた内定辞退したりするわけでしょ? フッてフラれての恋愛にそっくりじゃん。

だからほら、就活って聞くと身構えちゃうけど、恋愛みたいなものだと思えば、ちょっとは気が楽にならない? あはははは。

いかがでしょうか。一見すると、なるほどという納得感のあるアドバイスに思えます。求人者と求職者の出会い、そして互いの相性を見極めて「就職」という名の共同生活が始まるのです。就活とは恋愛みたいなもの、なんと説得力のある説明でしょうか。

就活を恋愛に置き換えてみよう

それでは、実際に面接やエントリーシートで聞かれる質問を、恋愛に置き換えて考えてみましょう。きっとすんなり腑に落ちるはずですね。

質問1:どうして僕のことを好きになったの?
(志望動機:当社を志望した理由を教えてください)

なんてキザな質問でしょうか。実際の恋愛であれば、「そ、そんなこと突然聞かないでよ///」と照れてしまうか、「はあ? うぬぼれるのもいい加減にしてよ」とフラれるかの2択のような気がします。いずれにしても、恋愛の現場では相手から回答がもらえることを期待してはいけません。そして、就活の現場では恋愛のように照れたりフッたりする質問ではありませんので、くれぐれもご注意を。

質問2:あたしと付き合ったら、どんなことしたい?
(希望職種:当社に入社後にしたい仕事を教えてください)

「そ、そりゃお前…」と赤面してしまう人が続出しそうです。ただ、まじめに答える方法もありますね。「貴社の営業部門として幅広い顧客からの受注を増やし、貴社の更なる発展を支えたいと思います」、すなわち「時に君の右手となってたくさんのご飯を得て、時に君の足となって、徐々に太っていく君を支えるよ」というように。

質問3:結局あなたは何ができるっていうのよ。
(自己PR:自己PRをお願いします)

ここまでくると、恋人候補とはいえモヤモヤしてきます。「僕の君への思い、これだけは誰にも負けない」とでも言えればよいのでしょうが、あまりに抽象的で伝わらない可能性大です。そうなると、結局のところ過去の実績でも話すしかありません。就活で言えば「大学時代のアルバイト先だったコンビニで、売上20%アップを達成しました」、恋愛で言えば「前の彼女と300回キスしたんだぜ」。なかなか難しいものですね。

就活を恋愛に置き換えるのは無理がある

ここまで、就活を恋愛に置き換えて考えてきましたが、なかなか無理がある気がします。むしろ、出会いがあって結ばれる、という部分以外は到底重ならないようにも思えます。

これで就活生の皆さんも分かっていただけましたか。面接でコワ~イあの部長だって、冷たそうな人事担当者だって、結局のところはどこにでもいる一般人なのです。それが偉そうにしているだけで、中身はテキトー人間、ということもよくある話というわけです。

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