【新・東カレデート】結婚相談所(naco-do)編：88・89人目/そのお見合いに物申す。

大クレームを入れたお見合い2本立て。

①身だしなみは、相手への敬意です。

＜データ＞
■職業：美容関係
■年齢：40代前半
■年収：3000万円～

年収の高さに思わず2度見したが、資産を売却したため昨年の年収が高かったらしい。小太りながら個性的な髪形をしていて、美容関係のお仕事ならではかな？と思った。共通点はお酒か好きなところ。さて、会ってみよう。

コネクトシップ経由でのお見合いはシステム上ホテル指定ではないので待ち合わせ場所もお見合い場所もカジュアルな場所が多い。とはいえ、お見合いはお見合い。いつも通りワンピースに身を包み、お見合い前に履き替えるようにヒールをバッグに忍ばせた。日中はペタンコでアクティブに動けるようにし、デートやお見合い前にヒールに履き替えるのがいつものやり方だった。

正直、男性は足元まで見ていないかもしれない。見ていてもペタンコを気にしないかも？でも、そこは少しでも女性らしさをアピールしたいので身だしなみとして毎回装備していた。

待ち合わせ場所に少し早めにつき周りを見渡す。

髪の毛がやたらボサボサでダウンを着た男性が誰かを待っているように立っていた。体系は小太りで一瞬「まさかね」と思ったが、認めたくない気持ちもあり、視線を合わせず私も相手を待っていた。

だって、写真とイメージが違うどころかお見合いのファッションじゃないもん。今日の相手なわけないでしょ。

そこから5分以上たったころ、「夏緒さんですか…？」と声をかけてきたのは先ほどから視界の中にたたずんでいたあのダウンを着たボサボサ男だった。

夏緒「…あ～っ！！気が付きませんでした、ごめんなさいっ！夏緒です、宜しくお願いしますね！」

一応明るく振る舞って近場のカフェに入り向かい合う。

「よろしくお願いします＾＾」と笑顔で会話をスタートするも、私の心の中ではじわじわと怒りがこみ上げてきていた。

何なの、その恰好。

薄汚れたTシャツにダウンにデニム。全く手入れをされていないような爆発したヘアスタイル。

お見合では、基本的に男性はスーツで来るし、そう相談所にも指導されているはず。お見合いのルールに「買い物袋を下げてお見合いに行くなどしないでください」と細かい描写で注意を促す文言を見たこともあるくらい、見かけや登場したその時の印象が次のステップに大きく影響することを経験として知っているので、相談所も口を酸っぱく言ってくるわけだ。なのに…。

こいつの恰好ときたら、服装指定のないアプリの男性よりもひどい。暇つぶしにやった低俗なマッチングアプリで今知り合って居酒屋に行くことになった相手がこんなやつだったみたいな感じだ。

朝、ワンピースに悩み、重い思いをしてヒールをもってきて履き替えたことを大きく後悔した。

実際のお見合いの中身はというと、話しもしどろもどろで会話が広がらない。

トークが必ずしも得意である必要はない。けど、今日の恰好と清潔感のなさがこの人のあらゆる怠慢さを物語っているようで、何も許容できないまま店を出ることになった。

この時期、まだ酒類の提供が制限されていたが街に人はあふれていた。

「人が多いですね」と言いながら人ごみを避け足早に駅に向かう私を、彼は小走りに追いながら

「夏緒さんも居酒屋とか行けなくてやっぱりショックですか？」

と聞いてきた。

頭の片隅で、「プチッ」と小さく何かが切れる音がした。

居酒屋とか行かないんだけど。

この人は「飲む」といったら「居酒屋」で、なんの悪気もなく出た表現なんだろうけど、よほど好きでもなければ私くらいの年齢の女子が居酒屋に通うことはない。お前と一緒にするなと思ったし、夢もロマンもない表現をぶつけられてあきれて返ってしまった。

（余談ですが、昔男性と話していてヘアサロンに行った事を「あ、床屋行ってきたんだ？」と言われたときは反射的に引いたし、その人が急にダサく見えたよね。こういう感覚。）

(お見合い結果）

お相手:？
私:×

コネクトシップの場合、相手の返答がわかりづらい。

私が早くお断りを出してしまえばそのまま終了になる。今回は服装に関してクレームメッセージをつけてお断りしました。

どういうつもりでこのお見合いに臨んだのか知らないけど、普段着のまま来る時点で詰んでますよ。

改めて思うけど、服装や身だしなみを整えるって相手への敬意なんですよね。見かけで相手に対して不快感を与えると、どんなに中身が素敵でも覗いてみようとは思ってもらえないよ。手を抜いて楽して損するのはアナタ。

最後に、叶恭子様の名言で締めるとしよう。

人間は外見ではない、
内面こそが大切なんだ、
と多くの大人は
言うでしょう。
もちろん、
そうです。
しかし「外見」とは、
あなたの生き方と精神が
100パーセント現れる
場所でもあるのです。💋✨

合掌。

②相手を怒らせてしまった！！そんな時をチャンスに変える方法。

＜データ＞
■職業：小売業経営
■年齢：30代後半
■年収：1000万円～

いつものように待ち合わせ場所に向かっていると1本の電話が入った。相手は今日のお見合い相手の仲人さんで、車の渋滞で30分ほど遅れるとのこと。この時、待ち合わせ時間の40分ほど前。少々遠方からこちらに来てくださっていることも知っていたので「お待ちしていますのでお気をつけていらしてください、と伝えてください。」と電話を切った。

席に着いてしばらくするとお見合いカップルとおぼしき2人が隣に座った。

戦後の日本男児のような特段しゃれっ気のない丸刈りの男性と、笑顔が素敵でよく笑う女性のお見合いだった。男性は、女性の笑顔につられて緊張がほぐれていっているのを隣で見ていて感じた。

「微笑ましい～。女の子すてきー。」と思いながら時計を見ると仲人から告げられた相手の到着時間を過ぎていた。

もう来るかな？？

あの人かな？？

まだかなー。

・・・・。

・・。

そうこうしているうちに隣のカップルのお見合いは終了し、店を出て行った。

到着予定事項からさらに1時間が経過していた。スマホでサイトをチェックするも、特にメッセージは入っていなかった。

さすがに、疲れた・・・。

でも、向かってくれている相手を思い先に注文はせず水でやり過ごす。

するとようやく入口付近にお相手らしき人が現れこちらに向かってきた。

「夏緒さんですか？」

下から見上げるような目線でぶっきらぼうに話しかけてきた相手の顔には、少しの笑顔もない。

「あ、はい。〇〇さんですか、良かったです、ここまで大変でしたよね、わざわざありがとうございます。」

ひとまず相手をねぎらったが、次の瞬間衝撃的な返答が返ってくる。